2011/01/23

ポケベルのブームとソーシャルという功績




2011年の今から15年前の1996年当時、女子高生を中心に大ブームを巻き起こしていたのが、ポケベルことポケットベル (無線呼び出し) でした。

今回のエントリーでは、ポケベルを取り上げます。ポケベルブームの背景、当時の状況、ポケベルの功績は何だったのかを書いています。

2011/01/21

これからの「シェアと評判」の話をしよう

わたしだけの「所有」からあなたとの「共有」へ。書籍「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」では、消費システムが変わる歴史的なターニングポイントに私たちはいると書かれています。今回は、「シェア」という本を読んで考えたことを中心に書いています。

■3つのコラボ消費

本書では、共有(シェア)される消費システムを「コラボ消費」という、コラボレーション+コンサンプションから作られた言葉で表現しています。そして、コラボ消費には大きく3つのカテゴリーがあるとします。すなわち、1.プロダクト=サービス・システム(PSS)、2.再分配市場、3.コラボ的ライフスタイル(表1)。

出所:「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」

■我慢から便利へ

さて、上記の例を見ると、コラボ消費は特筆すべき概念ではないように思えるかもしれません。確かに、私たちには、日本語特有の「もったいない」という言葉であったり、近所へのおすそ分け、兄弟間でのお下がりなどがあり、昔から普通に見られるものでした。あるいはDVDレンタルや書籍・ゲームなどの中古、またはフリマなど、不特定多数の人との間でも行われています。

このように、すでに私たちの身の回りに存在しているコラボ消費ですが、個人的に思うことに、レンタルや中古品の利用は従来はどちらかというと消費の主流ではなかったという点があります。つまり、中古ではなく新品を買うこと、あるいはレンタルではなく自分の物として所有することがこれまでの主流で、中古品を積極的に利用することはどこか「かっこよくない」というイメージを与えていたのではないでしょうか。レンタルや中古品を「我慢」して利用してきたように感じます。

しかし、本書を読んであらためて思ったのは、こうした潮流に変化が起こってきたのではないかということです。個人的に感じるのが中古品であっても、場合によっては満足度の高い購買ができていることです。私はよくアマゾンで本を買うのですが、少し古い本などを探していると、新品は取り扱っておらず中古品でしか買えないことがよくあります。そして実際に中古の本を買いますが、ほとんどの場合、自分の欲しい本が手に入り読むことができるという満足感が得られます。レンタルの場合も同様で、ずっと所有しているよりも必要な時だけ利用するほうがむしろ便利なのではないかと思います。

■間違った場所から正しい場所へ

本書で印象的だったのは、「世の中にいらないものはなく、使えるものが、ただ間違った場所にあるだけ」という表現です。これは、ある物に対して自分には必要がないけれど、他の誰かにとっては欲しいものだということを言っています。別の表現をすれば、ある物に対して供給と需要がうまくマッチングしていない状況を指しています。

ここにネット、特に人と人のつながりが無数につくられるソーシャルネットワークが介することで、需要と供給のマッチングがこれまで以上に起こってくるのではないかと思います。上記の表現で言い直せば、使えるものが正しい場所に移るということ。個人的に、インターネットの本質は「ネットワーク上の双方向性」と「個の情報発信」だと捉えていますが、このような特徴を持つネットが、人々の物に対する「いらない」と「欲しい」を結びつけます。その結果、こんなふうに考えるかもしれません。「所有するより必要な時だけ利用しその分だけお金を払えばいいのではないか」と。「所有」よりも「共有」にメリットを感じるようになるのです。

いくつかのシェアビジネスを挙げておきます。まずアメリカ。世界最大のカーシェアリングサービス「Zipcar(ジップカー)」。近所の人と貸し借りをサービス化した「Neighborgoods(ネイバーグッズ)」。お下がりを共有するサービス「ThredUP(スレッドアップ)」。そして日本。使っていない時だけ自分の車を貸し出すカーシェアリングの「CaFoRe(カフォレ)」。ツイッターを通じてモノをあげたりもらったりすることができるサービスの「Livlis(リブリス)」などです。

