投稿日 2018/05/29

なぜイシューから始めるのか。バリューを出す方法と、仮説を持つことの注意点


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イシューからはじめよ - 知的生産の 「シンプルな本質」 という本は、タイトルの通りイシュードリブンで考え、仕事をすることの大切さを学べる本です。



エントリー内容です。

  • バリューを出すとは
  • イシューから始める方法
  • 仮説を持つことの注意点


バリューを出すとは


本書が読者に問いかけるのは、バリューのある仕事ができているかです。バリューがあるとは、2つです。「イシューの度合いが高い」 と 「解の質が高い」 です。

バリューは、以下の2つの掛け合わせです。

バリュー = イシュー度 × 解の質


イシューからはじめる


バリューをイシューと解に分けており、大事なのは順番です。まずはイシューの見極めです。イシュー度合いの高いものに注力できるかです。

イシュー度が高いとは、答えを出すべき必要の高いもの、あるいは解決すべき必要の高いことです。

解の質を高めるのは、取り組むイシューを決めてからです。いくら解の質が高くても、そもそもイシュー度が低ければ価値のあるアウトプットにはなりません。

重要なのは、問題を解く前に問題を見極める、解の質を上げる前にイシューの質を上げるという認識です。

イシューを見極めるということは、扱わないイシューを捨てることです。必ずしも今答えを出す必要のないイシュー度合いの低いものは、手を出さないという割り切りが大切です。戦略とは捨てること、戦いを略すと書くように、やらないことを決めることです。


イシューを見極めた後にやること


イシュー度の高いものを見極めた後にやることは、2つです。

  • 答えが出せるかを確認する
  • イシューに対して仮説を持つ (スタンスをとる)

以下、それぞれの補足です。


1. 答えが出せるかを確認する


本当に答えを出すべきイシューを見極め、イシューを解く前に確認すべきことがあります。答えが出せるかです。

どんなにイシュー度が高いことでも、答えが出せないものには手を出してはいけません。バリューは、イシュー度と解の質のかけ算です。答えが出せないとは、解の質がゼロだということです。つまり、バリューはゼロです。


2. イシューに対して仮説を持つ (スタンスをとる)


イシューを見極めてすぐに解を出そうと着手する前に、イシューに対して仮説をつくります。解いてみないと答えはわからないとするのではなく、強引にでも仮説を持ち、イシューに対して自分なりのスタンスを明らかにします。

仮説を持つメリットは2つあります。

  • 解を出すためのデータや情報の集めすぎを防げる
  • 分析結果の解釈がしやすくなる

イシューと仮説をセットで持っておけば、解を出すプロセスは、仮説が正しいのか、それとも間違っているのか、間違っているのであれば具体的にどこが違うのかになります。

一方、仮説がなければ、イシューに対して何をすれば解を出せたかの判断ができません。際限なく情報収集をすることになり、答えを出すにあたって、解として位置づけていいのかも決めにくくなります。


仮説を持つことの注意点


仮説を持つことには注意があります。

仮説とはあくまで 「仮の答え」 です。その時点では最も妥当な答えになりそうなことです。しかし、本当にそうなのかは定かではありません。

この前提を忘れてしまうと、仮説に固執してしまい、真実 (本当の答え) を見誤る原因になります。仮説を持つことは答えを出すための手段にもかかわらず、ただ仮説を盲目的に答えにすり替えてしまうのは本末転倒です。

大切のは、自分の中に矛盾を同居させることです。仮説は正しいだろうと思うと同時に、間違っているのではと思うことです。仮説はデータや情報で分析し検証され、時には反証されて、より強い答えを得られます。こうして、解の質を上げていくのです。


イシュードリブンでストーリーをつくる


解を出すとは、「イシューと “仮説” 」 を 「イシューと “答え” 」 に置き換えるプロセスです。場合によっては、イシュー自体も見直したり、より必要度の高いものにアップデートします。

バリューの高いものをつくるための順番は、まずは本当のイシューを見極め、解の質を上げることでした。

 「イシュー × 解」 に価値があるかどうかを判断するのは、自分ではなく受け手です。本質的には自分にはバリューがあるかどうかを判断することはできず、あくまで相手の捉え方次第です。

 「イシューと答え」 が揃い、相手の知りたい視点で整理し並べたものがストーリーになります。

ストーリーをつくるのは、イシュードリブンとすべきです。決して、手元にあるデータや手に入った情報を元にストーリーをつくることはしません。相手にとって答えを出すべき必要の高い疑問 (= イシュー) と、それを解くために必要な情報を集め、イシューに対する答えをストーリーとして提示するのです。


最後に


本書 イシューからはじめよ - 知的生産の 「シンプルな本質」 では、ありがちな考え方とは一線を画したスタンスを取ります。具体的には以下です。

  • 問題を解く前に、問題を見極める
  • 解の質を上げる前に、イシューの質を上げる
  • 答えをどうやって出すかの前に、答えを出せるかにこだわる
  • 知れば知るほど知恵がつくではなく、知りすぎるとバカになる
  • 1つひとつを速くやるより、やることを削る

バリューを出すために問われるのは、プロセスではなく自分がやったことの結果です。そのために、これらのアプローチは有効です。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。