2020/08/25

戦略の前提になる現状分析の方法 (分析視点)




今回は、現状分析についてです。

戦略の前提になる、現状分析の方法をご紹介します。


この記事でわかること


  • 現状分析の目的
  • [分析視点 1] PL と顧客構造
  • [分析視点 2] 市場と顧客課題
  • [分析視点 3] 自分たちが選ばれる理由
  • [分析視点 4] 持続可能性


事業戦略、他にもマーケティングやプロダクト開発での現状分析に使える方法を書いています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。


現状分析の目的


私がよく受ける仕事の一つに、事業戦略やマーケティング戦略の立案や実行があります。

その時にまずやることは現状分析です。

現状をしっかりと分析する目的は、大きくは以下の3つです。


現状分析の目的
  • 現状を把握し、不都合な真実も含めて現実を直視する
  • 関係者との認識を共有する (現状と危機感)
  • 問題の本質抽出と課題設定につなげる


以上の目的を踏まえて、現状把握の方法を具体的に見ていきましょう。


分析視点


現状分析の視点は大きくは4つです。


現状分析の論点
  • PL と顧客構造はどうなっているか
  • 市場や顧客課題は何か
  • 自分たちが選ばれている理由、選ばれていない理由は何か
  • 今後の持続可能性はあるか (優位性を保ち続けられるか)


では、それぞれについて順番にご説明します。


[分析視点 1] PL と顧客構造


現状理解のために、量的な分析と質的な分析をします。

定量分析では、事業やブランドの PL 構造を把握し、売上を分解して見ていきます。売上の分解は、例えば 「売上 = 顧客数 × 件数」 です。必要に応じてさらに分解します。

次に、顧客構造を理解します。

例えば、顧客を一定期間の売上の高い順に並べてパレート分析をします。よく 「全体の売上の 80% は上位 20% の顧客から」 と言われますが、売上がどんな顧客構造になっているかを把握します。


[分析視点 2] 顧客課題


定量に加えて、定性的な分析も行います。

例えばロイヤルティの高い顧客とそうでない顧客を比べて、具体的にどんな違いがあるかを見ていきます。可能であれば離脱してしまった顧客に対しても、なぜ離脱や案件失注になったかも分析をします。

定性分析で重要なのは、顧客課題の切り口の選定です。まずは問題の所在を明らかにし、その後で掘り下げます。つまり順番は、分解が先で次に深掘りです。Where から Why の順です。

顧客理解の流れは、そもそもの顧客の事業やマーケティング課題は何かから始め、問題解決のために顧客が現状でやっていることは何か、具体的にどんな方法やソリューションを使っているかを理解します

その既存の方法から顧客が得ている価値の満足度、まだできていないことは何か、その理由は何かを掘り下げます。

特に顧客課題の理解には、今現在まだ満たされていないジョブ (片付ける用事: Jobs to be done) は何かの視点で見ていくといいです


[分析視点 3] 自分たちが選ばれている理由


既存顧客において、なぜ自分たちが選ばれているのかを言語化します。どんな提供価値に対して顧客は魅力に思ってくれているのかです。

この時に、他に選択肢 (= 競合) はあるか、それは何・どこかです。もし自分たちではなく競合を選択しているとすれば、自分たちが 「選ばれていない理由」 の掘り下げになります。

 「選ばれている理由」 に話を戻すと、選ばれている理由とは、自分たちから顧客への提供価値です。

提供価値がなぜ実現できているのかも社内分析から現状を把握します。実現理由は2つに分解ができます。持っているリソースとオペレーション (価値転換プロセス) です。

選ばれている理由が明確になれば、それをシンプルに顧客に伝わりやすいよう訴求できているかも確認します。


[分析視点 4] 持続可能性


自分たちが選ばれている理由は、これからもそうであり続けられるのかも分析論点になります。

他社に真似されやすいか、今後より強化する必要があるのか、その場合に何をすればいいのかも、現状把握の中に含めます。


まとめ


今回は、事業戦略やマーケティング、プロダクト戦略の前提になる現状分析の具体的な中身をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


現状分析の目的
  • 現状を把握し、不都合な真実も含めて現実を直視する
  • 関係者との認識を共有する (現状と危機感)
  • 問題の本質抽出と課題設定につなげる


現状分析の論点
  • PL と顧客構造はどうなっているか
  • 市場や顧客課題は何か
  • 自分たちが選ばれている理由、選ばれていない理由は何か
  • 今後の持続可能性はあるか (優位性を保ち続けられるか)

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。