2018/02/12

「見つける力」 と 「使わせる力」 。ビジネスに貢献するためのデータ分析に必要な能力を考える


Free Image on Pixabay


今回は、データ分析についてです。データ分析者として、ビジネスに貢献できるデータ分析はどうすればよいかを考えます。

エントリー内容です。

  • データ分析者に必要な能力
  •  「見つける力」 と 「使わせる力」
  • どうすれば成果物を使ってもらえるのか


データ分析者に必要な能力


始めに、このエントリーでの核となるフレームをご紹介します。


3つの能力


最強のデータ分析組織 という本に紹介されている、データ分析者がビジネスで求められる3つの能力です。



3つの能力は、「見つける力」 「解く力」 「使わせる力」 です。

  • データ分析を活用できる機会を 「見つける力」
  • 実際にデータを使って分析課題を 「解く力」
  • データ分析から得られた結果を現場に 「使わせる力」


 「解く力」 の前後が重要


一般的にデータ分析者が求められることは、3つのうち2つめの 「解く力」 です。データ分析の経験が豊富で、高度な分析ができ、早く正確にデータ分析の結果と得られた知見を提供する能力です。

しかし、解く力だけでは十分ではありません。その前後となる 「見つける力」 と 「使わせる力」 は、解く力と同じように、時にはそれ以上に重要です。

ここからは、見つける力と使わせる力を見ていきます。


見つける力


データ分析の前にある 「見つける力」 は、2つに分解できます。

  • ビジネス環境理解
  • 分析設計

以下、それぞれをご説明します。


1. ビジネス環境理解


適切なデータ分析をするために、背景やコンテキスト (文脈) のビジネスの理解が必要です。

ビジネスモデルや市場構造、これまでの経緯や歴史もデータ分析の背景として理解しておくことです。

次に、問題把握です。ビジネスとしてあるべき理想的な状態と、今の状況を見比べます。理想に対して、現状ではどのような問題が起こっているのかです。そして、その問題はなぜ起こっているのかです。

問題を整理するだけでは十分とは言えません。問題を解くために課題を設定します。その課題をデータ分析によってどう取り組むかが、次の 「分析設計」 につながります。


2. 分析設計


データ分析の目的は、ビジネス課題に答えを出すことです。明確な答えを提示できなくても、問題解決に何かしらの示唆を出すことが求められます。つまり、データ分析結果や知見があることによって、ない場合よりも問題解決をより良くできることです。

データ分析設計では、次の3つを整理します。

  • 分析目的
  • 分析課題と仮説 (問いと仮の答え)
  • 分析手法

1つめの分析目的とは、上位にあるビジネスの問題解決を、データ分析でどう貢献するかを宣言することです。

重要なのは、いきなり分析手法から入るのではなく、背景としてのビジネス目的を正しく理解し、分析目的で何をやるべきかを明確にすることです。そして、目的を達成するための分析課題と仮説を、実際の分析に入る前にセットで考えることです。


使わせる力


本書で著者が強調する考え方で共感するのは、「データ分析結果や得られた知見を出すだけでは、データ分析業務の成果は出せていない」 というものです。

ビジネスにおいて問われるのは、提供する成果物がどう使われ、実際にビジネスに貢献できるかです。これを本書では 「使わせる力」 と表現します。

ビジネスへの貢献とは、提供した成果物がある場合が、ない場合に比べてより良い意思決定・アクション・売上や収益につながることです。つまりは、役に立つかです。

役に立つかどうかは、間口と奥行きに分解できます。

  • 間口:より多くの人にとって役に立つ
  • 奥行き:役立ちの度合いが高いこと。様々な状況で使われる、何度も使われる


どうすれば成果物を使ってもらえるのか


自分が提供するデータ分析から成果物を、どうすれば使ってもらえるのでしょうか。

ポイントは2つあります。

  • 最初の 「見つける力」 の段階から、役に立つかの意識を持つ
  • 成果物を提供した後のフォロー


1. 最初の 「見つける力」 の段階から、役に立つかの意識を持つ


3つの能力の1つめである 「見つける力」 の段階で、いかに的確なビジネス理解ができているか、分析設計の時点から 「どうすれば役に立つか」 の意図を持って取り組むかです。

始めから意識しておくかどうかで、後の分析やビジネスへの貢献に影響します。


2. 成果物を提供した後のフォロー


先ほど、データ分析結果や得られた知見を出すだけでは、まだ成果ではないと説明しました。

使ってもらうためには、提供した後のフォローを徹底できるかです。使ってほしい相手に、データ分析からの知見や提言の内容を自分ごと化してもらえるか、主体的に動いてもらうかです。

時には、ビジネスの問題解決をするための、意思決定や次のアクションをも相手のフォローをするという泥臭い併走も必要です。


最後に


ビジネスでのデータ分析は、ただ分析をして、分析結果や知見を出せばいいわけではありません。

むしろ、データ分析の前後こそが大事です。

ビジネスでのデータ分析者に求められる3つの力である 「見つける力」 「解く力」 「使わせる力」 に共通する姿勢があります。それは、いかにビジネスに貢献するか、自分のデータ分析が役に立つかを追求することです。

そのためには、背景となるビジネスに対する広い視野と深い理解、コミットする気概を持てるかです。



最新エントリー

多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。