■「お金」からこれからの「評判」を考える

それでは、共有という考え方がもっと一般的になり、人々がよりシェアをするようになるとどうなるのでしょうか。「シェア」という本には、あるおもしろい示唆が書かれていました。それが「評判の口座」というものです。

何かをシェアするためには自分一人ではできなく、シェアをする相手が必要になります。そしてシェアは相手とのお互いの信用のもとで成り立っています。ということは、他人からの信用や評価、評判がある人ほど、ますますシェアすることができるようになると本書では指摘しています。こうして出来上がっていくのが「評判の口座」で、信用の上に成り立っているシェアに参加できるかどうかを判断するカギになるとも書かれています。

ここで思ったのが、お金と似ているなということです。物々交換の時代、人々の間で取り引きがしやすいようにとお金という仕組みが生まれました。それまでは個々人の相対的な評価(価値)で物々交換がされていたのが、お金により物やサービスの価値が定量的に判断できるようになったのです。

これと同じことが、信頼や評判でも起こるのかもしれません。それが、「評判の口座」という考え方だと思いました。相手のことが信頼できるかどうか、あるいはどの程度信頼できるかどうかは、実は人それぞれで判断されているのではないでしょうか。これは、上記の物々交換の時と同じ構図です。もし評判の口座、つまりどれだけ信頼できるかが定量的に判断できるようなものが生まれるなら、もしかしたら、シェアされる世界では評判はお金のような存在になるのかもしれません。

■最後に

去年の後半くらいからよく目にする言葉に、「断捨離」というものがあります。断捨離とは、もともとはヨガの「断業」、「捨行」、「離行」という考え方に由来するようで、その意味は、不要なモノを断ち、そして捨てることで、モノへの執着から離れて身軽で快適な生活を手に入れようというものです。こうしたことからも、無駄なものを所有をしない暮らし方は少しずつ広がってきているように感じます。


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※参考情報
Zipcar(ジップカー)
Neighborgoods(ネイバーグッズ)
ThredUP(スレッドアップ)
CaFoRe(カフォレ)
Livlis(リブリス)

2011/01/15

なぜ大垣共立銀行は日経金融機関ランキング3位なのか?

10年1月8日付の日経新聞朝刊に日経金融機関ランキングの結果が公表されていました(表1)。

出所:日本経済新聞(10/1/8朝刊)

この調査は毎年実施されているもので、今回の調査概要を整理すると以下のようになります(表2)。

出所:日本経済新聞(10/1/8朝刊)

上記の満足度ランキングで印象に残ったのは、3位の大垣共立銀行でした。岐阜県大垣市に本店を置く地方銀行がなぜ3位なのか。ちなみに、07年:4位、08年:7位、09年:7位と、ここ数年ではベスト10の常連のようです。(なお、上記調査概要の通り、対象エリアが全国ではないため、地方銀行は首都圏・近畿・中部からしか評価対象とはならないですが、それを考慮しても大垣共立銀行の3位は注目に値します)

■大垣共立銀行の独自サービス

手始めにWikipediaで大垣共立銀行を見てみると、「独自のあるいは全国初となるサービスが多い」という記述がありました。具体的には、エブリデープラザ、コンビニプラザ、移動ATM、ドライブスルーATMなどです(表3)。

出所:Wikipedia

■コンビニモデルの導入

同行のサービスの取り組みについて、詳細記事が日経ビジネス(2011.1.10)に掲載されています。「”非効率経営”の時代」という特集記事で、記事の趣旨は、さらなる経営効率化の追及では成長の達成が困難になるとし、あえて「内向き」「ムダ」「遠回り」の”非効率”に商機のヒントがある、というものです。その非効率の事例として、大垣共立銀行が取り上げられていました。

