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投稿日 2013/04/27

大局観を磨くための3つの視点


今回は、大局観の磨き方です。

この記事でわかること


  • 広い視点でものごとを見られるようになりたい
  • 大局観を磨く方法

ある本に書かれていた大局観を磨く3つの視点を解説します。

仕事でなど、高い視座から、より広い視野でものごとを見たり考えるヒントになると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。

投稿日 2013/04/13

新人研修で学んだ 「事前準備」 の大切さ


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最近、自分の会社の新入社員からインタビューを受けました。


業務を理解するためのインタビュー研修


社内インタビューは、新人研修のプログラムの1つです。目的は、各部署の先輩社員にインタビューをして業務をより具体的に理解することです。

社内組織・お客さんとの関係・仕事内容をチームごとにインタビューをします。研修内で互いに発表し、会社の全体像を把握することを目指します。去年もインタビューを受けたので、今年は2回目でした。

この企画は毎年やっていて、自分が新人の頃からありました。

当時、ある幹部の方にインタビューをさせてもらいました。インタビューをまとめた発表資料をその方にも共有した後、1通のメールを返信いただきました。メールに書いてあったことは、その後の自分の仕事をする上でずっと大切にしていくことになる言葉でした。

「よいインタビューを行うためには、事前準備が肝要です。」
投稿日 2013/03/02

想定外に対処せよ:プロジェクトマネジメントで大切にしている2つのアプローチ




前回のエントリーでは、プロジェクトマネジメントをする上で大切にしてることを取り上げました。

参考:若々しい脳を取り戻す 「プロジェクトマネジメント思考」 のススメ


好評だったので、今回はその続編として 「プロジェクトマネジメントと想定外」 について書いてみます。

プロジェクトでは予想外のことが起こります。思いもよらないことが次々に発生します。問題が出てきて解決したと思ったら、別の問題が表面化します。解決しても、新たな問題が発生することの繰り返しです。問題がほんと次から次に出てきて、もぐらたたきのような状況です。


そもそも想定外とは何か


想定外への対処の前に、そもそも想定とか想定外とは何かを考えてみます。
投稿日 2013/02/24

若々しい脳を取り戻す「プロジェクトマネジメント思考」のススメ

「脳が冴える15の習慣」という本の帯には次のように書かれています。

「ぼんやり頭をスッキリ晴らす!仕事ができる脳、若々しい脳を取り戻す生活改善マニュアル」

この本は集中力・思考力・記憶力を高めるために、日常生活でちょっとした意識を変えることを提案してくれる内容です。

15の習慣とあり、どれも肩に力の入っていないのが特徴です。例えば、まずは生活のリズムを整える、朝はいつも一定の時間に起きる、などの生活の原点をつくる生活改善です。


プロジェクトマネジメントで大切にしていること


本書のあとがきに、印象的だった言葉があります。
投稿日 2013/02/11

TED でのジェームス・キャメロンから学んだ3つのこと




映画タイタニックやアバターの映画監督を務めたのがジェームス・キャメロンでした。

ジェームス・キャメロンの TED のプレゼンは色々と考えさせられました。TED の動画はこちらです。
投稿日 2013/02/02

ローマ法王に米を食べさせたスーパー公務員の 「心揺さぶる3つの言葉」


ローマ法王に米を食べさせた高野誠鮮氏


ローマ法王に米を食べさせた男 - 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? という本をご紹介します。読んでいるうちに元気がもらえる本でした。



本書の内容


以下は本書の内容紹介からの引用です。

石川県羽咋市の市役所職員・高野誠鮮氏は2005年、過疎高齢化で 「限界集落」 に陥った農村を含む神子原 (みこはら) 地区の再生プロジェクトに取り組み、それが大成功を収めるまでの紆余曲折とアイデア満載、感動的実行力のプロセスを克明に記す。

高野氏は数々のユニークなアイデアを次々と繰り出し、そのアイデアを驚くべき行動力で実行していく。その結果、多くの若者を誘致し、農家の高収入化を達成!

