2020/08/15

仮説を明確にする方法 (XYZ 仮説と xyz 仮説) 、初期仮説をつくる時の注意点




今回は、仮説のつくり方です。

XYZ 仮説という方法をご紹介します。


この記事でわかること


  • XYZ 仮説
  • ズームインした xyz 仮説
  • xyz 仮説の注意点 (Y から y への落とし込み)


ある本に書かれていた XYZ 仮説という方法をご紹介します。

仮説を立て検証していく方法は、ビジネスで汎用的なスキルです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。


XYZ 仮説


最初にご紹介したい本があります。

Google × スタンフォード NO FLOP! - 失敗できない人の失敗しない技術 です。





この本で紹介されているのは、XYZ 仮説です

XYZ 仮説とは、明確で検証可能な仮説のことです。「少なくとも X パーセントの Y (対象者) は Z する」 と表現する仮説です。

本書に紹介されていた例でご紹介します。「洗濯物の集配をしてくれるウーバーのようなサービス」 のビジネス構想で、あいまいな仮説と XYZ 仮説は、次のようになります。


あいまいな仮説 vs 明確な仮説
  • あいまいな仮説: コインランドリーで洗濯をしている人のほとんどは、その時間をきわめて苦痛に感じている。だから、数ドル余計に払っても、洗濯物を取りに来て、洗濯・乾燥し、それなりの期間内に届けてくれるサービスを利用するだろう
  • 明確な仮説 (XYZ 仮説) : コインランドリーで洗濯をする人の少なくとも 10% は、洗濯物を取りに来て、24時間以内に洗って返してくれるサービスに500円払って利用するだろう


では、XYZ 仮説の意味合いは何でしょうか?


XYZ 仮説の本質


曖昧な仮説を明確にした XYZ 仮説の本質は、検証可能な仮説に落とし込む重要性です。

仮説を曖昧な表現のままにしておくと、その後の検証で評価ができません。評価ができないとは、仮説への想定や前提として、何が正しくて何が正しくなかったのかが分からないのです。

仮説検証ができないということは、仮説をブラッシュアップすることができません。

X で対象となるターゲットの人数規模、Y で対象とする人の具体的な条件や描写、そして、Z でその人たちがどんな行動をとるかを明確にします。


この本で興味深いと思ったのは、XYZ 仮説を検証する初期段階で、テスト対象を絞った xyz 仮説です。


ズームインした xyz 仮説


事業開発やプロダクト開発の初期段階では、XYZ 仮説をズームインした 「xyz 仮説」 を使います。

ズームインをするのは、Y (対象とする人) です。例えば、日本の都市圏で働くホワイトカラーの未婚女性が Y だとすると、ズームインした小文字の y は、Twitter や Facebook で自分からコンタクトできる都市圏で働くホワイトカラーの未婚女性です。

では、なぜこのような XYZ 仮説から xyz 仮説をつくるのでしょうか?


xyz 仮説の本質


XYZ 仮説をズームインした xyz 仮説にすることによって、仮説検証のテストを小さく早く始められます

身近にいる小規模な集団で、仮説が正しいのかどうかのテストができるわけです。


xyz 仮説の注意点


ズームインした xyz 仮説にする時に注意点があります。特に3つのうち 「y」 に関する留意点です。

y はあくまで Y をズームインしたものです。2つが全く違う対象では、ズームインしてテスト検証をする意味がありません。いうならば、Y が k になってしまうと機能しないのです。

Y ではなく k になってしまうのは、テストのために単にコンタクトしやすい人という理由だけでテスト対象者を集めてしまった場合です。

現実には、身近な小規模集団でテストをするので y の特性と、Y の特性は完全なイコールにはなりません。テストの前提として、Y と y の関係 (特に相違点) を理解しておくことは大事です。


アーリーアダプターとアーリーマジョリティ


Y と y の話を、マーケティングの文脈に当てはめて考えてみましょう。

ターゲット顧客のうち初期顧客になるのはアーリーアダプターと呼ばれる人たちです。

XYZ 仮説につなげると、アーリーアダプターの人たちが y になります。その後で、ターゲット顧客の中でアーリーマジョリティーが Y になります。

注意が必要なのは、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーでは顧客特性が同じではありません。キャズム理論の名前の由来になっている溝 (キャズム) が、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間には存在するのです。

このように Y と y の関係理解を全く同じではないという前提の下で、仮説検証をしていきます。


まとめ


今回は、仮説のつくり方と検証方法について掘り下げました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


XYZ 仮説
XYZ 仮説とは、「少なくとも X パーセントの Y は Z する」 と仮説を明確にしたもの。XYZ 仮説の意味合いは、検証可能な仮説に落とし込む重要性。
X で対象となるターゲットの人数規模、Y で対象とする人の具体的な条件や描写、そして、Z でその人たちがどんな行動をとるかを明確にする。


ズームインした xyz 仮説
XYZ 仮説を検証する初期段階では、テスト対象を絞った xyz 仮説をつくる (ズームイン仮説) 。ズームインをするのは、Y (対象とする人) 。Y を y にして xyz 仮説につくることによって、仮説検証のテストを小さく早く始められる。


xyz 仮説の注意点
xyz 仮説で 「y」 に関する注意点は、y はあくまで Y をズームインしたものとする。2つが全く違う対象では、xyz 仮説からテスト検証をする意味ない。テストのために単にコンタクトしやすい人という理由だけでテスト対象者を集めてしまうと、Y が k になってしまう。





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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。