2020/08/14

そもそものアイデアが正しくなければ、後工程では取り返しがつかない




今回は、事業開発が失敗する要因をアイデアの観点から取り上げます。

そこからの応用で、物事の順列関係を見る大切さを掘り下げます。


この記事でわかること


  • ビジネスが失敗する要因
  • アイデア・プロダクト・マーケティングの順で考えよう
  • 順列関係を見極める大切さ


記事の前半では、ビジネスがなぜ失敗するかの要因を考えます。

後半は応用として、個人のレベルでも当てはまる 「物事の順列関係を見る大切さ」 を掘り下げています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


事業開発の失敗要因


まず最初にご紹介したい本があります。

Google × スタンフォード NO FLOP! - 失敗できない人の失敗しない技術 です。





この本では、新商品やサービスの失敗には3つの大きな要因があると書かれています。

以下は、該当箇所の引用です。

失敗体験について大勢の人にインタビューするうち、私は次のような結論に至った。

失敗 (Failure) の原因は、市場参入 (Launch) か機能 (Operations) 、またはコンセプト (Premise) である。

私はこの概念を、略して 「FLOP」 と呼んでいる。「flop」 とは、英語で 「大失敗」 を意味する。

 (引用: Google × スタンフォード NO FLOP! - 失敗できない人の失敗しない技術)


新商品やサービスの失敗要因の3つとは、市場投入、機能、コンセプト (アイデアそのもの) です。


アイデアの 90% は失敗する


本書では3つ目のアイデアに注目し、「アイデアの 90% は失敗する」 と書かれています。

だから 「新製品失敗の法則」 の 「ほとんど」 という言葉に数字を使いたい場合、70% から90% の間なら、どんな数字を使ってもいいだろう。

おすすめは慎重にいくことだ。あなたのアイデアがどんなものでも、とりあえず 90% の確率で失敗すると考えよう。新商品の 90% は失敗する。

 (引用: Google × スタンフォード NO FLOP! - 失敗できない人の失敗しない技術)


3つは順番が意味すること


FLOP から失敗の要因の3つを覚えやすく表現すると、次のようになります


事業開発が失敗する要因
  • アイデア
  • プロダクト (実現方法)
  • セールスとマーケティング (認知, 届ける, 使ってもらう)


この3つは並びの順番も大事です。

本に書かれていた 「失敗の 90% はアイデアが正しくなかった」 というように、最初にくるアイデアがそもそも適切かどうかが重要なのです。

えてして3つ目のセールスやマーケティングを注力しようとします。しかし、その前に商品やサービスが魅力的ではない、そして前提にあるアイデアに市場性がなかったらどうなるでしょうか?

アイデア、プロダクト、セールスとマーケティングの根本が間違っているほど、後の工程で取り返すのが難しくなります

川の流れに例えると、上流の水源で水が汚れてしまえば、その後の中流から下流にいっても流れは清くはなりません。


根本は何か?


個人のレベルでも、私たちに示唆があります。

今自分がやろうとしていることの 「根本は何か」 を常に考える重要性です。

上流にある源のものに下流は規定されます。

先ほど、「アイデア」 「プロダクト」 「セールスとマーケティング」 の順に見ました。もし自分が関わっている範囲がセールスやマーケティング領域だったとすれば、そもそもの扱っているプロダクトやアイデアに市場性がなければ、セールスやマーケティングでできることは限られます。

この話は、さらにレンズの解像度を上げていくことができます。例えばマーケティングの中でも、何が上流になっているのかを考えてみましょう。


マーケティングの上流


ではマーケティングにおける上流、そして源は何でしょうか?

マーケティングプロセスの上位にあるのは市場と顧客理解です。

自分たちのビジネス領域である市場、市場にいる顧客の理解があって、初めてマーケティング戦略と施策に落とし込むことができます。

冒頭で見たアイデア・プロダクト・セールスとマーケティングの3つに当てはめると、マーケティングにおける市場と顧客理解は1つ目のアイデアに当てはまります。

マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。

選ぶという行為の主体者は顧客です。だからこそ、まず最初に顧客と顧客がいる市場を競合とセットで理解することが大切なのです。


順列関係を見極めよう


ここまでの話を一般化すると、何が言えるでしょうか?

それは、物事の順列関係を見極める大切さです。

上位に何があり、それによってどんな従属関係が存在するかです。

別の表現をすれば、今自分がやっていることの上位にあるものは何か、前提は何かを把握する重要性です。

物事には必ず前提があります。その前提によってどんな制約が生まれているのか。一方で、その前提を取り外すことはできないかの意識も大切です。


まとめ


今回は、事業開発の失敗要因と、物事の順列関係を見極める大切さを掘り下げました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


事業開発が失敗する要因
  • アイデア
  • プロダクト (実現方法)
  • セールスとマーケティング (認知, 届ける, 使ってもらう)


最初のアイデアが大事
アイデア、プロダクト、セールスとマーケティングの順で根本が間違っているほど、後の工程で取り返すのが難しくなる。最初にくるアイデアがそもそも適切かどうかが重要。


マーケティングの市場と顧客理解
マーケティングプロセスの上位にあるのは市場と顧客理解。マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 。まず最初に顧客と顧客がいる市場を競合とセットで理解することが大切。


前提と順列関係
物事には必ず前提がある。物事の順列関係を見極めることが大切。その前提によってどんな制約が生まれているのか。一方で、その前提を取り外すことはできないかの意識も持つ。





Google × スタンフォード NO FLOP! - 失敗できない人の失敗しない技術

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。