投稿日 2012/12/08

マッキンゼーの採用基準から考える 「僕らのリーダーシップ」


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今年2012年は、自分のリーダーシップをいかに高めるかを考えた1年でした。特に仕事においてのテーマでした。

最近、興味深く読めたのは、採用基準 という本でした。



テーマはリーダーシップ


著者の伊賀康代氏はマッキンゼーの採用マネージャーを12年間務めた方です。2012年現在はキャリア形成コンサルタントをされています。

採用基準というタイトルは、マッキンゼーが何を基準に採用しているのか、どういう人材を求めているかからきています。マッキンゼーが採用するにあたり重視しているのはリーダーシップです。特に、将来グローバルリーダーとして活躍できる人です。
投稿日 2012/12/01

日本のマーケティングリサーチを変える「黒船」を考える

今週、JMRX勉強会の「次世代マーケティングリサーチ討論会」に参加してきました。

討論会の見どころは、マーケティングリサーチ(MR)の世界を30年ものあいだ牽引してきたRay Poynter(レイ・ポインター)氏と、トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長で書籍「次世代マーケティングリサーチ」の著者でもある萩原雅之氏との対談でした。

この討論会のサブタイトルは「黒船到来、日本のマーケティングリサーチはどう変わる?」。討論会の中で萩原氏が日本のMRの歴史を紹介し、リサーチ業界では10年おきにイノベーションが起きており、今また新たなイノベーションが起こりつつあると言われたように、MRがどう変わっていくかは関心の高いテーマです。



■日本のマーケティングリサーチを変える「黒船」とは何か?

だから討論会に出席してあらためて考えさせられたのは、日本のMRに変革を迫る「黒船」とは何か、ということ。

黒船という言葉は、当時のアメリカが260年鎖国が続いた日本に開国を迫り将軍と武士を中心とした江戸の社会を根本的に変えた「外部要因」を指すと理解しています。

MRの世界でも大きな変化が起こりつつある/起こっていると感じますが、何が変化を引き起こしているのかという論点です。討論会も踏まえ考えてみた日本のMRを変える要因は以下の通り。
  • 海外の新しいMR手法:MROCsなどの新しいリサーチ手法が日本に入ってきて日本のMR業界を変える。今回の討論会を聞いて感じたのは日本のMROCsは海外に比べ普及していない/事例が少ない印象でしたが、果たして今後は変えるのか
  • クライアントの変化:マーケティングリサーチとは一言で言えばクライアントのマーケティングの課題解決のため。よって、クライアントのマーケが変わればMRも変わる。マーケの考え方やリサーチ予算の縮小、あるいはROIをこれまで以上に求められれば、MRも変わっていかざるを得ない
  • テクノロジーの進化:脳波や脳内の血液変化を使ったニューロサイエンスや表情認識などの調査対象者本人ですら自覚できないようなことも技術進歩でわかるようになる。Webアクセスログなどのこれまでは収集できなかったビッグデータ、ハドゥープやクラウドの普及。こうしたテクノロジーの進化でMRに活用できるデータ領域が増える。また、技術進歩によりコストが下がりビジネスで使用できるようになったことも大きい
  • メディア/ネット環境の多様化:スマホやタブレットの普及、SNSやブログ・口コミサイトなど多様な環境をMRに活用することで、新しいリサーチ手法が登場する。これまでのネット調査はPCが前提だったが、モバイルを使うことでよりリアルなデータ、クイックな調査ができるようになる。ソーシャルメディアを活用したリサーチは今後のトレンドの1つに
  • 消費者の変化:メディア/ネット環境の多様化により消費者の情報発信、消費者同士のコミュニケーションが変化してきている。MRでは消費者中心/消費者理解の考え方が主要なものになってきており、消費者の変化がMRの変える
  • 政府・国:先日、日経が報じた「民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し」。これまでは個人情報保護の対応がMRに制約を与えてきたが(住民台帳がつかえなくなったりなど)、異なるデータをユーザーIDで紐づけてシングルソース化し、統合データをプレイヤー間でやりとりができるようになると、リサーチデータの価値も変わる
  • 異業種の参入:クックパッド、TポイントのCCC、豊富なソーシャルグラフや属性データを持つSNS。これらがリサーチ業界に参集することは既存のMR会社にとっては脅威。またGoogle Consumer Surveyなどの異業種からのDIY型リサーチも価格破壊を起こす可能性も

