#マーケティング #問題解決 #本
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ご紹介したい本は、「世界一やさしい問題解決の授業 - 自分で考え、行動する力が身につく (渡辺健介) 」 です。
こちらの本は、問題解決の入門書として、すでに多くの人に読まれているベストセラーです。
私にとってこの本は、「マーケティングの教科書」 としても読むことができる、実践の書でもありました。
本書の概要
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この本は、世界最高峰のコンサルティング会社で使われる問題解決の方法論を、誰にでもわかる言葉で書かれています。
マッキンゼーの問題解決方法が学べる
本書は、著者が元々、外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーで学んだ 「問題を解くための考え方」 や 「構造化思考法」 を、中学生・高校生にも理解できるように、イラストやストーリーを交えてやさしく解説した入門書です。
大人のビジネスパーソンにとっても、問題解決方法やロジカルシンキングの基本を学び直せる一冊です。
「問題解決キッズ」 になる
本書の第一章は、問題に直面するとすぐに無理と諦める 「どうせどうせ子ちゃん」 や、行動せずに文句ばかり言う 「評論家くん」 の登場から始まります。
そこに現れるのが 「問題解決キッズ」 です。
問題解決キッズは、大きな問題も小さく分けて考え、原因を特定し、解決策を実行します。本書の目的は、読者を 「問題解決キッズ」 になってもらうことです。
著者は、問題解決力は才能ではないと言います。自分で考え、決め、行動するという姿勢と実行のクセを身につけることで、誰でも問題解決キッズになれるのです。
問題解決の流れ
本書が提示する問題解決の基本は、シンプルな 4 つのステップです。
- 現状の理解 (What?) : 何が問題なのかを正しく把握する
- 原因の特定 (Why?) : なぜその問題が起きているのか、根本原因を探る
- 打ち手の決定 (How?) : 原因を解消するために、何をすべきかを考えて決める
- 実行 (Go!) : 決定した解決策を実行する
問題解決のために使うのが、「分解の木 (ロジックツリー) 」 「はい・いいえの木」 「課題分析シート」 といったツールです。思考のツールをうまく活用し、仮説を立て、検証し、真の原因を探っていきます。
本書から学べること
本書を読めば、単なる知識としてではなく、明日から使える 「問題解決の技術」 を学ぶことができます。
問題解決の流れをイメージできるようになり、ロジカルシンキングの基本を体得できます。また、目標設定とギャップ分析という、目標達成型思考も身につきます。
何より大切なのは、「考え抜くクセ」 がつくことです。
知識として知っているだけでなく、自分で考え、手を動かす。そんな 「実践志向」 が、この本を通じて自然と身につきます。
マーケティングの教科書
この本の第二章は、実はマーケティングの教科書そのものでした。
第二章の物語
舞台は、とある中学校。中学生バンド 「キノコ Lovers」 が主役です。
キノコ Lovers は、ボーカルのキノコちゃん、ギターのナスビくん、ドラムのハンペンくんの 3 人組のバンドです。幼稚園から仲良しだった 3 人は、3 年前から音楽に真剣に取り組んでいました。
ある日、バンドリーダーのキノコちゃんは、人気バンドのコンサートに初めて行きました。感動したキノコちゃんは、キノコ Lovers も体育館で自分たちのライブコンサートを開こうとナスビくんとハンペンくんに伝えました。
なんとかライブを開催し、二回目もライブをしました。しかし、問題がありました。来てくれる観客が少ないのです。
キノコ Lovers が観客動員数を増やすために取り組むプロセスは、まさに顧客獲得へのマーケティングの実践でした。
「続けていればそのうち観客は増えるだろう」 という希望的観測や、「とりあえずチラシを配ろう」 というやみくもな施策ではなく、論理的な問題解決プロセスから、マーケティングで課題に向き合います。
現状の理解と問題の分解
まず、キノコ Lovers の三人は 「観客が少ない」 という漠然とした問題を、本書のツールである 「分解の木 (ロジックツリー) 」 を使って分解し、具体化します。
これは、マーケティングの実務で 「売上が低い」 という問題を 「客数 × 客単価」 、客数を 「新規顧客 + リピート顧客」 に分けて考えるプロセスとまったく同じです。
キノコ Lovers の場合、「観客動員数」 を増やすことが目的なので、観客が来ない 「原因」 を分解しました。
- 認知の問題: バンドの存在自体やライブ開催のことを知らない
- 魅力の問題: 知っているが、魅力を感じない。行きたいと思わない。一度行ったが二回目も行こうと思わない
- 環境の問題: 行きたいが行けない (開催日時は他に用事があり都合がつかない)
