ラベル 情報整理術 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 情報整理術 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
投稿日 2016/07/28

情報は無理に集めなくてもよいという逆転の情報整理術




今回は、情報を日頃からどう集めておくかについてです。

エントリー内容です。

  • 意識していないと見えていない
  • 情報は無理に集めるな
  • 問題意識は忘れて、フラグを立てる
投稿日 2016/06/20

24時間以内のメール返信ルールを守るための Gmail の使い方をご紹介




メールというコミュニケーションを効率的にやるために、Gmail の使い方をご紹介します。

エントリー内容です。

  • いかにメール処理を効率良くするか
  • 受信トレイの工夫
  • ショートカット、検索方法、デザイン設定

投稿日 2015/07/01

専門家に相談する時は、基本的な知識や情報を持ってから




40代からのお金の教科書 という本に書かれていた中で印象に残ったのが、専門家に相談する時の注意点でした。


専門家に相談する時の注意点


具体的に書かれていたのは、資産運用や投資信託などの金融商品をファイナンシャルプランナー (FP) 等に相談する際に、気をつけたいことです。以下、本書からの引用です。

専門家の立場の理解と外部の知見の活用

何らかの課題について専門家に相談する際、必ず確認したいのは 「その人が何によって生計を立てているか」 という点です。商品を販売することによる手数料が収益源である場合、「他の選択肢を提示されないまま、自社の取扱商品だけを勧めてくる」 ことになりかねません。
投稿日 2014/11/16

Android のポッドキャストアプリ Podcast Addict が使いやすい




Podcast を重宝しています。通勤や洗濯などの家事の合間に使っています。好んで聴くのはニュース番組です。

もともとは、iPod や iPhone を使っていた頃から Podcast を使っていました。今はスマホは Android で、Podcast を利用するために、iPod Touch を使っていて、スマホ2台持ち状態でした (厳密には iPod Touch は 「スマホ」 ではないのですが) 。

Podcast = iOS という固定観念があったのですが、調べてみると、Android アプリでも多数の Podcast アプリがありました。前々からスマホは Android 1つに集約したいと感じていたので、いいタイミングと思い、いくつか試してみることにしました。
投稿日 2014/07/12

頭の中に仮想の引き出しをつくってみる




自分が何に興味を持っているかで、同じ景色でも見え方がずいぶんと違います。


興味によって見える景色が変わる


例えば、毎日の通勤経路でも、あえて特定のテーマ (関心) を設定して見てみると、普段は見過ごしていたことがたくさん目に入ってきます。

例えば、電車内でまわりの人はどう過ごしているか、どんな広告が出ているか、乗換案内がわかりやすく表示されているか、公園や歩道でどんな花が咲いているかです


頭の中に引き出しをつくる


プロの知的生産術 という本で紹介されているのは 「頭の中に20の引き出し」 をつくることです。
投稿日 2014/07/06

アナログなことを大切にする




自分の問題意識の1つに「アナログを大切にする」があります。

ここで言っているアナログというのは、デジタルに比べてという意味です。例えばインターネットやスマホなどのデジタルデバイスと比較してのことです。

アナログのことをあらためてよいと実感した体験が、ここ最近いくつかありました。
投稿日 2013/11/10

5分で1冊を読むような 「速読」 は 「熟読」 があってのもの




読書の技法 - 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術 「超」 入門 の著者は、佐藤優氏です。



エントリーの内容です。

  • 佐藤優氏の3つの読書法
  • 超速読と熟読の方法
  • 読むべき有益な本を見い出すために
投稿日 2012/12/22

重宝しているGunosyから考えるネットの本質と課題

情報収集のツールは色々とありますが、その中でこれはオススメというのがGunosy(グノシー)です。ネット上のニュースやブログ記事を対象としたキュレーションツールで、気づけばほぼ毎日使ってます。

