投稿日 2018/02/24

「1週間に4時間だけ働く」 という極端な人から学べること


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今回のブログエントリーは、なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか? という本から考えたことです。



本書の内容


以下は本書の内容紹介からの引用です。

「ニューリッチ」 生活を勝ち取った著者が実践した、画期的な 「お金」 と 「時間」 の活用術。常識をくつがえす新時代 「お金持ち」 思考法。

このエントリーでは、1週間に4時間働くことが、何を意味するかを考えます。


極端な人から学べること


本書のタイトルにあるように、「週に4時間働く」 という考え方は、一般的なワークスタイルに比べて極端な働き方です。私自身の今の働き方とも大きく異なります。

この本には、週に4時間程度の働き方をするための著者の考え方、具体的にどうやっているのか、著者だけではなく他の人の仕事の仕方も紹介されています。

書かれている内容をただ真似することは、私にとって現実的ではありません。しかし、極端な人からは、根本に持っている価値観や考え方と、それを追求してきた中で行き着いた振る舞いや行動には、示唆があります。


「パレートの法則」 から仕事の棚卸し


著者が実践したことで興味深かったのは、「パレートの法則」 にもとづき、当時の仕事に追われ燃え尽きそうになる状況を劇的に改善したエピソードです。

パレートの法則とは、80対20の法則とも言われ、「アウトプットの 80% は、インプットの 20% に起因する」 というものです。例えば、売上の 80% は上位 20% の顧客から、富の 80% は人口の 20% によって所有されるなどです。

著者はパレートの法則を知った翌日、自分の仕事と生活について、次のような問いを考えました。

  • 何の 20% が、自分の不幸や問題の 80% を引き起こしているか
  • 何の 20% が、自分が望んでいる結果や幸せをもたらしているか

仕事の取引先との状況は、以下でした。

  • 120社の顧客のうち、わずか5社で売上の 95% を占めていた
  • しかし、その5社以外の顧客対応に 98% の時間を使っていた
  • トップの5社は、こちらから積極的な売り込みをしなくても、定期的に向こうから発注してくれていた

売上と顧客対応の状況を見える化してわかったことは、売上に寄与しない大多数の顧客ばかりに時間を使っていたという問題です。何よりも、その状況を著者は全く気づいてませんでした。

著者は顧客対応の優先と方針を明確にしました。新しい対応方針に従った結果、1週間あたりの労働時間が減っただけではなく、売上が2倍に増えたとのことでした。


著者がやったことを一般化すると


著者がパレートの法則にもとづいてやったことを一般化すると、次のプロセスになります。

  • 「何の 20% が、○○○ の 80% を占めているのか」 という問いを設定する
  • 問いに答えるために全体構造を把握する
  • 優先順位と方針を決める。特に 「やらないこと」 を明確にする

3つ目の、やらないことを決めるは、「やってはいけないこと」 と 「自分ではやらなくてもよいこと」 の2つがあります。後者の自分では必ずしもやらなくてもよいことは、他人に任せることを考えます。

パレートの法則からの全体像を把握するやり方は、取り入れやすい方法です。

「何の 20% が、○○○ の 80% を占めているのか」 という問いを考えるにあたって、○○○ に何を当てはめるかです。 「問題」 「やりがい」 「成果」 などを入れることができます。自分の仕事やプライベートでの時間の使い方、あるいは、家の物を捨てる断捨離にも使えます。


極端な人には、なぜ示唆があるのか


極端な人とは、尖っていて、自分と同じ方向かどうかは別にして先端を行っているような人です。

極端な人の考え方や行動になぜ示唆があるかは、方向性や価値観に通じるものがあれば、根本にある価値観にもとづいてやっていることの中に、自分にも取り入れられることを見い出せるからです。

もし方向が自分と違っても、相対的に自分を照らし合わせる役割を果たしてくれます。

週に4時間しか働かないライフスタイルは、それ自体は今の自分の仕事の仕方とは異なります。しかし、根本にある著者の考え方自体は共感できるものです。

本書を読んで思った著者の考え方とは、「人生にとって本当に大切なことを優先する。大切なことが優先されていないのであれば、現状のままで惰性で生きたり変えることを諦めない。行動を変え、より幸せに生きること」 です。

著者がこの考え方に沿って行き着いたのは、「週に4時間働く」 という生き方です。

表面的な捉え方をしただけでは、自分には現実的ではないと反発するだけで終わりです。しかし、奥にある考え方や価値観まで掘り下げて理解をすれば、気づきや示唆があります。


最後に


ここ数年、私自身の心境の変化は、仕事から給料という金銭的な動機が下がっていることです。

お金のために働く気持ちはなくなり、違うモチベーションで仕事に打ち込めています。自分がどんな役に立てるか、価値を提供できるか、結果的に自分の価値を上げられるかという動機です。

この変化があったので、本書を読みながら、著者の考え方の本質のところで共感できるものを見い出せました。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。