今回はビジネスで洞察を得て、どう先を読むかです。「インサイトからフォーサイトへ」 という話です。
✓ この記事でわかること
- インサイトとフォーサイトの違い
- ビジネスでの認識ギャップ (インサイト vs フォーサイト)
- フォーサイトまでいく方法
- 後から検証しよう
この記事で書いているのは、インサイトからフォーサイトまでの行き方です。
インサイトとフォーサイトとは何でしょうか?そしてフォーサイト (Foresight) という先をどうやって読めばいいでしょうか?
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
インサイトとフォーサイト
まずはじめに、インサイトとフォーサイトの違いを整理してみましょう。
インサイトは内側を見ていきます。英語では Insight で、In は内、sight は見るという意味です。
言葉のニュアンスは、インサイトは内側に向かって掘り下げていくイメージです。例えばビジネスでよく言われる Why を繰り返して深掘りをしていきます。問題から発生した事象から背後にある構造要因と、さらに奥にある真因を追求します。
では一方のフォーサイトとは何でしょうか?
フォーサイトは先を見ることです。英語では Foresight でインサイトとは矢印の向き先が異なります。インサイトは内側へ、フォーサイトは未来に目を向けます。
ビジネスでの例
では、ビジネスでのインサイトとフォーサイトについて考えてみましょう。
インサイトとフォーサイトのイメージで分かりやすいと思ったのは以下の図でした。縦軸のバリュー (価値) にインサイトとフォーサイトがあります。
出典: ITmedia
マップで ① から ④ までありますが、インサイトは ② の 「原因診断の分析」 です。内側を掘り下げていき原因を追求します。
フォーサイトは ③ と ④ です。インサイトで見出した解釈から、「次はこうなるはず」 と 「次はこうすべき」 まで踏み込みます。
図の横軸は難易度、縦軸は相手への提供価値の高さです。インサイトからフォーサイトへは難易度は上がりますが、それだけ提供価値も高くなります。
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では、ビジネスで起こりがちな例を見てみましょう。
インサイトとフォーサイトの認識ギャップ
マーケティングのデータ分析で起こるのは、分析者と依頼者 (受け手) の認識のズレです。
出典: ITmedia
データ分析者は ① と ② に注力するあまり、② ができれば分析をやり切ったと終えてしまいます。いわば自己満足の状態です。
しかし分析チームに依頼した、例えば事業部に入るブランドチームの期待は ③ と ④ です。データ分析から要するに自分たちはどうすればいいのかまで知りたいわけです。仮説でもいいので 「次はこうすべき」 までへの期待です。
ここに分析者と依頼者の認識ギャップがあります。分析者は ① と ② までのファクトとインサイトまで、依頼者は ③ と ④ のフォーサイトまでなのです。
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では、どうすればフォーサイトまで辿り着くことができるのでしょうか?
フォーサイトまで行く方法
そもそもの大前提はファクトで終わらないことです。
ファクトからインサイトへは Why の 「なぜ」 で掘り下げます。内へ内へと深掘りしていくイメージです。
そしてインサイトからフォーサイトです。ここでは発想の切り替えが必要です。「So what」 と要するにどういうことかを考え抜くのです。
ファクトには正解があり、インサイトにも正解に近いものがあるでしょう。しかしフォーサイトは未来のことなので誰にも答えは分かりません。
だからこそ意思を持って 「オレはこう思う」 と未来のことに持論を持ってみましょう。
フォーサイトの検証
もう1つやりたいことは、フォーサイトを言っ放しで終わらないようにします。
未来への自分の仮説に対して後から検証をするのです。自分の見立てに対して何が合っていて、何が見誤っていたのかを振り返ります。この PDCA がフォーサイトを見る力を高めます。
まとめ
今回はインサイトとフォーサイトについてでした。
最後に今回のまとめです。
インサイトとフォーサイトの違い
- インサイトは内側を見ていく。内に向かって掘り下げていく
- フォーサイトは先を見る。未来に目を向ける
フォーサイトまでいく方法
- 大前提はファクトで終わらない
- ファクトからインサイトへは Why の 「なぜ」 で掘り下げる
- インサイトからフォーサイトでは発想を切り替える。「So what」 と要するにどういうことかを考え抜く
後から検証しよう
- フォーサイトを言っ放しで終わらない。未来への自分の仮説に対して後から検証をする
- PDCA がフォーサイトを見る力を高める