投稿日 2020/10/01

3つの輪で全体像を捉えよう




今回は、物事の全体像の捉え方です。


この記事でわかること


  • 三段階での全体像の捉え方
  • 関心の輪、影響の輪、コミットの輪
  • 市場規模推定との共通点 (TAM, SAM, SOM)


この記事で書いているのは、仕事で重要なスキルである全体像の捉え方についてです。

三つの輪を使って全体像を捉える方法をご紹介します。記事の後半では、市場規模推定との共通点を見ていきます。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


全体像を広く捉える


仕事で大事なのは、全体像をどれだけ広く捉えられるかです。

人はえてして、自分が見えている範囲を全体として捉えてしまいます。

例えば、仕事で複数の人達と共同で企画書を作るとします。自分が担当するのは、市場調査 (消費者動向, 競合分析) だとすると、自分が見ている全体像はこのパートのみになります。

しかし直接は担当しないとしても、自分の役割以外にも目を向け、企画書全体をとらえることが大事です。さらに言えば、企画書の背景、企画が通った後のアクションシナリオまでをできれば複数でもっておきたいです。

このように、before / after で時間軸を長くとり、見る領域を広げるほど、全体像を広く捉えることができます

では、ここまでの話を一般化して掘り下げてみましょう。


三つの輪で全体像を捉えよう


全体像を捉えるために三段階で考えるといいです。


三段階で全体像を捉える
  • 自分が直接コミットする範囲
  • 間接的にも自分が影響を与える範囲
  • 想定した方がいい関心領域 (自分が関わらないものも含めて)


三つを円で表現すると以下のようになります。外側から、関心の輪、影響の輪、コミットの輪です。




三段階の分け方は、市場規模推定の三つに共通します。


市場規模推定との共通点


新規事業や起業する時に、自分たちはどれぐらいの市場規模を狙うのかを推定します。

この時に一般的に使われるやり方は、三段階で市場規模を推定します。TAM, SAM, SOM です。


市場規模の推定
  • TAM (Total Addressable Market) 獲得できる可能性のある最大の市場規模
  • SAM (Serviceable Available Market) 実際に獲得できるであろう市場規模 (TAM のうち特定の顧客セグメント)
  • SOM (Serviceable Obtainable Market) 市場での獲得シェア


日本語では、三つをまとめて 「タムサムソム」 と言ったりします。

この三つを例えば Uber Eats に当てはめて見ると、次のようになります。


Uber Eats の市場規模の見立て
  • TAM: 外食市場
  • SAM: 出前の市場
  • SOM: 出前市場での Uber Eats のシェア


市場規模推定と、三段階での全体像の捉え方は次のような関係から共通点があります。


共通点
  • 関心の輪 = TAM
  • 影響の輪 = SAM
  • コミットの輪 = SOM



まとめ


今回は、全体像の捉え方をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


全体像を広く捉える
仕事で大事なのは、全体像をどれだけ広く捉えられるか。Before / after で時間軸を長くとり、見る領域を広げる。


三段階で全体像を捉える
  • 自分が直接コミットする範囲
  • 間接的にも自分が影響を与える範囲
  • 想定した方がいい関心領域 (自分が関わらないものも含めて)


 「三段階で全体像」 と 「市場規模の推定」 との共通点
  • 関心の輪 = TAM (Total Addressable Market) 獲得できる可能性のある最大の市場規模
  • 影響の輪 = SAM (Serviceable Available Market) 実際に獲得できるであろう市場規模 (TAM のうち特定の顧客セグメント)
  • コミットの輪 = SOM (Serviceable Obtainable Market) 市場での獲得シェア


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。