非常識と一般では思われてしまうかも知れないことを恐れることなくアイデアを自由に発想し、そして、それを躊躇なく、しかし確実に実行する、高野氏の仕事の流儀に大いに学ぶための、多くのヒントがちりばめられている一冊。
投稿日 2012/12/08

マッキンゼーの採用基準から考える 「僕らのリーダーシップ」


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今年2012年は、自分のリーダーシップをいかに高めるかを考えた1年でした。特に仕事においてのテーマでした。

最近、興味深く読めたのは、採用基準 という本でした。



テーマはリーダーシップ


著者の伊賀康代氏はマッキンゼーの採用マネージャーを12年間務めた方です。2012年現在はキャリア形成コンサルタントをされています。

採用基準というタイトルは、マッキンゼーが何を基準に採用しているのか、どういう人材を求めているかからきています。マッキンゼーが採用するにあたり重視しているのはリーダーシップです。特に、将来グローバルリーダーとして活躍できる人です。
投稿日 2012/10/20

裸踊りと桃太郎から考える、リーダーシップに求められる3つの力


リーダーシップについてです。

TED のある動画と、桃太郎からリーダーシップについて書いています。

投稿日 2012/08/18

新入社員に伝えたい自分の頭で考えるための3つのこと




最近、自分の所属するチームに新入社員が入ってきました。


新人のメンターを務めることに


今の会社にはメンター制度があります。新人に先輩社員が一人つき、一緒に仕事を進めながら仕事に必要な考え方やスキルを学びます。OJT (On the Job Training) です。

新人のメンターを務めることになりました。あらためて新人にはどんなふうに育ってほしいかを考えるきっかけになりました。

まずはビジネスパーソンになってもらうこと、会社内だけではなくて外の世界でも市場価値のあるプロフェッショナルになってほしいです。

ビジネスパーソンなりプロフェッショナルにしても、大事なのは自分の頭で考えられることです。

今回のエントリーでは自分の頭で考えるために、新入社員に伝えたい3つのことをご紹介します。
投稿日 2012/07/14

誰も幸せにしない 「自分がやった方が早い病」 を克服する仕事の任せ方


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対応しきれない仕事量を抱え、残業をしないと終わらない状況はビジネスパーソンであれば、誰しもが経験のあることです。

自分でやった方が早い病 という本は、全てを抱え込むことの原因として 「この仕事は自分でやった方が早い」 と思うことを問題と捉えます。



本書に書かれているのは、「自分でやった方が早い病」 の原因と治療法、そもそもなぜ克服しなければいけないのか、本当の仕事の任せ方や人の育て方です。
投稿日 2012/06/17

Why からはじまるゴールデンサークル: シンプルかつ応用度の高い思考アイデア


Why からはじまる 「ゴールデンサークル」 を解説します。

✓ この記事でわかること
  • ゴールデンサークルとは何?
  • なぜ Why からはじまる?
  • ゴールデンサークルの応用例を知りたい ( → Apple の戦略、ビジネスシーンで解説)

ビジョンや目的などの 「Why からはじめるゴールデンサークル」 について、TED での動画内容からゴールデンサークルについて、Apple の戦略や仕事で応用する方法と併せて解説しています。

ゴールデンサークルは、ビジネスのみならず、プライベートでも役に立つシンプルなフレームワークです。ぜひ、この記事を参考に、お仕事で活かしてみてください。
投稿日 2012/06/09

行動科学マネジメント:夢をかなえるガネーシャの教えを実践するために


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本棚を整理してたら出てきた本が、夢をかなえるゾウ でした。読んだ方も多いかもしれません。2007年のベストセラーの1つです。



ガネーシャの教えは 「行動を起こし実行すること」


「夢をかなえるゾウ」 で言いたかったことは至ってシンプルです。自分を変えるには行動に移して実行すること、知るだけではなく自らで体験し継続させることです。

主人公に1日ずつガネーシャの課題が与えられます。課題は全部で29個あります。

投稿日 2012/03/20

できない社員が一気に伸びる 「行動科学マネジメント」 はゲーミフィケーションでもあった


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組織や部下のマネジメント方法の1つに、WILL PM が提唱する 「行動科学マネジメント」 というものがあります。

今回のエントリーは、行動科学マネジメントをご紹介します。


行動科学マネジメントとは


名前に行動科学とあるように、行動科学マネジメントは人の行動そのものに焦点を当てます。行動をより具体的に分解して目標を達成させる手法です。結果を生むプロセスに目を向けます。

ベースとなる考え方は 「結果とは行動の積み重ねによって生まれる『産物』である」 です。行動科学マネジメントは3つのステップで成り立っています。

  1. 行動が起こせるレベルまで分解する
  2. チェックリストをつくる
  3. 行動することに 「快」 を与える (例: ほめる)
投稿日 2011/11/06