■Gunosyとは

Gunosyの特徴は以下の3つと思っています。
  • シンプルな仕組み:アカウントをつくるとユーザーそれぞれに最適化されたニュース記事を配信してくれます。アカウント登録はTwitter、Facebook、はてなブックマークのどれかでログイン。ピックアップしてくれるニュース記事等の閲覧方法は、GunosyのWebページを開くか、1日1回のメール配信の設定の2通り。Webページとメールには記事タイトルと本文見出しがリンク付で表示され、毎日更新されます。
  • 毎日のメール配信:メール配信というプッシュ型の通知が意外に便利だったりします。いつの間にかGunosyからのメールチェックが毎日の日課になりました。大抵のメール配信は来ること自体が面倒に感じるんですが、Gunosyはそれが全然ないんですよね。メール配信の設定は2つあって、何時に送ってもらうかの配信時刻と1回あたり何個記事を表示させるかの記事数を決めることができます。今のところは、朝5時配信で、10個記事と設定しています。欲を言えば朝のメール配信は3時とか4時も可能にしてほしいところ。
  • とにかく精度が高い:キュレーションツールの肝はどれだけユーザーごとに最適化できるか。Gunosyの精度は良いです。メールで10個の記事が送られてきますが、ほぼ1つ以上は気になる記事がありクリックしています。だいたい10個中、1~3個くらい。RSSに比べると打率はかなり高いし、良好な精度だからこそ毎日のメール配信も嫌じゃない。

■なぜGunosyの精度は高いのか

Gunosyを使っていての感触として、最適記事を抽出するのに活用されているのは、
  • 人気記事や話題性のあるもの:はてブ、ツイート、いいね!がたくさん付いているものなど、よくクリックされている記事がピックアップされる傾向がある
  • Twitterなどのログインツール内情報の利用:ツイッターであればユーザーのツイート内容などユーザー情報を参考に最適記事を選んでいる
  • Gunosyでの行動履歴:どの記事をユーザーがクリックしたかの情報が蓄積される。ユーザーがGunosyを使えば使うほどユーザーに最適化された記事が配信される仕組み
で、特に2点目と3点目のバランスが良く、結果的に高い精度が実現できていると感じます。

Gunosyを開発・立ち上げた東大大学院生3人へのインタビュー記事を見ると、「他のキュレーションサービスのほとんどは自分のSNSタイムライン上で『つながりのある人の間で話題になっている情報』を配信するものが多いのに対し、Gunosyはユーザーのソーシャルグラフではなく、あくまで自分自身の過去のポストやソーシャル上のアクティビティを分析対象として記事を選ぶ仕組み」というようなことが書かれています。(参考:「精度高すぎ」と話題のニュースキュレーション『Gunosy』は、どんな設計思想で作られているのか?|エンジニアtype

自分のアクティビティが分析対象とは、Gunosy配信の中から気になる記事をクリックするほど精度が高くなっていくのがまさにそれです。クリックする=その話題に興味があると判断され、次回以降のニュース記事ピックアップに活かされる。使えば使うほどユーザーに最適化された仕組みになっていく。

以前のエントリーでキュレーションアプリのZiteについて取り上げましたが、Ziteも同じような感じです。こっちは配信記事が英語のサイトなので、英語の勉強にもなります。(参考:重宝してるアプリziteをヒントに4層で考えるTVのパーソナライズ化|思考の整理日記

■フィルターバブルと転職サービスへの挑戦

上のインタビュー記事の中にあったことで注目したのが、Gunosyでは「フィルターバブル」についても考慮、課題設定としている点です。

フィルターバブルというのは、情報の偏りすぎることでユーザーに不利益をもたらすのではという懸念です。過度にキュレーションすることで、ユーザーの興味や嗜好に合致しない情報は全部排除されてしまいかねません。

でも、実は除かれた情報の中にはユーザーにとって有益な内容もあり得るわけで、あまりに選定しすぎるのは良くないのではという問題意識。イメージはユーザーが自分の興味関心だけの泡の中に閉じこもり、未知の外の世界を知る機会がなくなる感じでしょうか。(参考:情報社会の未来:私たちはネットの世界に知らない間に閉じこもってしまうのか|思考の整理日記

