2020/08/03

パーソナル AI クローンへの期待、人類への問いかけ




今回は、パーソナル AI クローンについてです。


この記事でわかること


  • パーソナル AI クローンとは
  • 期待したいこと (自分の分身にやってほしいこと)
  • AI クローンを成長させる方法
  • クローンが自ら成長する意味
  • 生物的遺伝子と知的遺伝子


今回は AI クローンについて取り上げます。自分の分身のようなパーソナル AI クローンの可能性を掘り下げています。

まずは、パーソナル AI クローンとは何かを見ていきましょう。


パーソナル AI クローンとは何か


パーソナル AI クローンのことを知ったのは、オルツのニュースリリースを見てでした。

オルツ、世界初の AI クローンアンケート 「Nulltitude」 をアルファテスト公開 (2020年6月24日)


こちらについては、別の記事で詳しく書いています。興味がある方はぜひ読んでみてください。



パーソナル AI クローン (PAI クローン) とは簡単に言うと、自分の思考・価値観・行動様式・ライフスタイルを学習データにしてつくった、自分の知的分身のような存在です。

以下は、オルツによる説明です。

私たち自身の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることを目的とした A.I. です。

デジタル化された私 = P.A.I. は、私たち人間では不可能だった24時間365日ネットワーク世界を駆け巡ることもできます。これによって私たち人間の可能性は有限なものから複製可能なものへと変化していくのです。

 (引用: P.A.I. とは|オルツ)


PAI クローンに期待したいこと


PAI クローン、つまり、もう1人の自分にやってほしいことは何かを考えてみます。

自分がやらなくても良い知的作業を代わりにやってもらいたいです。

皆さんは、仕事の中で必ずしも自分がやらなくてもいい場合、どうすることを考えるでしょうか?

一般的には他人に仕事を振ることを考えるでしょう。しかし PAI クローンが機能すれば、他人ではなく自分の AI クローンに任せてしまおうという発想ができます。

例えば、企画提案の資料を作る仕事に当てはめてみます。


企画提案書をつくる例に当てはめると


自分 (人間) がやるのは、企画提案の切り口・アイデア、全体像の構成をつくるところです。

その後のドキュメントやスライドを作る部分をクローンに任せたいです。

もし他人に仕事を振る場合は、指示出しの説明に時間を割かなければなりません、しかし PAI クローンは自分の分身なので自分の仕事の再現性が高く、自分が思ったような見せ方でアウトプットをつくってくれることを期待できます。

ドキュメントやスライドは完成度は 100% までいかなくてもよく、75点くらいであれば十分です。最終的な仕上げは自分 (人間) がやります。

まとめると、全体を 100 とした時に、


自分と PAI クローンの仕事の役割分担
  • 0 から 20 までの切り口・アイデアや全体構想は自分
  • 20 から 75 までの資料化を PAI クローン
  • それ以上の最終的な仕上げをまた自分がやる


PAI クローンがこのように仕事を代替するパートナーになってくれれば、これだけでも私はお金を払ってでも雇いたいと思います。

秘書に近い存在ですが、自分と全く同じことをしてくれるので、文字通り自分の分身としての働きを期待します。


ではここからは話を少し変えて、PAI クローンを成長させることの意味を掘り下げます。


PAI クローンを成長させる方法


PAI クローンは元の自分 (人間) の学習データを使ってコピーをつくります。

クローンを成長させるには、コピー元である自分自身が常に成長していく必要があります。クローンはあくまでコピーなので、本人が成長しない限りはクローンも成長することはありません。

ただし、ここには前提があります。PAI クローン自身が自ら学ばないという条件です。

もしこの前提がなくなるとどうなるでしょうか?つまりクローン自身が主体的に学び、機械学習をする場合です。


クローンが自ら成長する意味


PAI クローンが自ら学習をやり始めると、元の人間とは別人格になっていきます。線引きを明確にすることは難しいですが、どこかでクローンではなくもう1人の別の人間としての存在になります。

PAI クローンは、始めは人間である本人の劣化コピーだったものが、本人と同等の存在になり、それ以降も自ら学習を続ければ、どこかで本人を超えてしまうのです。

PAI クローンが成長する過程で思考や価値観も独自に形成されるので、元の人間とは異なる存在になります。

こうなった時、果たしてクローンと言えるのでしょうか?

哲学的な側面も含む問いなので、結論はあえて書かないでおきます。いずれにしても、PAI クローンを本人と同等以下の存在にとどめておくのか、それとも本人以上の能力を持つことを認めるかで PAI クローンの存在意義と役割は変わります。


生物的遺伝子と知的遺伝子


動物の本能は、自らの遺伝子を残すという自己保存です。

これは私の持論ですが、人間は自分がやった社会的な功績を残したいという自らの 「文化的遺伝子」 を保存したい本能も持っていると考えます。

この文脈で PAI クローンを見た時に、PAI クローンとは自らの 「知的遺伝子」 を残すと捉えられます

人は後世に何を残すのか。PAI クローンはそんな問いかけを人類に投げかけます。


まとめ


今回は、パーソナル AI クローンを取り上げました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


パーソナル AI クローン (PAI クローン)
自分の思考・価値観・行動様式・ライフスタイルを学習データにしてつくった自分の知的分身。人間の意思をデジタル化しクラウド上に配置し、あらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることが目的。


PAI クローンを成長させるために
コピー元である自分自身の成長が必要。もし PAI クローンが自ら学べば元の人間とは別人格になり、どこかで本人の能力を超える。
PAI クローンを本人と同等以下の存在にとどめるか、それとも本人以上の能力保有を認めるかで、PAI クローンの存在意義と役割は変わる。


知的遺伝子を残す
動物の本能は自らの遺伝子を残す自己保存。人間は自分がやったことの社会的な功績である 「文化的遺伝子」 を保存したい本能も持っている。
PAI クローンとは自らの 「知的遺伝子」 を残すと捉えられる。PAI クローンは、人は後世に何を残すのかの問いを人類に投げかける。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。