2016/08/18

検索広告と Facebook 広告の広告閲覧者の 「動機の違い」 を考えたプランニング




Facebook広告運用ガイド - ダイレクトマーケティングに生かす売上直結の活用術 という本に、リスティング広告 (検索連動型広告) とフェイスブック広告の違いが書かれていました。


動機が違う


違いは、広告を見た人の広告に対する態度です。広告をクリックする時の 「動機」 がそれぞれ異なります。

リスティング広告について、本書からの引用です。

リスティング広告はご存じの通り、検索エンジンの検索結果に表示されます。これは検索ユーザー、つまり、欲求がはっきりしているターゲットの 「探し物の結果」 として表示されるわけです。ターゲットのニーズと広告の商品がキーワードによってマッチングできてさえいれば、高確率でクリックしてもらえるでしょう。

これに対して、Facebook 広告についての引用です。

Facebook 広告は、Facebook でコミュニケーションを楽しんでいる人に対し、何の前触れもなく一方的に表示されます。 Facebook のユーザーは、「○○が欲しい」 「○○の情報が欲しい」 と考えて Facebook にログインしているわけではありません。コミュニケーションを楽しんだり、気になる友だちや Facebook ページの情報をチェックしているだけなのです。つまり 「何も欲しいと思っていない状態 (自分の欲求に気づいていない状態) 」 です。

そんな Facebook ユーザーに対し、どれだけ絶妙なターゲティングを行って広告を表示しても、「欲しい!」 という欲求とともにクリックしてもらえることは、まずありません。

リスティング広告と Facebook 広告では、広告をクリックする動機が基本的に異なるのです。 Facebook 広告は 「欲しい!」 と思ってクリックされるよりも、「なんだろう?」 「興味あるな……」 といった程度の動機でクリックされることのほうが圧倒的に多いという事実を、しっかりと認識しておく必要があります。

検索広告と Facebook 広告は、比較されることがあります。

どちらが取り組みやすいか。コンバージョンが得られるのはどちらか。コストパフォマンスに優れているのはどちらなのか。

こうした比較は、広告にお金を使う広告主の立場からすると重要です。比較をする時に、Facebook 広告と検索広告では、広告閲覧者の広告接触態度がそもそも異なっているという認識は大事です。

検索広告と Facebook 広告へのクリックの動機が違うということは、商品やサービスを広告する時に、広告の出し方を変えるべきだということです。具体的には、広告接触・クリック・ランディングページ閲覧・コンバージョンのそれぞれで、広告設計に 「閲覧者の動機の違い」 を入れる必要があります。

ここからは、広告接触とクリック、ランディングページとコンバージョンに分けて、見ていきます。


広告接触とクリック


検索広告であれば、検索キーワードで調べたいという欲求を持っている人が広告を見ます。検索結果ページには、自分が知りたい情報が出てくることを期待しています。そこに検索広告が出たとしても、それが自分の知りたいことと関連があれば、クリックが期待できたり、クリックがされなくとも少なくとも目に入れてもらいやすいでしょう。

Facebook 広告は、Facebook ユーザーがニュースフィードを見ているときの態度は、検索結果ページへの閲覧態度と異なります。広告も含めた情報に接する準備ができていない状態です。

Facebook 広告での訴求は、検索広告よりも1つ前の段階を意識したものがよいでしょう。

1つ前というのは、Facebook の広告閲覧者が、広告を見る前の時点では自分も気付いていない潜在的な欲求やニーズに働きかけることです。Facebook 広告では検索広告に比べ、潜在欲求を顕在化させるステップが1つ余分にあるわけです。

広告閲覧者が、広告接触時の気持ちは次のように違いがあります。

広告が自分にとって必要な情報であれば、検索広告の場合は 「この情報を探していた」 でしょう。Facebook 広告は 「広告のこの商品/サービスが気になる」 「これは何だろう」 などでしょう。

こうした広告接触時の態度の違いを考慮し、広告での言い方や表現を検索広告と Facebook 広告では使い分ける必要があります。

例えば Facebook 広告では 「こういう商品やサービスはありますが、いかがでしょうか?」 という提案をするようなメッセージの仕方です。検索広告であればそのニーズはすでに顕在化している前提でコミュニケーションできますが、Facebook 広告はニーズを掘り起こすところから意識するとよいでしょう。


ランディングページとコンバージョン


広告がクリックされ、ランディングページに訪れた時も、引き続き広告閲覧者の態度は違います。検索広告のほうが、より顕在化したニーズを持った状態でランディングページに来ます。

ランディングページの役割2つで、広告内では伝えきれなかった詳細の情報を提供すること、そして、購入やサービス登録などのコンバージョンを獲得することです。

検索広告からのランディングページであれば、商品/サービスの直接的な情報を提供します。具体的には、写真、機能、価格、利用シーンがイメージできる情報です。

Facebook 広告からのランディングページでは、検索広告ランディングページよりもより丁寧な情報提供がよいでしょう。商品であれば 「こういう商品はいかがでしょうか」 などの提案も兼ねた訪問者とのコミュニケーションです。


最後に


今回のエントリーでは、検索広告と Facebook 広告における閲覧者の態度の違いから、広告設計をどう考えればよいかを考えました。生活者が自社商品/サービスからの情報やコンテンツに接する時、どういう意図でそれを見ているのか。この視点が大切です。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にて 「シニア マーケティングリサーチ マネージャー」 (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝1時間のランニング。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。