自分では 「わかった」 と思っていたことが、実は 「わかったつもり」 だったということがあります。今回は、「わかったつもり」 ついて考えます。
「わかったつもり」 とは
あることについての理解のレベルは、大きく3つあります。
- わかった
- わかったつもり
- わからない
このうち、「わからない」 は自覚しやすい理解状態です。一方で、自分ではっきりと判別できないのが、「わかった」 と 「わかったつもり」 です。
わかったつもりとは、主観的には 「わかっている」 、しかし、客観的には 「わからない」 という状態です。自分ではわかっていると思っていても、後から自分のことを振り返ったり他人から見ればわかっていないという状況です。
ではここからは、「わかったつもり」 を 「わかった」 にするために、どうすればいいかを見ていきましょう。大きくは2つです。
- 「わかったつもり」 の気づき方
- 「わかったつもり」 を 「わかった」 にする方法
「わかったつもり」 の気づき方
「わかったつもり」 から 「わかっている」 にするためには、まずは、自分がわかったつもりになっていることに気づくことが重要です。
「わかった」 と 「わかったつもり」 の区別の仕方は、私は以下の判断基準を持っています。
- 紙に書けるか (文字や図で)
- 人に説明できるか
要するに 「わかった」 状態とは、自分でアウトプットできるかです。もし 「わかっているつもり」 だと、紙に落とし込めなかったり、相手にうまく説明できません。
ちなみに、上記の判断基準の2つ目 「人に説明できるか」 の人は、具体的には、仕事であれば直属の上司やチームの同僚、他には家族や親などです。
実際に説明をする場面がなくても、もし人に説明するとしたらどう伝えるかを頭でシミュレーションするだけでも効果があります。
「わかったつもり」 を 「わかった」 にする方法
自分が 「わかったつもり」 の状態に気づいたとして、では、どうすれば 「わかったつもり」 を 「わかった」 にできるのでしょうか。
自分で調べたり勉強することも大切であり、人に聞くことも大事です。「わからない」 も含めて、その場で相手に聞いたり、詳しい人に聞きに行くことです。
しかし、自分がわかっていないことを認め、人に聞くことに抵抗感があるかもしれません。説明を聞き、なんとなくわかったつもりになり、あるいはわかっていないのに知ったかぶりをしてしまうことです。
私は2018年2月現在、外資系企業に勤めています。今の会社で学んだことの一つに、自分の 「わからない」 や 「わかったつもり」 を解消するための質問の仕方があります。
単に 「わからない」 と言うのではなく、以下のような質問をします。
- Why? (なぜそうなのか)
- What do you mean? (それはどういう意味か)
- What is the point? (ポイントは何か)
- So what? / What does it all mean? (要するにどういうことか)
自分の状態が 「わからない」 、または 「わかったつもり」 になっていないかと気づいたら、なるべくその場でこれらの質問をします。
おもしろいと思うのは、これらの質問をすると質問を受けた相手は、丁寧に答えてくれる傾向にあることです。それまでの場の雰囲気が変わることなく、議論をそのまま続けている状態です。
まとめ
「わからない」 や 「わかったつもり」 を放置せずに、なるべく気づいたその場で解決する姿勢が大事です。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言います。
特にやっかいなのは 「わかったつもり」 です。自分ではわかっていると思っても、実は理解があいまいだったり、客観的にはわかっていない状態です。
紙に書いたり人に説明するなど、自分でアウトプットできるかによって、「わかったつもり」 に気づくことです。そして、「わかったつもり」 を解消するために、why? や so what? などの質問を使うとよいです。
最後に
今回のエントリー内容に関連する本を、一冊ご紹介します。