だから時々そのバブルの外にも注目すべきと思うのですが、Gunosyではこの問題にどう対処するかはこれからの課題。要はキュレーションするのをどこまで絞るといいかのバランスで、ここは個人的にも注目しておきたい取り組みです。

もう1つ、Gunosyのサービスはニュース記事配信以外にもGunosy Careerという転職サービスもあります(正確には13年春のローンチを目標)。ニュース記事抽出/配信のデータマイニングやレコメンド技術を転職サービスに応用しようというもの。Gunosyの特徴である登録・設定・使い勝手のシンプルさや、高いマッチング精度を転職市場でも実現できるか。期待したいです。

■ネットの本質から考える今の「ネット上のバランスの悪さ」

何かと何かをマッチングさせる領域は、まだまだこれから発展するのではと思っています。マッチングとは単純化すればAとBの異なる要素をつなげることです。Gunosyでは、A:ネット上の情報、B:ユーザーをマッチングさせる仕組みだし、転職サービスのGunosy CareerはA:企業とB:人をマッチングさせようというもの。人と人をつなげるサービスはFacebookやLinkedinとかLineがあったり、情報と人を結ぶのはGoogleの検索サービスもそうですよね。

これらのマッチングの仕組みで共通しているのはネット上でつながっていること。インターネットが当たり前のように普及したことでネット上の情報量が爆発的に増えたけど、一方で増加する情報に追い付けていないのはマッチングだと思っています。必要な情報や人を探したり、つながるための仕組み。確かに何か知りたい時はグーグルの検索があるし、フェイスブックやラインで気軽に人とコミュニケーションが取れますが、まだ十分ではないように思います。

何が言いたいかと言うと、ネットは人やモノの情報が文字通り網の目のように入り組んだ世界ですが、ネットを構成する一つ一つのつながりが少ないor最適化されていなく、増える情報量に対してマッチングが不十分ということです。インターネットの本質って、人やモノという「個の情報発信」と「双方向性」なのではと思います。前者の情報発信はネットで実現できているけど、後者の双方向性、つまりマッチングとかつながりはこれからの領域。今はまだ情報量とマッチングのバランスが悪い状態です。だからこそ、Gunosyのようなテクノロジーでこれを解決するプレイヤーには期待したいです。

人や企業にはいろんなニーズがあり、中身は千差万別です。それらをどうつなげるか。ネットが進化してもう1つ上のレベルになるための課題と思っています。


※参考情報

Gunosy(グノシー)
「精度高すぎ」と話題のニュースキュレーション『Gunosy』は、どんな設計思想で作られているのか?|エンジニアtype
Gunosyが会社になりました。|Gunosy blog
あなたに最適化したニュースを届ける「Gunosy」が会社化|Itmediaニュース
重宝してるアプリziteをヒントに4層で考えるTVのパーソナライズ化|思考の整理日記
情報社会の未来:私たちはネットの世界に知らない間に閉じこもってしまうのか|思考の整理日記
Gunosy Career


投稿日 2012/11/16

ヨーロッパ海外出張から学んだ 「4つの視点」


Free Image on Pixabay


先週は海外出張でヨーロッパに行っていました (2012年11月) 。目的の1つが、ESOMAR というマーケティングリサーチ団体主催のカンファレンスに参加することでした。

出席したカンファレンス:ESOMAR 3D 2012 (2017年10月追記: ページが削除されていたのでこちらも削除しました)


講演後の違和感


カンファレンスの講演を聞き終えた時、ふと違和感を感じました。

スピーカーの講演発表後には Q & A の時間が少しあったのですが、発表を聞き終わった直後なのに質問が頭に出てきませんでした。英語とは言えそれなりに聞け、メモも随所で取っていたのですが、なぜか質問が頭に思い浮かびませんでした。
投稿日 2012/04/14

