2018/04/05

書評: Google 流 疲れない働き方 (ピョートル・フェリークス・グジバチ) 。受け身ではなく自ら主体的に自分をマネジメントする


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Google流 疲れない働き方 という本をご紹介します。




エントリー内容です。

  • 本書の内容。エネルギーと集中力をマネジメントする、未来のために休む
  • 共通点は 「主体的なマネジメント」
  • 生産性の高いチームに共通する 「心理的安全性」


本書の内容


以下は、本書の内容紹介からの引用です。

 「いつも10倍の成果をめざす」 「優秀な人も多く競争も激しい」 など、実際には心理的なストレスも多そうなグーグル社ではありますが、その分、会社も 「社員がストレスをためない取り組み」 を多くやっています。そうしたグーグルの取り組みから、個人でもマネできるもの、などを中心に紹介します。

日本の会社は 「疲れる組織」 「疲れる働き方」 が多い。いくら健康体でいても、組織が 「疲れる組織」 であれば、元も子もありません。ご自身がマネジャー・リーダーであっても、一般の社員であってもできる、「疲れない組織」 にする方法も紹介していきます。


エネルギーと集中力をマネジメントする


興味深かったのは、自分のエネルギーと集中力を積極的にマネジメントするという考え方です。

仕事でパフォーマンスを最大限に発揮するためには、適切なエネルギーを投入し、どうやって維持するかです。

自分がやる仕事に対して、以下の3つの視点でエネルギーをマネジメントします。

  • その仕事には、どの程度のエネルギーが必要か
  • それに対して今の自分のエネルギーはどれくらいか
  • エネルギーを使うために、適切な環境はどこか


1. その仕事には、どの程度のエネルギーが必要か


1つめのエネルギー量の見極めは、仕事によって必要なエネルギーが変わるので、どれくらいのエネルギーを投入するかです。

例えば、アイデアをたくさん出す、仕事の企画書を作成する、原稿などの文章を書く、社内研修に参加するなどは、いつもよりエネルギーを使う仕事でしょう。一方、メールを処理したり、調べものをすることは、相対的に小さいエネルギーで済みます。


2. 今の自分のエネルギーはどれくらいか


2つめは、必要なエネルギーに対して、今の自分のエネルギー状態の把握です。

集中してエネルギーを多く使う業務に取り掛かるのに、自分のエネルギーが足りていなければ非効率になってしまいます。一方、エネルギーが高まっている状態で、少ないエネルギーで済む仕事をやるのも、適切とは言えません。


3. エネルギーを使うために、適切な環境はどこか


仕事内容によっては、必ずしも自分のデスクではなくていいと思う意識が重要です。

1人で集中して取り掛かる場合は、人に話しかけられたり途中で邪魔が入らないような仕事環境が適切です。場合によっては、社外のカフェや意図的に自宅で仕事をすることも、そのような働き方が許容されるなら積極的に取り入れるべきです。


未来のために休む


印象的だったのは、休むことの位置づけです。

一言で言えば、過去のためだけではなく、未来に向けて休むという考え方です。

未来に向けて休むとは、土日に休むのは翌週に最大限のパフォーマンスを出すためと考えることです。同じ休むでも、単に疲れたから休むのと、未来のために前向きに休む意識を持っているかで、休むことの意味合いが変わります。


共通点は 「主体的なマネジメント」


エネルギーと集中力のマネジメント、未来のために休みを取ることに共通するのは、受け身ではなく自ら主体的に考え、動くことです。

エネルギーや集中力は、自然状態に任せるのではなく、意図を持って自分でマネジメントをする意識が重要です。

休みの日や休憩時間は与えられたものではなく、自分のエネルギーや集中力の状態を見て、次にどのようなレベルにしておけばよいかを見極めて積極的に休みを取り入れることが大事です。


生産性の高いチームに共通する 「心理的安全性」


著者のピョートル氏は、元グーグル社員で、人事に従事されていた方です。

この本には、グーグルが全社的に取り組んだ社内調査で、生産性の高いチームの条件は何かという話が書かれています。

グーグルの分析チームが試行錯誤から発見したのは、生産性の高いチームには 「心理的安全性が高い」 という共通点です。

心理的安全性とは、英語の psychological safety を和訳した心理学用語です。チームのメンバーの一人ひとりが気兼ねなく発言でき、本来の自分を安心して出せると感じられる雰囲気がある状態です。他のメンバーへの共感や思いやりがあるチームです。

心理的安全性がある環境では、自分はチームの一員として認められていると実感でき、この場所やチームなら安心して仕事に取り組めると感じられます。

グーグルの社内調査の結論は、こうした心理的安全性が担保されているチームは、高いパフォーマンスが出せることでした。

ピョートル氏は、相手への共感や理解には三段階あると書いています。

  • 同情 (sympathy)
  • 共感 (empathy)
  • 思いやり (compassion)

1つめの同情は、同僚や部下が悩んでいたりトラブルを抱えている状況を 「自分は関係ない」 ではなく、「気の毒だな」 と感じることです。英語で表現をすれば 「I feel for you.」 です

2つめの共感は、相手と同じ立場に自分を置き、相手の感情を共有することです。1つめの同情に比べ、他人の悩みを自分ごと化して捉えようとします。英語では 「I understand you.」 です。

3つめの思いやりは、単に共感するだけではなく、相手を助けてあげたいという気持ちを持つことです。英語では 「I want to help you.」 です。

心理的安全性が高いチームは、各自が他のメンバーに気にかけ、お互いが共感や思いやりを持って接します。


最後に


この本では、個人で疲れない働き方をするにはどうすればよいかが詳しく紹介されているだけではありません。組織として疲れない環境を、どう実現するかも書かれています。

具体的には、ピョートル氏が主にグーグルで学んだ疲れない働き方のために具体的にどうすればよいか、日本の企業組織で疲れずに成果を上げるためにはどのような働き方がよいかです。

個人では、集中力やエネルギーのマネジメント、効果的な食事・睡眠・運動の取り入れ方が参考になります。組織の観点では、上司や同僚とどうコミュニケーションをするかが具体的に書かれています。



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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。