失敗を評価する4つの視点


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失敗学を提唱する畑村洋太郎氏の著書が、回復力 - 失敗からの復活 です。



この本には、人は誰でも失敗をしてしまうこと、だからこそ大切なのはそこからどう失敗を捉え、考え、行動するかが書かれています。


失敗を評価する4つの視点


本書で印象的だったのは、著者が紹介する失敗を評価するための4つの視点でした。
投稿日 2011/04/16

マキアヴェッリとドラッカーのリーダー論

先日、お酒の席で上司がこんなことを言っていました。

「自分が社会人になった頃は、課長⇒部長と上がるほど仕事はハンコを押すだけとか、もっと楽になると思っていた。そんな仕事ができるのを思い描いていた」。もちろん半分冗談での話ですが、現実は昇進するほど、責任が重くなっている状況を踏まえての話でした。

■ 戦時におけるリーダー

これを聞いて思い出したのが、「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」(中公文庫)という本に次のように書かれていたことです。

仕事はきまったことのくりかえし、長老は頭の上に載せておく帽子代わりでよい、というのは平和時代のことである。戦時には、トップこそ豊富な経験と知恵の上に想像力と独創性を働かせ、頑健な身体と健全なバランス感覚で、誤りのない意思決定をしなければならなかった。(p.377 より)

現在の日本では戦争中というわけではありません。業界内での企業間の戦い、あるいは既存の業界の枠を超えた新しい競争が頻繁に起こる今の時代では、この意味において「戦争中」と言えるのかもしれません。

であるならば、上記で「失敗の本質」で引用した「戦時にはトップこそ」という指摘は、違和感なく入ってきます。

■ マキアヴェッリの「君主論」に見るリーダー像

ところで、「君主とはかくあるべし」というリーダーが歩むべき道を示したものに「君主論」があります。

著者はニコロ・マキアヴェッリで、16世紀のイタリアで書かれたものです。16世紀のイタリアには統一国はなくいくつもの都市国家群が領土の拡大を争っていた乱世の時代でした。そんな時代にフィレンツェで官僚として働いたマキアウェッリは、各国の君主との交渉や出会いを通じて、宗教や道徳などの倫理から切り離した現実主義的な政治理論を展開しています。

マキアヴェッリは君主論の中で、「リーダーは慕われるよりも恐れられるほうを選べ」と言っています。

この理由として、人間は利己的で偽善的なものであり、従順であっても利益がなくなれば反逆することがあるため、故に君主を恐れている人々はそのようなことはないという、現実的な論理からなのです。

マキアヴェッリがこうした考えを抱くようになったのは、やはり時代背景が大きかったのでしょう。前述のように当時のイタリアは混乱の時代であり、それを一人の官僚として肌で感じたこと・実務からの経験から、リーダーは優しいだけでは成り立たないという思いからです。

君主論は全部で26の章から成り立っており、第21章では、

尊敬を得るためにはどのように行動したらよいか」、という主題に対して次のように書かれています。「偉大な事業をなし、比類のない模範を自ら示すことほど君主に対する尊敬をもたらすものはない。」(「君主論」(講談社学術文庫) p.172から引用)

つまりは、リーダーは結果を出すこと、そして人々の模範となることで尊敬を得られるとしています。

■ ドラッカーのリーダー論

このマキアヴェッリの考えと同じようなことをドラッカーが言っていました。著書「The Essential Drucker」において、以下のような言及をしています。

All the effective leaders I have encountered – both those I worked with and those I merely watched – knew four simple things: a leader is someone who has followers; popularity is not leadership, results are; leaders are highly visible, they set examples; leadership is not rank, privilege, titles, or money, it is responsibility.

私が出会った印象的なリーダーは、(リーダーシップについて) 4つのシンプルなことを知っていた。1. リーダーのまわりには従う者がいる。2. リーダーシップにとって大事なことは人気ではなく成果である。3. リーダーは目立つ存在であって、他の人たちの模範となるべきものである。4. リーダーシップとは地位、特権、称号、富などではなく責任である。

リーダーには成果・結果が求められ、かつ人々の模範でなければならない。また、リーダーシップには責任が伴う。これがドラッカーが見てきたリーダーたちの共通点だったのでしょう。

■ 最後に

今回はリーダーについて少し整理してみましたが、一方で世の中には様々なリーダーがいることもまた事実です。個人的には、今の会社に入社以来、毎年のように上司が変わってきたこともあり、それぞれの強みは違いました。

