2017/12/28

書評: シグナル:未来学者が教える予測の技術 (エイミー・ウェブ) 。社会の端っこにあるシグナルを見つける


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シグナル:未来学者が教える予測の技術 という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • 未来の当たり前を予測する
  • 未来予測の6つのステップ。6つのステップについて思ったこと


本書の内容


以下は本書の内容紹介からの引用です。

世界から注目される話題の未来学者、待望の新刊。「未来を読むための方法論」 を開示する。

世界を変える画期的な新製品やサービス。これらが世に出てくるかなり前に、なんらかの兆候が出ている。

だが、なぜ大半の人はそれを見逃してしまうのだろう?次の主流となる “本物” と一過性の “ニセモノ” はどう見分ければよいのか?

気鋭の未来学者が編み出した、予測の 「6つのステップ」 を伝授する。


未来の当たり前を予測する


未来学者である著者のエイミー・ウェブ氏は、「未来を予測することは、誰もが身につけられる技術である」 と言います。

本書全体での問いは、「どうすれば “もうすぐ当たり前になるもの” を、普通に感じるようになるか」 です。もうすぐ当たり前になるということは、今はまだ当たり前になっていないものです。

本書で技術として解説されているのは、未来の当たり前をどうやって予測できるかです。


未来予測の6つのステップ


本書で紹介されているのは、以下の6つのステップで未来を予測する方法です。

  1. 社会の端っこにあるシグナルを見つける。幅広く情報を集める
  2. 集めた情報からパターンを探す (点と点を結びつける)
  3. 見つけたパターンは本物のトレンドか、一過性のものなのかを検証する
  4. トレンドが今はどの段階かを見極める。トレンドが未来の主流になるタイミングはいつかを予測する
  5. トレンドから未来に起こり得るシナリオ、そのシナリオ下での戦略を描く
  6. 戦略の有効性を確認する


6つのステップについて思ったこと


ここからは、私が思ったことです。4つです。

  • 社会の端っこにあるシグナルを見つける
  • 事象や兆候から本質を見極める
  • 想像と検証の繰り返し
  • シナリオと戦略に落とし込む

以下、それぞれについてご説明します。


1. 社会の端っこにあるシグナルを見つける


著者の未来予測の方法で興味深く思ったのは、最初に 「社会の端っこ」 に注目するアプローチです。端っこということは、まだ人々には知られていない、当たり前になっていないことです。

幅広く情報のアンテナをはり、現時点では主流になっていないことを探すところからスタートします。


2. 事象や兆候から本質を見極める


ステップ1は端っこのシグナル、ステップ2はシグナルからパターンを探すことです。再度、ステップ1と2をご紹介すると、次の通りです。

  1. 社会の端っこにあるシグナルを見つける。幅広く情報を集める
  2. 集めた情報からパターンを探す (点と点を結びつける)

1と2は要するに、事象や兆候から、いかに本質を見極めるかです。

事象や兆候は、まだ一般的には知られていないこと、誰もやっていないこと、あるいは、知られているが見向きもされていない、怪しげに思われているようなことです。

イノベーターだけが注目していたり、アーリーアダプターの一部にしか関心を持たれていない状態です。この段階で、自分で発見し、兆しとして着目できるかです。

見い出した兆しは、あくまで表面的な事象です。未来予測のステップの最初にして、いきなり難しいと思ったことは、兆しといういくつかの事象から、その裏にある本質を見極めることです。

多くの人に関心を持たれていないもので、点と点を結びつけ、一過性ではない本物のパターンを見抜くことができるかです。


3. 想像と検証の繰り返し


未来予測の6つのステップを俯瞰してみると、イメージを膨らませた 「想像」 と、見い出したパターンやトレンド、シナリオや戦略の 「検証」 を交互に繰り返しています。

単に未来を妄想して終わらせるだけではありません。前提をなくして想像や思考を広げて見えたことに対して、次は必ず反論や批判的な視点からの検証を入れています。

また、確認や検証において、時間軸も常に考えています。未来に起こりそうだとしても、それがいつ頃なのかです。5年後なのか、20年後なのか、あるいは30年以上後の未来なのかです。


4. シナリオと戦略に落とし込む


未来予測の6つのステップの最後は、予測されるシナリオに対して、自分たちは何をやって・何をやらないかの戦略に落とし込むことが入っています (ステップ5) 。さらに、最後のステップ6で戦略の有効性を確認します。

私はここに、著者の未来学者としての責任を見ました。

人々が知りたいのは、未来の世界がどうなるかだけではありません。特にビジネスにおいては、描かれる未来のシナリオに対して、自分たちは何をすべきか、そしてすべきでないかです。今から準備しておく必要があることは何か、未来シナリオが起こった時に何をすべきかです。

端っこで起こっている事実を発見し、そこから示唆を出すだけではなく、提案まで持っていけるかという姿勢は、あらためて考えさせられました。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。