マーケティングで言うカスタマージャーニーの各段階での障壁を明らかにする作業です。
キノコ Lovers は、認知、関心、行動、継続において、どこにボトルネックがあるのかを、構造的に捉えていきました。
原因の特定 (ボトルネックの発見)
次に、分解した仮説をもとに調査と分析を進めます。
アンケートをとったり、何人かに直接ヒアリングをすると、意外な事実が判明しました。
キノコ Lovers というバンドの存在や体育館で開催するコンサートライブのことはあまり学校内で知られていないというのが仮説でしたが、キノコ Lovers のバンドライブの開催は、口コミや噂で予想以上に広がっていました。認知はある程度取れていたのです。
もちろん、知っている人をもっと増やすことは、ライブ観客数を増やすために大事です。ただし、問題は認知不足ではなく別のところにもありました。
- 知っていても、行こうとは思わなかった
- 行きたくても、都合が悪く行けなかった
- 一度来た人も、二回目は来てくれていない
データを分析した結果、いちばんの根本原因 (ボトルネック) だったのが、「初回のライブ参加のハードルの高さ」 です。
これは、マーケティングで言えば、商品の初回購入に一番高いハードルがあり、他にリピート購入にもハードルがあることを発見したのと同じです。
認知は取れている。でも、トライアル購入までの壁が高い。そして、リピートまでの壁もある。この原因特定のプロセスが、的確な施策立案への道を開きます。
打ち手の決定
原因が明らかになったら、次は解決策の立案です。
キノコ Lovers の三人は思いつく限りの打ち手を洗い出しました。
校内放送で告知する。各クラスを回って紹介する。メールで告知する。開始時刻を土曜の夕方 5 時に変更する (以前は平日の昼間だった) 。
しかし、すべてを実行する時間もリソースもありません。そこで使うのが、評価マトリックスです。縦軸にインパクト (効果の大きさ) 、横軸に実行可能性 (実現の容易さ) を置きます。
- 高インパクト× 高実行可能性 = 最優先 ・・・ 校内放送でのバンド紹介とライブの告知、曲を流してもらう
- 高インパクト× 低実行可能性 = 中期的検討 ・・・ 各クラスや職員室を回って、自己紹介や一曲披露
- 低インパクト× 高実行可能性 = 補助的施策 ・・・ 告知メールの送信、ライブ開催時刻の変更
- 低インパクト× 低実行可能性 = 却下
さらに、それぞれの打ち手が何に効くのかも整理しました。認知を高める施策。バンドの魅力を伝える施策。認知と魅力の両方に効く施策と、洗い出した打ち手を分けました。
このアプローチは、マーケティング予算の配分そのものです。限られたリソースで最大の効果を生むために、ROI (費用対効果) を考えながら、施策の優先順位をつけていく。ビジネスの実務で行われているプロセスです。
効果測定
そして、打ち手は 「実行して終わり」 ではありません。
キノコ Lovers は、ライブコンサートの後でアンケートやヒアリングを実施しました。
ライブの前後で、認知率はどう変わったか。初めての参加意向、参加者の次回のライブ参加意向はどうかと、事前に立てた仮説と実際の数字を比較し、狙い通りに効果が表れているかを検証しました。
課題が見つかれば、次回に向けてさらに改善する。施策を打って終わりにせず、効果を測定し、学びを次に活かすという PDCA サイクルの実践も、マーケティングで大事なことです。
中学生バンドのキノコ Lovers の物語は、現状把握から課題と打ち手の決定、顧客獲得からリピート創出まで、マーケティングの全プロセスを教えてくれます。
* * *
書籍 「世界一やさしい問題解決の授業」 は、中学生や高校生でもわかるくらい、問題解決をわかりやすく解説する本です。でも、そこに書かれているのは、マーケティングの本質でした。
大きな問題も、小さく分けて考えれば、必ず取りかかりが見つかります。そして、仮説を立て、検証し、実行するという繰り返しが、マーケティングの実行力を高めていくのです。
キノコ Lovers の物語から、あなたは何を学びますか?
まとめ
書籍 「世界一やさしい問題解決の授業 - 自分で考え、行動する力が身につく (渡辺健介) 」 を取り上げ、学べることを見てきました。
学びのポイントをまとめておきます。
- 問題解決には 「現状理解 → 原因特定 → 打ち手決定 → 実行」 という 4 つのステップで進めていく
- 大きな問題は小さく分解する。漠然とした問題を構造化し、真のボトルネックを特定する。課題も同様に行うことで、効果的な打ち手が見えてくる
- 施策を網羅的に出し、「効果 × 実行可能性」 で整理することにより、限られたリソースで最大の成果を狙う
- 問題解決もマーケティング活動も本質は同じ。限られたリソースで最大の成果を出すために、打ち手に優先順位をつけ、実行する
- 実行後は効果検証までを行い、次の改善につなげる PDCA サイクルを回し続ける
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