2016/08/11

書評: プロの知的生産術 - BCG 前日本代表が教える情報活用の秘訣 (内田和成)




プロの知的生産術 - BCG前日本代表が教える情報活用の秘訣という本をご紹介します。



本書の紹介文は次のように書かれています。

情報が溢れかえっている現代。やみくもに情報収集・整理をしたところで成果は出ない。本書はトップ・コンサルタントとして、そしてビジネススクール教授として活躍する著者が、確実に成果につながる「アウトプットを重視した」知的生産術を説くもの。

情報と付き合うための基本スタンスから、独自の情報活用法、各種メディアからの情報収集術、著者こだわりのデジタルグッズまで盛りだくさんの一冊。

■ アウトプットとアナログ

本書はコンサルタントの内田和成氏が著書であり、情報についての考え方によく表れています。キーワードは、アウトプットと差別化です。

  • 情報収集や整理 (インプット) のために、何のためにその情報が必要なのか、どう情報活用するかの目的 (アウトプット) を明確にする
  • アウトプットは他者との差別化を意識する

1. 何のために情報を集めるかの目的を明確に

アウトプットを意識するのは、次のような考え方がベースになっています。

情報化時代には情報収集と整理方法のインプットでは差がつきにくいため、アウトプットで勝負すべき。つまり、情報活用の「目的」を明確にし、アウトプットに応じて必要な情報とその収集方法を決めるとよい。

アウトプットを意識し、日ごろから情報を何のために使うか、その目的のために必要な情報は何かを自分で考えることが重要です。

では、目的とアウトプットはどう考えればよいのでしょうか。本書では、集めた情報の活用は3つに分けています。

  • 意思決定のため
  • 新しいアイデアを出すため
  • コミュニケーションのため

3つ目の、コミュニケーションを目的とする情報収集とは、例えば、交渉相手を説得するための事前情報を集めたり、共感してもらうために必要な情報を持っておく、などです。

情報を得る目的が明確であれば、どんな情報をどこまで集めればよいかが判断できます。目的があれば、それに至る手段も見えてきます。

常に「何のために情報が必要なのか」というアウトプットを意識して、情報に接することが本書を通じて強調されています。

2. 差別化のために「アナログ」をどう取り入れるか

著者がポイントに上げているのがアナログなやり方です。

情報収集や整理のプロセスを3つに分解した時に、どこでアナログを取り入れるかが差別化につながると言います。3つとは、情報収集、加工/分析、発信です。

情報を扱うプロセスにおいて、デジタルかアナログかで、単純にどちらが優れているかではありません。

人と違うことをするという差別化の視点でアナログが重要になります。3つのプロセスの全てをアナログでやることは現実的ではありません。3つのうちどれか1つでもアナログを入れると独自性が生まれます。例えば、それぞれ次のようなやり方です。

  • 情報収集:ネット検索ではなく、現場に行ったり人に直接聞き一次情報を手に入れる。自分で体験する
  • 加工/分析:ノートに手書きでまとめる、付箋で整理する
  • 発信:直接の対話、プレゼンでスライドよりもトークを重視する

■ 「面白い」という情報収集のフィルター

本書の特徴の1つが、情報を無理に集めたり、整理しすぎないスタンスで書かれていることです。情報収集や整理などのインプットに時間をかけすぎないという考え方です。

興味深かったのは、日常生活のふとした時に「これは面白い」と思った頭にひっかかったことを、覚えておこうとするやり方でした。ポイントは、使える / 使えないではなく、自分にとって面白いかどうかの判断で情報を取捨選択することです。

仮にその後、面白いと思ったことを一時的に忘れてしまったとしても、自分にとって重要なことであれば、次に関連する情報に接した時に、記憶として戻るとのことでした。

こうした方法は著者である内田和成氏の独特で、印象的でした。




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