投稿日 2020/10/29

YouTube プレミアムのベネフィット (マーケター視点の How と What)




今回は YouTube プレミアムとマーケティングについてです。


この記事でわかること


  • YouTube プレミアムの四つの特徴
  • 特徴ごとの UX
  • ナラティブとマーケティング 4P への着想
  • How と What のベネフィット


記事の前半では YouTube プレミアムの四つの特徴から、ユーザー視点でどんなベネフィットがあるかをご紹介しています。

後半では着想を広げ、ナラティブとマーケティングに展開しています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


YouTube プレミアム


皆さんは普段 YouTube を使っていらっしゃるでしょうか?

もう一つ質問を続けると YouTube プレミアムという有料版はご存知でしょうか?

私が使っている課金サービスの一つが YouTube プレミアムです。YouTube プレミアムは月額1180円のサブスクリプションです。特長は以下の四つです。


YouTube プレミアムの特徴
  • 広告がない
  • バックグラウンド再生
  • ダウンロードでアプリ内保存
  • プレミアム会員限定のコンテンツ


ではそれぞれについて簡単にご紹介していきます。


[特徴 1] 広告がない


YouTube プレミアムのユーザー体験の良さは、広告が出てこないところにあります。

広告がスキップできるまで待たなくてよく、スキップできない広告を広告が終わるまで待つ必要がないです。また動画の途中で急に広告が入り込むこともありません。

広告の体験はいずれもちょっとした不かもしれません。しかし YouTube プレミアムを使い始めて広告がない YouTube を経験すると、広告ありには戻ることはできません。それぐらい広告が出ないユーザー体験は快適です。


[特徴 2] バックグラウンド再生


二つ目の特徴は、動画のバックグラウンド再生です。スリープ状態や他のアプリを使っている時でも、YouTube アプリの中で動画が再生できます。

私は音楽動画や音声だけで良いコンテンツでは常にバックグラウンド再生を使っています。

というのも映像を見ていないのに動画が流れている状態はスマホのバッテリーを無駄に消耗しているように感じ、いい気持ちではないからです。


[特徴 3] ダウンロードでアプリ内保存


三つ目の特徴は動画を YouTube アプリ内にダウンロードして保存しておけます。

保存ができることそのものよりも、ネットワーク環境が良くなくても動画再生が途切れることはないです。

特に音声の断絶です。不思議なもので視覚的な映像が一瞬止まる以上に、音の不自然な断絶がストレスになり気になるのです。

あらかじめ動画をダウンロードしておけば、ネットワーク不安による再生の途切れは起こりません。


[特徴 4] プレミアム会員限定のコンテンツ


音楽アーティストやレコード会社から公式に配信されている動画は、動画によってはプレミアム会員限定のコンテンツになっています。

私は時々、昔の懐かしい J-pop を YouTube で検索をし懐かしく聴いていましたが、公式動画ではないためにしばらくすると削除され見られなくなっていました。

公式動画がプレミアムで見られるようになり突然の削除がなくなりました。小学生や中学生の頃からよく聞いていた曲を YouTube で思い出しては検索をし、懐かしい思い出とともに楽しんでいます。


四つの特徴の俯瞰


ここまで YouTube プレミアムの四つの特長をご紹介しました。


YouTube プレミアムの特徴
  • 広告がない
  • バックグラウンド再生
  • ダウンロードでアプリ内保存
  • プレミアム会員限定のコンテンツ


これらを俯瞰すると、何が言えるでしょうか?

四つのうち最初の三つは YouTube の使い方に関するもの、四つ目のプレミアム会員限定の動画はコンテンツそのもののベネフィットです。 YouTube を主語にすれば、「伝え方」 と 「伝える中身」 の大きく二つに分けることができます


ナラティブ


伝え方と伝える中身とは、ナラティブの考え方につながります。

皆さんはナラティブという言葉はご存知でしょうか?

ナラティブの要素は二つあり、「伝え方」 と 「物語 (中身) 」 です。 この二つは先ほどの YouTube プレミアムの四つの特徴と同じです。


マーケティングの 4P


マーケティングにも着想を広げることができます。

マーケティングには 4P というフレームがあります。Place, Price, Promotion, Product です。それぞれ販売チャネル、価格、広告や販促、製品です。

この四つのうち最初の三つ (Place, Price, Promotion) が 「売り方」 で、四つ目の Product が 「売りモノ」 です。 YouTube プレミアムの四つの特徴に合わせると売り方が 「使い方」 に、売り物が 「コンテンツそのもの」 に当てはまります。


How と What のベネフィット


ではここまでの内容を踏まえて一般化してみましょう。

YouTube プレミアムの四つの特徴は、使い方とコンテンツそのものに大きく二つに分けられました。5W1H に当てはめると、How と What です。ナラティブとマーケティング 4P も同じです。

ユーザーや顧客視点に立った時に、顧客が得ているベネフィットは How として何があるか、What のベネフィット何かを考えるとビジネスのヒントが得られます


まとめ


今回は YouTube プレミアムの特長を紹介をして、そこから着想を広げてみました。いずれも共通するのは How と What のベネフィットです。

では最後に今回の記事のまとめです。


YouTube プレミアムの特徴
  • 広告がない
  • バックグラウンド再生
  • ダウンロードでアプリ内保存
  • プレミアム会員限定のコンテンツ


ナラティブとマーケティングへの着想
  • 四つのうち最初の三つは YouTube の使い方に関するもの、四つ目のプレミアム会員限定の動画はコンテンツそのもののベネフィット
  • この2つはナラティブの要素 (伝え方と物語) 、マーケティングの 4P (Place, Price, Promotion は売り方、Product は売りモノ) につながる


How と What のベネフィット
ユーザーや顧客視点に立った時に、顧客が得ているベネフィットは How として何があるか、What のベネフィット何かを考えるとビジネスのヒントが得られる。


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。