
アリと言えば働き者というイメージがあります。地面に目を向けて見れば自分より大きな虫を運んでいたり、律儀に列をつくっていたり。真面目というか愚直というか。イソップ童話のアリとキリギリスでも、アリはそういう象徴です。
ところが、様々な研究からわかってきたのは、働きアリの中には全く働いていないアリが存在しているということです。
ある瞬間だけを見ると、なんと巣の中の7割くらいの働きアリは何もしていないそうです。さらに、ずっと1つの巣を継続観察すると、全く働かないアリも1割くらいいるとか。「働きアリじゃないだろ」 と思わずツッコミを入れたくなります。
そんなことが書かれているのが 働かないアリに意義がある という本でした。蟻の生態系の他にも蜂だったりと、昆虫社会の意外な特徴がわかりやすく紹介されています。時に私たち人間社会との共通点や違いも説明があり、身につまされる。虫たちも生きていくために集団をつくって、彼らは彼らの社会を形成している。奥が深いなと。
「働かないアリ」 はなぜ働かないのか?
この本を読もうと思ったのは 「なぜ働かないアリがいるのか?」 を知りたかったからです。