あるいは歴史を見ても、戦国時代後期においては、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という3人のリーダーがいましたが、3人の性格は全く異なるものだったとされ、あの有名なホトトギスへの対応に象徴されています。

だから思うのが、リーダーシップをとるときには人の真似をするだけでなく、自分の性格や強みも加味したリーダー像を築くことが大事なのではということです。

もちろん、これは言うが易しですが、その時に心に留めておきたいのが、上記で引用した、「失敗の本質」で書かれたリーダーの行動、マキアヴェッリやドラッカーが求めたリーダー像です。


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投稿日 2011/03/25

今こそ政治リーダーに求められるものとは

ここ最近の日経新聞の経済教室は、「大震災と日本経済」というテーマで連載が続いています。識者が様々な提言・主張を述べており、毎日記事を楽しみにしているくらい興味深い内容です。

その中でも特におもしろく示唆に富んでいたのが、3月23日の山内昌之東京大学教授の記事でした。記事では、日本で起こった3つの大きな震災を取り上げ、そこから政治リーダーに何が求められるかを提言しています。過去の歴史を振り返ることで得られる知見と、そこから導かれる示唆がとても印象的な記事でした。そこで今回のエントリーでは、備忘録の意味も込めて、3/23の経済教室:「官僚機構、再編し活用せよ」の内容整理を中心に書いています。

■関東大震災と阪神大震災に見るリーダーシップ

記事で取り上げられている3つの大震災は、関東大震災(1923年)、阪神・淡路大震災(1995年)、そして、日本史上最大の災害とも言われる江戸時代に発生した明暦の大火(1657年)。これらの災害を著者が取り上げた意図は、災害後の復興においてその時のリーダーがどういった姿勢・スタンスで臨んだかを見るためです。

関東大震災後の復興には、内務大臣であった後藤新平が強烈なリーダーシップを図ったようです。地震の5日後には「帝都復興の議」を提案しており、賛否両論があったものの東京が焦土と化したこの悲惨な状況を逆に絶好の機会と考えるべきだとの考えのもと、東京の復興を進めたようです(参考:東京が抱える都市問題-長期的プランを目指して-)。

阪神・淡路大震災では、当時の村山首相が官僚などの専門家を信頼し、仕事を任せることで復興に取り組みました。とはいえ、災害発生後の初動は遅かったことで、内閣支持率の急落に繋がりましたが(参考:村山富市|Wikipedia)、ただ、やがて対応の遅れの全貌が明らかになるにつれ、そもそも法制度をはじめとする当時の日本政府の危機管理体制の杜撰さが露呈したようです。

■明暦の大火に見るリーダーシップ

明暦の大火は、近代以降の東京大空襲などの被害を除けば、日本史上最大の災害と言われています。1657年1月18日に発生した大火で、その被害は江戸市街の6割を焼失し、「むさしあぶみ」などによれば死者は10万人を越えたとされています。江戸城も西の丸以外は全焼し、武家方と町方を問わず市中は焦土と化したとのこと。そのうえ、災害後のには急激な気温の低下吹雪によって被災者から凍死者が相次いだというから、悲惨な状況であったはずです。

このような大惨事においてリーダーシップを発揮したのは、4代将軍徳川家綱を補佐した保科正之(会津藩主)でした。経済教室で説明されていた保科正之の対応策は次の大きく2つです。

第一に、将軍を焼失した江戸城から移そうとする意見を退け、焼かれた本丸跡に陣屋を建てて江戸城を動くべきではないと決めたことです。これには、幕府が中央にどっしりと構え政策決定や指揮を一元化する狙いがあり、民衆が混乱している時に最高権力者がみだりに動いては、人心を乱しひいては治安悪化への影響を懸念してのことです。

第二に、被災者への食糧配布です。米や、寒さに震える人々におかゆを提供したようです。また、家を失った人々には救助金を与えました。幕府には財政不安を危惧する意見もあったようですが、保科正之はこんな言葉を残しています。「こうした時こそ官の貯蓄は武士や庶民を安心させるものだ。支出もせずに残しているだけでは貯蓄しないことと同じであり、前代未聞のこの状況では、むしろ出費できる力がある国を大いに喜ぶべきである。」

