
Free Image on Pixabay
プロジェクトマネジメントで大切だと思うことを書いています。
前職の最後の2年程度は、新規事業開発の部署に所属していました。
担当していたのは、当時、今後の新しい事業領域に舵を切るために、主力となる商品サービスの新規開発プロジェクトでした。プロジェクトマネジメントから多くのことを経験し、学ぶことができました。
具体的には、次の3つです。
- 全体像の把握と進捗管理
- 本当の問題の見極めと解決
- メンバーを理解し、信じて、感謝する
今回のエントリーは、この3つについて解説します。
全体像の把握と進捗管理
プロジェクトマネジメントで大切にしたい1つめは、「全体像の把握と進捗管理」 です。そのためにやることは2つです。
- 「何のために (プロジェクトマネジメントの目的) 」 を理解し伝える
- 日々、「誰が」 「何を」 「いつまでに」 を管理する
以下は、それぞれの補足です。
1. 「何のために (プロジェクトマネジメントの目的) 」 を理解し伝える
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの目的、プロジェクトを成功させた時にどうなっているかのゴールイメージ (ビジョン) を誰よりも理解することが求められます。
理解したことを、プロジェクトのメンバーやプロジェクト関係者に伝えることも大切です。一度言っただけでは伝わりきらないので、同じことを何度でも言い続けます。どれだけ 「このプロジェクトは何のためか」 の why を浸透させられるかです。
2. 日々、「誰が」 「何を」 「いつまでに」 を管理する
プロジェクトマネジメントでは、進捗状況の全体像を常に把握することが大事です。そのために、「誰が」 「何を」 「いつまでに」 を管理します。
プロジェクトでやることをタスクに落とし込み、各タスクの責任者、責任範囲と完了の定義 (どうなれば終わったと見なすか) を明確にします。いつまでに終わる見通しなのかのスケジュールと実際の進捗状況を、日々、追っていきます。
一つ一つのマイクロマネジメントをどこまでプロジェクトマネージャーがやるかは場合によりますが、全体管理と適切な現場介入のバランスを取り、全体像を把握します。
本当の問題の見極めと解決
プロジェクトマネジメントで2つめに大切にしたいことは、「本当の問題の見極めと解決」 です。
分解したタスクがスケジュール通りにいけば、プロジェクトは自ずと完了します。
しかし、事前の想定の通りにタスクが滞りなく進みプロジェクトが問題なくまわることは、経験上まずありません。プロジェクトの難易度が上がり、関係者が増えるほど、大小様々な問題が日常的に発生します。
ただし、問題として上がってくることの多くは、表面的な事象や結果です。
プロジェクトマネジメントで問われるのは、根本にある本当の問題点の見極めです。本質的な問題を把握し、何が課題なのかを明らかにします。そして、どのように解決するかです。
問題の本質を見極め、解決をひたすら繰り返すのがプロジェクトマネジメントです。
メンバーを理解し、信じて、感謝する
1つめの 「全体像把握と進捗管理」 、2つめの 「問題の見極めと解決」 は、プロジェクトマネージャーは時にはドライに厳しく対応することになります。
だからこそ大切なのは、リーダーであるプロジェクトマネージャーが、メンバーを理解し、信頼し、感謝の気持ちを持つことです。
各メンバーのプロジェクトへのモチベーションは何か、得意なことは何か、性格やプロジェクト以外も含めてどんなことに関心があるのかを理解するように努めます。
メンバーのことを信頼し、任せるところは任せきります。ただし、最後の責任はプロジェクトマネージャーである自分が負います。
プロジェクトでの役割をメンバーが果たしてくれたら感謝の気持ちを表したり伝え、普段からも各プロジェクトメンバーへの感謝の意を持つことが大切です。
プロジェクトは人がやるものです。プロジェクトマネージャーは、メンバーを人としてリスペクトし、理解・信頼・感謝の気持ちを持てるかです。
プロジェクトはリーダーであるプロジェクトマネージャーの振る舞いが、プロジェクト全体の雰囲気に影響します。
チーム内で各メンバーがお互いに思いやりを持ちリスペクトし合い、各自が自分はプロジェクトチームにいられる、必要とされていることを実感できる。そんなプロジェクトチームは強いです。
最後に
以上の3つが、自分のプロジェクトマネジメントを振り返ったときに、あらためて大切だと思ったことです。
- 全体像の把握と進捗管理
- 本当の問題の見極めと解決
- メンバーを理解し、信じて、感謝する
プロジェクトプロジェクトとは、品質、コスト、スケジュール (納期) の3つをいかに最適化するかです。
通常は、品質を最大限に高めるために、いかにコストを下げ、スケジュールを短縮できるかになります。
プロジェクトをまわすために、ただメンバーを動かし管理するだけでは長い目で見れば機能しません。今回ご紹介した1つめの 「全体管理」 と2つめの 「問題の見極めと解決」 は左脳的アプローチです。
それに加え、3つめの 「理解・信頼・感謝」 は右脳的アプローチです。