例えばコンビニモデルを導入している半田支店(愛知県半田市)。店内に設置されている本棚には女性誌、漫画、クルマ雑誌など、100を超える雑誌が置かれているようです。ATMは24時間稼働、そしてトイレの併設。深夜では有人窓口は閉まっていますが、トイレ休憩や立ち読みに利用ができるとのこと。

こうしたコンビニさながらの独自サービスを打ち出している半田支店ですが、その狙いはどこにあるのでしょうか。それは、コンビニで採用されている「消費の連鎖」という考え方を銀行でも応用することになると記事では指摘します。

コンビニの主力商品の1つにお弁当があります。お弁当は店内の奥に売られており、周辺には飲料やデザートが置かれています。弁当を手に取りレジへ向かうためにはお客は店内をめぐることになります。こうして、弁当以外の商品にも手を伸ばしてもらおうといのが「消費の連鎖」。これを半田支店に当てはめるとこうです。店内奥にはATMがあり、雑誌コーナーの横を通ります。クルマ雑誌の横にはカーローンのパンフレットが、生活雑誌には住宅ローンのパンフレットが、という具体です。また、店内には金融商品ランキングが記載されており、その1~3位までの商品パンフレットが並んでいるそうですが、これもコンビニが売れ筋商品を目立つ場所に並べることがヒントになっているようです。他には、詳細は割愛しますが、コンビニモデル以外にも美容院から学んだ行員指名ができるネット予約受付、ファストフードからはドライブスルーATMなどのサービスがあります。

■異業種からの学び

以上のような独自サービスに共通する特徴は、異業種のサービスを銀行に応用している点だと思いました。記事によれば、コンビニ、ホテル、メーカー、テレビ局、通信会社などへ行員を送り込み、多様な業界から業務ノウハウや考え方を吸収していると紹介されています。

異業種ノウハウを取り込むのって、言うが易しだと思います。前述の大垣共立銀行のケースでは、言われてみると効果がありそうなのですが、導入までには試行錯誤も多かったのではないでしょうか。そもそも、異業種ノウハウと銀行サービスを結びつけること自体も簡単ではないと感じます。やはり、普段からどこまでアンテナを張っているか、問題意識を持っているか、先入観や常識にとらわれない視点を持っている、などが大切になってくると思います。これを書いていて思い出しましたが、そういえば、「異業種競争戦略」の著者でもある早稲田大学ビジネススクールの内田和成教授が、異業種競争戦略では3つのスピードが必要だと言っていたことです(日経ビジネス2010.3.29特別編集版)。1.問題に気づくスピード、2.意思決定のスピード、3.実行するスピード。

話を大垣共立銀行の取り組みに戻すと、これらは一見すると非効率なものかもしれません。おそらく、異業種のノウハウがそのまま当てはまるケースは少ないように思います。あるいは、ノウハウを共有したとしてもその効果が短期的(例えば翌月~数カ月程度)には見られないことも考えられます。しかし、大垣共立銀行では上記のような取り組みの成果として、地域住民からも評価されているのでしょう。その結果、日経金融機関ランキングでは上位行の常連です。同行には行ったことがないのですが、機会があればぜひ一度、特に半田支店のような銀行には足を運んでみたいと思っています。


※参考情報

大垣共立銀行
http://www.okb.co.jp/index.html

Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9E%A3%E5%85%B1%E7%AB%8B%E9%8A%80%E8%A1%8C

日経ビジネス2011.1.10

日経ビジネス2010.3.29特別編集版

2011/01/06

では僕はどう生きるか


Free Image on Pixabay


考えさせられる本でした。君たちはどう生きるか です。



人としてどう生きるかという重いテーマについて真正面から、それでいて難解でもなく、誠実に書かれている本でした。今回のエントリーでは、本書を読み考えさせられたことを書いています。

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。