2018/04/09

「コミュニティを発展させる5つの要素」 が興味深い。身近なことに当てはめてみると普遍性がよくわかる


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お金 2.0 - 新しい経済のルールと生き方 という本で興味深かったのは、発展する経済システムやコミュニティを発展させる5つの要素でした。



エントリー内容です。

  • コミュニティを発展させる5つの要素
  • 身近にある5つの要素
  • 5つの要素が入っていたアクティビティ体験


コミュニティを発展させる5つの要素


5つは、次の通りです。

  • インセンティブ
  • リアルタイム
  • 不確実性
  • ヒエラルキー
  • コミュニケーション

以下、それぞれをご説明します。


1. インセンティブ


報酬が明確であることです。報酬により、参加者にメリットがある仕組みになります。この要素が抜けていて、「良いとは思うが積極的に参加する気にはなれない」 と思われると、経済システムやコミュニティは続きません。


2. リアルタイム


時間によって変化することです。常に状況が変化することを、参加者が知っていることが重要です。もし、いつ来ても前と変わらない環境では、緊張感が保てなくなり場の活力が失われていきます。


3. 不確実性


実力と運の両方の要素があることです。不確実な要素があるほうが、経済システムは活気が出ます。最初から結末がわかっている世界では、参加者の熱量は冷めてしまいます。実力だけでもなく、運だけでもなく、両方がバランスよく保たれている一定の不確実性がある環境です。


4. ヒエラルキー


秩序の可視化です。経済システムやコミュニティにおいて、階層や序列が見えており、それぞれに役割があることです。

ただし、序列が固定化しすぎると弊害が起こります。5つの要素のうち、「リアルタイム (常に変化する) 」 と 「不確実性」 が失われ、活気が下がるからです。秩序の可視化や役割の明確化がある一方、いかに新陳代謝を起こすかの仕組みも必要です。


5. コミュニケーション


参加者が交流する場があることです。参加者同氏が交流しながらお互いに助け合ったり、議論する場があれば、全体で一つの共同体であることが認識されるようになります。

コミュニケーションから、問題があればアイデアを出し合い解決したり、一人ではできないことを皆で共同し実現できるようになります。


身近にある5つの要素


以上の5つの要素は、発展する経済システムに見られる共通点です。身近なものにも、5つの要素がうまく設計されていることに気づきます。

例えばゲームです。ポケモン GO などのゲームには、5つの要素が入っていることがわかります。

  • インセンティブ:ゲームのイベントを攻略するとポイントを獲得できる。一定のレベルごとにバッジがもらえる
  • リアルタイム:ステージをクリアするごとにゲームの難易度が上がる。不定期にゲーム自体のアップデートがあり、新しいキャラクターやアイテムが追加される。また、次にゲームに訪れた時に、他のプレイヤーがゲームを先に進めていることによって、自分のゲーム環境が変わっている
  • 不確実性:ゲームの上手さだけではなく、時として運にも左右される。例えば、レアアイテムを得る場合など。上級プレイヤーだけではなく、初級プレイヤーでも運が良ければ勝てることもある
  • ヒエラルキー:プレイヤーのレベルが設定されている。レベルは他のプレイヤーからも見られ、どのくらいゲームをやっているかや上達度合いが可視化されている
  • コミュニケーション:プレイヤー同士で協力してゲームを進める。アイテムの交換や、お互いに情報交換ができる

5つの要素は、他にもソーシャルメディアにも、うまく使われています。


5つの要素が入っていたアクティビティ体験


ここからは、私の個人的な体験の話です。後から振り返った時に、5つ要素がうまく入っていた例をご紹介します。


オフサイトミーティング


以前に仕事で、アジアの同じチームメンバーが集まり、今後のチームとしてのビジョンや戦略、組織体制をどうするかを議論する、合宿のようなことを行ないました。外資系の会社では 「オフサイトミーティング」 、または、単に 「オフサイト」 と呼ばれることもあります。

3日間にわたり、普段よりも高く広い視点で、自分たちはどうあるべきかを集中的に議論しました。


オフサイトでのアクティビティイベント


3日のうち、2日目の午後に、チームアクティビティイベントを行ないました。内容は、3人ずつのチームに分かれ、指定された観光名所を制限時間内にどれだけ多くまわることができるかというゲームです。

観光名所は市内の11ヶ所でした。各場所に訪れ、行ったことを証明するタスク (例: メンバー全員で観光名所の前でセルフィー写真を撮る) をすれば、場所ごとにポイントが獲得できます。距離やアクセスのしやすさによって、ポイントが設定されました。最高ポイントは 1500 、最小ポイントは 500 でした。

勝負は、合計ポイントの多さで決まります。制限時間に遅れると減点され、1分ごとに500ポイントのマイナスです。

移動手段のルールは、歩きか、タクシーは3回までは使えるというものでした。

ゲームの内容をまとめると、

  • チームごとに指定観光名所に行き、指定タスクをしての合計ポイントを競う
  • ポイントは、場所ごとに難易度によって異なる。制限時間内に戻らないと減点
  • 移動は徒歩またはタクシー (3回まで使える)

これまで、チームオフサイト以外にも、もっと大きな組織のオフサイトに参加し、様々なアクティビティイベントをやりました。

上記の観光名所訪問ゲームは、今までやったアクティビティの中で、最もおもしろかったです。


チームアクティビティに5つの要素を当てはめてみる


チームアクティビティでやったことを、5つの要素に当てはめてみます。


1. インセンティブ

  • 指定場所を訪れるとポイントを獲得できる。アクセスしにくい場所ほどポイントが高い
  • 制限時間内に戻らないと減点される (1分につき500ポイントマイナス)


2. リアルタイム (変化がある)

  • 制限時間があるので、同じ場所に長くとどまれない。常に移動している
  • 観光名所の訪問で、ほとんどは自分が行ったことがない場所。新しい場所へ行くおもしろさ


3. 不確実性 (実力と運)

  • 他のチームとの競争。自分たちがポイントを獲得しても、他チームはそれ以上獲得しているかもしれない
  • 知らない街で地図を見ながらの探検
  • タクシーがうまくつかまるか。目的地まで渋滞に巻き込まれずに、迷わずに行けるか


4. ヒエラルキー (序列)

  • 合計獲得ポイントで、チームの順位が決まる
  • ゲームの最後に、全員いる場で順位が発表される


5. コミュニケーション

  • チーム内でのメンバーで作戦を立て、お互いに協力し合う。ゲームなので自然と熱の入ったやりとり
  • 訪問場所での指定タスクの一つは、メンバーの集合写真を撮ること。他の観光客や地元の人にお願いし撮ってもらう。彼ら・彼女らとの会話
  • タクシー運転手との会話


最後に


チームビルディングのための今回のチームアクティビティを楽しめたのは、5つの要素の全てに当てはまっていたからでした。

今回ご紹介した 「コミュニティを発展させる5つの要素」 は普遍性があり、知っていると役に立つフレームワークです。



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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。