■異業種参入の意味

この中からか黒船を1つ選ぶとすると、異業種の参入が最も大きな変化を引き起こす要因になると思っています。

例えばクックパッド。クックパッドには膨大なレシピ情報があり、そこには消費者がどんな食材を使い、どんな調理方法をしているのか、季節ごとの具材や食卓へのニーズ、使っている食器具など、あらゆる料理関連のデータが蓄積されています。

これらのデータを活用することで、マーケティングに利用できるだけではなく、プロモーションにも活かせる。実際に食品会社ではリサーチ会社ではなくクックパッドのデータを使うようになったと聞くこともあります。

それは従来のリサーチ会社にはないデータ、できないデータ活用、わかることの広さ・深さがクライアントのマーケティング課題ニーズをとらえたのだと思います。異業種の参入の影響は今はまだ表面化していないかもしれませんが、水面下では大きな変化を起こしていると感じます。

クライアントからすると、やりたいことは自分たちのマーケティング課題の解決であって、そのための手段は何でもよい。これまではリサーチならリサーチ会社、広告/プロモーションなら広告会社(広告代理店)と、わりとわかりやすい選択肢だったのが、異業種の参入でクライアントにとってはリサーチ=リサーチ会社に依頼、という構図は過去のものになっていくはず。より高い価値を提供するところに頼むのは当然です。MR会社もそれに対抗し生き残っていくためには変わらざるを得ないのではないでしょうか。

異業種のリサーチ業界参入で思うのは、本業は別にあって、リサーチはあくまで本業からの副産物を使った事業であるということ。

クックパッドならレシピサイトの会員課金/広告のビジネスモデルが収益の基盤になっている上に、レシピ情報から蓄積されるユーザーの料理に関するあらゆるデータを副次的に使うことでマーケティングリサーチ/プロモーションという新たなビジネスにもしているところが、既存のリサーチ会社にとっては脅威だと感じます。

リサーチ会社が本業でやっていても得られないデータが、異業種はメインビジネスの結果として自然と集まってきているデータ。アマゾンや楽天の購買情報、CCCのTポイントで統合されたユーザーデータ、SNSのソーシャルグラフや詳細な属性情報、口コミサイトの商品利用データ、等々。結果、従来MR会社にはない提供価値/サービスがあり、差別化要因になっています。

■マーケティングリサーチ会社の価値

MR会社の価値、存在意義は何か。これまではクライアントに変わって/一緒になってリサーチを活用したクライアントのマーケティング課題解決を図るものでした。課題解決がクライアント自身でできるならばリサーチ会社は不要になるはずで、MR会社に仕事が来るということはそこにMR会社の存在意義があった。しかし、MR会社ではないプレイヤーが同じような、あるいはMR提供価値を超えるような価値を与えてくれるとなると、MRの存在意義は薄れていってしまいます。

もう1つの流れとして、リサーチ業界に頼まなくてもDIYリサーチを使えばクライアントは自分たちでリサーチができてしまうこともあります。自分たちでやってしまうほうが早いし安いとなると、これもMR会社の価値はなくなっていく。

MR会社にしかできない価値は何か。MR手法の開発、データ収集、調査企画提案、調査コントロール、データハンドリング/分析、リサーチからのインサイト抽出、報告書の作成、クライアントとのコミュニケーション(時にはクライアント内の異なる部署の橋渡しになるなど)、外部者だからこその提言、ひいてはクライアントの課題解決。これらの価値を提供できる限りは、リサーチ会社の存在意義は引き続きあるだろうし、できなくなれば淘汰されていくのではないでしょうか。

歴史を振り返ると、江戸幕府に開国を迫ったのは黒船であった諸外国でしたが、実際に社会を変える行動を起こしたのは、坂本竜馬・西郷隆盛・大久保利通などの「日本人」でした。黒船という外部圧力がきっかけとなったものの、変化を起こしたのは内部から。

これは黒船到来としている日本のマーケティングリサーチにおいても同じことだと思います。異業種参入などの外部要因はあくまでトリガーであり、そこから実際にマーケティングリサーチを変えていくのはリサーチ会社であるし、そうあるべき。逆にそれができるところがこの先もクライアントに価値が提供できるんだと思います。


※参考情報

次世代マーケティングリサーチ討論会 ~黒船到来、日本のマーケティングリサーチはどう変わる?~
「これまでのマーケティングリサーチは使えなくなる」 レイ・ポインター氏が示すリサーチの将来像とは?|MarkeZine(マーケジン)
No Surveys in Twenty Years?|The Future Place Blog
No Surveys in 18 years!|Vision Critical
従来型サーベイは消えるのか -『No Surveys in 18 years!』より-|マーケターのメモ帳
民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し|日本経済新聞