■政治リーダーに求められるのは「決断と責任」

このような保科正之の振る舞いから学ぶこととして経済教室の著者である山内教授は、最高指揮者は指揮所からみだりに動くべきではなく、たとえ善意の督励であっても現場に出かけるには時機を見計らい慎重でなければならないとしています。また、いかに重要であっても個別の事象にのめりこんで他の重要な課題を忘れてはいけない、すなわち、菅首相に問われるのは、政策的総合力と全体判断力であり、そのためにも必要なのはリーダーとしての決断と責任を取ることである、と。

■最後に

3月11日の地震発生後、喫緊の課題は被災者・避難者の救済でした。その後の福島第一原発・一号機で水素爆発が起こってからは、原発からの放射線漏れ対策も緊急かつ重要な課題になりました。

一方で、これらと並行して考えなければいけないのが復興対策です。それも、単に地震以前の状態に戻す復旧ではなく、関東大震災後に後藤新平が進めた東京の復興に見るような、復興のビジョンを示すことだと思います。被災した東北地方を中心にどういった方向で復興を進めていくのかという絵は、最終的にはリーダーである菅首相が描き、そのビジョンの下で、担当大臣や官僚を組織し、さらには復興機関を整えることではないでしょうか。これこそが、リーダーに求められる「決断と責任」なのではないかなと。

短期的には被災者・避難者救済と原発対策、中長期的には復興対策、これらを同時に見ることが、今回取り上げた経済教室が主張する「政策的総合力と全体判断力」だと思います。リーダーシップと一言で言っても、その性格は色々であり、実際に経済教室で取り上げている後藤新平と保科正之、村山富市とでは大きく異なります。ただ、リスクから逃げないこと、決断をすること、責任は自分が負うことなどは共通する点なのではないでしょうか。ぜひ菅さんには国難を乗り切るためにリーダーシップを発揮してほしいところです。木を見て森を見ずというようなことなく。


※参考資料

後藤新平|Wikipedia
関東大震災を振り返る|どこへ行く、日本-日本経済と企業経営の行方
東京が抱える都市問題-長期的プランを目指して-
村山富市|Wikipedia
保科正之|Wikipedia
明暦の大火|Wikipedia
明暦の大火(丸山火事、振袖火事)
明暦の大火による江戸の大改造|シリーズ 江戸建設 開府400年


投稿日 2010/08/22

春夏連覇の興南高校と「もしドラ」に共通する組織マネジメント

今年の甲子園は沖縄の興南高校が県勢初の夏の甲子園制覇、そして松坂大輔擁する98年の横浜高校以来の春夏連覇で幕を閉じました。

昨日の決勝戦は興南の強力なバッティングが目立ちましたが、個人的には我喜屋監督の存在も忘れてはいけないなと思っています。同監督の組織マネジメントついて、日経ビジネス2010.6.14号が記事で取り上げていました。記事のタイトルは「組織マネジメント  企業流改革で日本一に」。勝つ組織を短期間で作り上げる秘訣を、監督の語録から探っていくというものです。


■我喜屋監督の組織マネジメント

我喜屋監督の組織マネジメントのベースには、興南高校卒業後の社会人野球選手や監督以外にも、サラリーマンとしての職務の経験があるようです。
投稿日 2010/07/01

ローカリズムのグローバル化


■まとめ

今回の記事のまとめです。

・ 企業のグローバル化には3段階ある
・ 中国での賃上げ労働争議と海外の人材登用
・ ローカリズムのグローバル化とは



■3段階の企業のグローバル化

NTTドコモの「iモード」を立ち上げた一人でもある夏野剛氏は、著書「夏野流 脱ガラパゴスの思考法」(ソフトバンククリエイティブ)において、企業のグローバル化には次のように3段階あるとしています。

(1)国内製造輸出型
*グローバルマーケットはあくまで売り先の市場としか考えていない
*経営体制や企業哲学などはグローバル化していない場合がほとんど

(2)製造拠点のグローバル化
*人件費などの製造コストの低減のために工場を海外に移す
*日本国内のやり方、哲学を海外に移転しようとする

(3)グローバル企業化
*一部本社機能も必要に応じて海外に移すことも厭わない
*経営体制や企業哲学は世界で通用する、世界中の従業員を動かす独自性が要求される



■中国での賃上げをめぐる労働争議

ここ最近気になる出来事として、中国で賃上げをめぐる労働争議やストが相次いでいるニュースをよく目にします。中国の消費者物価指数(CPI)が上昇する一方で、賃金が据え置かれたままの状況では、相対的には減収しているようにも感じられ労働者の不満が労働争議につながるというのもわかる気がします。

