2018/01/03

書評: 0秒リーダーシップ (ピョートル・フェリークス・グジバチ) 。リーダーシップは自ら先頭に立ち変化をつくること


Free Image on Pixabay


0秒リーダーシップ という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • リーダーシップとは
  • リーダーシップの3つの基本、感情との付き合い方


本書の内容


以下は本書の内容紹介からの引用です。

グーグル (現 Alphabet 社) やモルガン・スタンレー等にて、長年、人材開発やリーダーシップに携わってきた著者が、グローバル化の進む日本のビジネスパーソンに向けて語る 「新しい働き方」 とは?

行動力、発想力、学習力、集中力、問題解決力等、未来に向けてもっとアクティブにイノベーティブに働くためのヒントがぎっしり詰まった1冊。


リーダーシップとは


リーダーシップについて、以下の3つについて書いています。

  • リーダーシップは 「心構え」
  • 自ら変化をつくること
  • 0秒リーダーシップ


1. リーダーシップは 「心構え」


著者のピョートル氏は、リーダーシップとは能力であり、心構えでもあると言います。以下は本書からの引用です。

リーダーシップとは何でしょうか。リーダーに求められる能力?資質?必要なスキルセット?

半分は合っていますが、半分は間違っています。

リーダーシップはトレーニングによって鍛えることができる能力であり心構えです。伸ばそうと思えば伸ばすことができるという意味で、生得的な資質とは違います。その気になれば、誰でもリーダーシップを身につけることができます。

 (引用:0秒リーダーシップ)


2. 自ら変化をつくること


リーダーシップを心構えと捉えると、本書からのリーダーシップへの気づきは以下でした。

  • リーダーシップとは、自ら手を挙げて動くことである。率先して自分から行動する
  • リスクを取り、何か新しいことを始めること。従来の自分の枠を超えて、新たな一歩を踏み出すこと
  • 自分が行動することによる、まわりへの影響力の行使

3つをまとめると、リーダーシップは 「自ら先頭に立ち変化をつくること」 です。

変わることが求められるのは、世の中は常に変化し続けているからです。ピョートル氏は、変化が起こってから対応するのではなく、自分から先に変わることの大切さを強調しています。トレンドを追いかけるのではなく、自らトレンドをつくることです。


3. 0秒リーダーシップ


本書のタイトルは 「0秒リーダーシップ」 です。

 「0秒」 が意味するのは、自分が行動するべきだと思えば、その場で判断しリーダーシップを発揮して動き出すことです。時間をかけずに行動することを 「0秒」 と表現しています。

リーダーシップとは、選択の問題です。取るか取らないかは自分自身が決めることです。


リーダーシップの3つの基本


リーダーシップはまわりへの影響力の発揮です。興味深いと思ったのは、リーダーシップの3つの基本でした。

  • 優しさ
  • 厳しさ
  • 茶目っ気

以下、それぞれについて説明します。


1. 優しさ


たとえ指摘しづらいことでも見て見ぬ振りをするのではなく、相手のことをよく見て、相手のためになることをアドバイスします。相手のためを思って行動します。


2. 厳しさ


優しいだけでは人間関係は築けません。甘えが出てしまいます。時には厳しい態度で接する必要があります。甘えを放っておくとエスカレートして、組織に何かよくないことが起こり得ます。

たとえ小さなことでも、組織やチームにとってマイナスであれば、「それは間違っている」 と指摘する厳しさが大事です。 一緒に働くチームみんなのためにも、リスクを取って正しいことを言う、正しいことを指摘します。

ただし、相手の言動をただ否定するのではなく、建設的な結果を生むためのフィードバックをします。仕事において、甘えは許さないという態度です。


3. 茶目っ気


ちょっとした笑いを生むような、遊び心のことです。

茶目っ気が必要なのは、相手のことを真面目に考えて 「優しく」 接し、時には 「厳しく」 接すると、堅苦しく単調な関係になりがちだからです。冗談を言って相手の心をほぐせば、クリエイティビティを引き出すことができます。

人は誰でも難しい問題に直面すると、煮詰まりがちになります。そういう時こそ、あまり真剣になりすぎずに、今見ている視点から一度離れ、色々な視点から物事を見直すとよいです。


感情との付き合い方


本書で興味深かったのは、リーダーシップに欠かせないのは、感情との付き合い方であると書かれていたことでした。ポイントは3つです。

  • 自分の感情の起伏と向き合う
  • 相手の感情にも気を配る
  • チーム全体の感情を配慮する


1. 自分の感情の起伏と向き合う


何か不快なことがあり頭にきた時に、怒りに我を忘れて怒鳴る、周囲に当たり散らす、物を投げたり蹴るのは、知的な対応とは言えません。

どんなに腹が立つ状況でも、何か建設的な対応をします。そのためには、「自分は怒っている」 という事実を自分自身で認識することです。

自分の感情のままに行動するのではなく、一歩立ち止まって、自分の怒りの感情を認識できれば、「なぜ怒っているのか」 「どうすれば怒りは解消できるのか」 に意識を向けます。感情的な行動にならずに踏みとどまることができます。


2. 相手の感情にも気を配る


他人が何をどう感じるかはその人の自由で、自分が直接コントロールすることはできません。相手に対して 「こうすべき」 「それは間違っている」 と思っても、相手が同じように思うかどうかは、その人の自由です。

しかし、相手がどういう気持ちでいるかを把握できれば、その人に影響力を及ぼすことはできます (リーダーシップを発揮できる) 。相手の気持ちを汲んだうえで、建設的な議論ができるようにするのが、リーダーの役割です。


3. チーム全体の感情を配慮する


自分と相手という関係性を超えて、グループの感情をうまくコントロールできることです。

集団の中でリーダーシップを発揮するには、1対1の関係だけではなく、グループ全体の雰囲気を見極め、目的に向けて、全員が協力できるような感情に変えます。


最後に


本書に書かれていた、著者の印象的な言葉を引用します。

僕はよく英語で、「Leadership is mobilizing people to tackle tough problems. (リーダーシップとは、難問に取り組むために人々を動かしていくこと) 」 という定義を用います。

組織やチームのために必要だと思ったら、反発や批判を恐れず、誰もが手を挙げ、まわりのみんなを動かしていく。そんな風通しのいい空気を、組織はつくっていかなくてはならないのです。

 (引用:0秒リーダーシップ)



最新エントリー

多田 翼 (書いた人)


複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略、プロダクトマネジメント、マーケティングのコンサルティング及びメンター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝のランニング。

内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。