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投稿日 2012/11/25

スペイン旅行での発見

この1週間ほど休みを取りスペインに行ってきました。毎年一回は海外に旅行をしたいなと思っていて、旅行とはいえ外国に少しでも滞在すると普段の日常から離れられ、その国その国の考え方や習慣に触れると新しい発見がいくつもある。旅の魅力だと思っています。




■新しい発見と常識

新しい発見をするために旅行をする、と言ってもいいかもしれません。その国でしかできないことを体験しに行く。これが自分にとっての旅行の目的。だから、現地での生活に近いことができるのがおもしろいと思っています。お土産専門店での買いものよりも、地元のスーパーでミネラルウォーターや食べ物を買う、露店に近いようなそのへんの店で新聞とかお菓子を買ってみたり。今回のスペインだと店の人には英語が通じないことも普通で、片言のスペイン語とかジェスチャーで言いたいことを伝える。現地の人とのコミュニケーションも含めて体験する。これがおもしろいんですよね。

旅先での新しい発見は、自分には当たり前な常識をあらためて考えさせられることでもあります。日本での常識は外国では非常識だったりする。自分の「当たり前」が一度壊される感じです。

例えば、水。海外に行った時の飲み水の確保は普段以上に神経を使います。日本では当たり前のようにレストランや飲食店では水はお冷として無料で提供されます。外国ではこのサービスはなく、ソフトドリンクやアルコールなどと同じように、水は買うもの。スペインでも同様で、水の値段は普通のレストランでは2.5-3ユーロくらいで、ジュースやビールとかワインなどと同じだったりします。

考えてみると、水道水をそのまま飲める日本のような国は世界的にはレアです。確か、蛇口から直接水が飲める国は日本も含めて世界で11か国と本で読んだ記憶があります。私たちの水に対する感覚と、スペインでの水に対する感覚はあきらかに違う。水に対する日本の常識と外国での常識。この違いはそれだけ日本の水道水は品質が良く、水自体が日本には豊富にあるという再発見でもあるのです。


アルハンブラ宮殿。貴重な水だからこそ宮殿内で贅沢に使用することで、権力や富を誇示していた様子がわかる


バルセロナ近郊のタラゴナにある「ラスファレラス水道橋」。古代ローマ人により建てられたもの

外国に旅行して新しい発見をする、そこから自分にとって当たり前なこと・常識に気づく、自分や日本のことを客観視でき、相対化できる。外を知ることで内を知ることにつながる。自分の知識や常識はあくまでone of themでしかなく、世の中にはいろんな考え方・見方があり、どれが正しいとかでもない。多様性に触れることができるのが旅行の醍醐味だと思っています。


サグラダ・ファミリア。ガウディが残した傑作の1つ。右はサグラダ・ファミリアの中。外観も内観も圧倒されました

■旅と歴史

もう1つ、旅行の魅力はその国の歴史をよりリアルに感じられるところ。今回の旅行ではいくつかのキリスト教のカテドラル(大聖堂)に訪れましたが、スペインの大聖堂の特徴はキリスト教とイスラム教が共存しているところ。

これは歴史に大きく関係していて、スペインがあるイベリア半島は8世紀にアフリカからイスラム教徒の侵略が起こりました。スペインのほぼ全土まで広がります。その後、キリスト教によるレコンキスタという国土回復運動が起こり、1492年にイスラム最後の都市グラナダを奪還。今でもキリスト教にイスラム教の文化が残るのはこうした背景がありました。

レコンキスタ後、スペインは国内の動乱時代を終え大航海時代を迎えます。1492年というのは歴史に残る年で、コロンブスがアメリカ大陸を発見した年でもあります。レコンキスタを完了したことでようやく世界に目を向けることができた。当時のスペイン女王イサベルがコロンブスの計画を承認できたのも、国内を統一できたから。アメリカ大陸を発見し、スペインはその後、南米大陸へも進出していきます。インカ帝国などを滅ぼし、金銀などの貿易から莫大な資産を手に入れスペインは全盛時代を築きます。

今回のスペイン旅行で、このあたりの歴史に触れておもしろかったのは、去年行ったペルーとつながったことです。ペルーではマチュピチュなどのインカ文明遺産をいくつか見ましたが、インカ帝国を滅ぼしたスペインに今年行って、点と点がつながりました。歴史を大きな流れで捉えられることと、それを現地で当時の遺跡を直接歩きながら実感できるのも旅の魅力です。

去年行ったマチュピチュにて


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。