ただ、日経新聞の10年6月27日の朝刊国際面の記事では、「一連の労働争議の根本的な問題は労組。労組のあり方を変えない限り、スト問題は解決しない」(北京の日系企業幹部)と報じています。というのも、工場に労組があったとしても、共産党や企業経営者寄りで従業員の賃上げ交渉の受け皿になっていないためだそうです。この記事では、「”労働争議が中国進出リスク”と言われるようになれば、長い目で見ればマイナス」であると懸念しています。



■海外の人材登用

そんな中、コマツが2012年までに、中国にある主要子会社16社の経営トップ全員を中国人にする方針を決めたようです(日経10年6月29日朝刊)。コマツ以外にも、海外の人材を積極に登用している例として、トヨタ自動車、伊藤忠商事、資生堂、花王などが取り上げられていました。

日本企業では人事異動の一環として日本人が数年間、現地法人のトップや幹部を務める例が多いようですが、現地市場に精通した人材を積極登用して権限を委譲し、経営の意思決定を速めるのがコマツの狙いのようです。記事では、「中国で相次ぐ日系工場でのストライキの背景には現場の社員との対話不足も指摘され、経営層の現地化を求める声がある。現地生え抜きの人材が要職につけば社員の意欲向上にもつながる」と期待しています。



■ローカリズムのグローバル化

フジサンケイビジネスアイの「論風」に、グローバル企業のマネジメントについてのある記事が掲載されました。投稿者である日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)会長の田下憲雄氏によると、中国市場に進出する日本企業の重要課題として以下のポイントを挙げています。
・ 「マネジメントの現地化」と、それを可能にする人材の確保と育成
・ そのための仕組みの構築と、それをサポートする日本人人材の育成

同氏の言う 「マネジメントの現地化」とは、経営にかかわる重要な意思決定をローカルの経営者と社員に任せ、投資回収の責任を委ねること。すなわち、様々なリスクに対して迅速かつ的確な判断を行いながら、事業を創造することができるのはローカル人材だと認識し、そうした人材の確保・育成に取り組むことであると説明されています。

従来の日本企業の課題は、海外で活躍できる日本人を確保・育成することだと言われていましたが、このように中国そしてアジアの現地人材をグローバル人材として育成することも必要で、そのための日本人人材の育成も課題になってきそうです。この状況について田下氏は、「ビジネスを本当に成功させることができるのは、ローカリズムとローカル人材をグローバル化することに成功したときではないか」という言葉で表現しています。



■最後に

冒頭で企業のグローバル化を3段階で見た時に、少しずつですが、「(2)製造拠点のグローバル化」から「(3)グローバル企業化」に変わってきていることを感じます。世界の情報がこれだけ瞬時に伝わる状況の中、今後は日本人だけで現地法人を運営することがリスクになってきそうです。

そうなると、販売やマーケティングにおいても日本国内の考え方だけではなく、現地の事情や国民性に合わせた展開を考える必要があるのかもしれません。



※参考情報

【論風】インテージ社長・田下憲雄 グローバル化とマネジメントの現地化
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100312/bsg1003120501001-n1.htm


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投稿日 2010/05/12

書籍: 失敗学のすすめ (畑村洋太郎)




失敗とは何でしょうか?

失敗をマイナスに捉えると、起こしてはならないもの、起こしたくないもの。失敗した自分が恥ずかしいなどと思ってしまうかもしれません。人は誰しも失敗に対して否定的なイメージを持つものです。

しかし、このように失敗をネガティブに考えるのではなく、失敗のプラス面にも目を向けるべきと主張するのが 失敗学のすすめ という本です。



失敗について考えさせられるいい本だったので、以下に内容を整理しておきます。
投稿日 2010/03/14

書籍 「マネー・ボール」

現在プロ野球はオープン戦の真っ最中ですが、パ・リーグは20日(土)、セ・リーグは26日(金)にペナントレースが開幕します。個人的な感覚として、オープン戦の話題になると「冬が終わる」気がし、開幕戦を迎えると「春が来た」という感じがします。



今回の内容は、最近読んだ「マネー・ボール」(マイケル・ルイス 中山宥(訳) ランダムハウス講談社)という本についてです。

この本は、実話をもとに描かれたあるメジャーリーグチームの話です。主人公はアスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーン。彼はそれまでの球界にはなかった考え方で、年俸トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、アスレチックスの成績をほぼ同等まで導いていたという内容です。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。