リアルタイムウェブ中毒だった自分と今の自分




インターネットは、もはやこれ無しでは自分の生活が成り立たないほど、プライベートも仕事でも様々なシーンで使っています。

何かわからないことや調べる時はネットで検索、ニュースもテレビや新聞からではなくツイッターや RSS などの各種サービスから、友達とのコミュニケーションもソーシャルメディアを使います。ネットが当たり前になっています。

ネットは便利です。間違いなく人々の生活を変えました。しかし、2012年の今年になって私自身はネット利用時間を意図的に減らしています。
投稿日 2011/06/11

福沢諭吉から考える会議設計の3つのポイント

今回は、福澤諭吉に学ぶ 思考の技術 という本を取り上げます。




福沢諭吉と議論の本位


本書では福沢諭吉の著書「学問のすゝめ」「文明論之概略」から学べる論理的思考の技術が紹介されており、その中の1つに「議論の本位を定めること」が取り上げられています。

今回のエントリーでは議論の本位を定めることについてと、議論する場の代表例として会議についてどうすれば生産的なものにできるかを書いています。
投稿日 2011/05/22

Bing+Facebook検索から考える情報入手のこれからの棲み分け

マイクロソフトが5月16日(現地時間)、同社提供の検索サービス「Bing」に対してFacebookと連携させた新機能を追加したと発表しました。Facebookの"Like"(いいね!)情報を活用し、友人やFacebookユーザーのオススメ情報などが検索結果に表示されるようになっているようです。
Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing

■bing+facebookで検索するとこうなる

新機能は、大きくTrusted Friends、Collective IQ、Conversational Searchの3種類。Trusted Friendsでは、キーワード検索の結果にFacebook上の友人が"Like"登録したページがあれば、その情報が表示されます(友人の顔写真が最大3名まで)。以下のイメージ画像では検索結果の3番目に友人の顔写真が表示される。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用

Collective IQでは、友人に限らず、Likeをたくさん集めたサイトが検索結果の上位に表示されるようです。

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用

Conversational Searchでは、人名による検索結果にFacebookのユーザー情報が表示されたり、下のイメージのように地名を検索すると、そこに住んでいる(あるいは住んでいた経験のある)友人が表示されます。

 Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bingより引用

このサービスを利用するためには、フェイスブックにログインした状態で、bingから検索する必要があります。また、現在はアメリカだけでのリリースのようです。

少し古いデータですが、ニールセンが2009年4月に、50か国で25,000人のネットユーザーを対象に調査を行ったところ、各国のネットユーザーの9割が「友人からのおすすめ」を信用していると回答しています。

<広告形態別の信頼度 2009年4月>

Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsenから引用

今回のマイクロソフトとフェイスブックの取り組みは検索結果に友人のおすすめが出るということで、まさにこの信頼度を検索結果というアウトプットの(その人への)精度に活用するものです。Googleなどの従来の検索とは異なる「人と人とのつながり」という条件で結果が表示されるのです。

■インプットとしての検索の向上余地は?

それでは、検索のインプットのほうはどうでしょうか?あらためてネット検索でのインプットのプロセスを考えると、こちらのほうはまだまだ進化の余地があるように思います。検索をするには、まず自分が知りたいことを検索用語として打ち込みます。すなわち、具体的な単語にまで知りたいことを落とし込まないと検索自体ができないということ。「こないだのあれ、何だっけ」みたいなあいまいな状態では検索は有効に活用できません。もちろん、インプットとしての検索機能の向上例として、Googleでは、画像・動画・ニュース・リアルタイム、などとカテゴリーに絞って検索ができますが、これも入力する検索ワード、あるいはその組み合わせがうまくいっていないと、効果が薄れてしまいます。

上記で取り上げたbingのソーシャル検索ではアウトプットでの進化でしたが、インプットにおける検索についても検索のインプットでも新しい考え方・仕組みを期待したいところです。ユーザーに検索ワードを考えさせる、検索を色々と工夫しても、欲しい・必要な情報がなかなか上位に表示されない、など、よくよく考えるとネットでの検索は非常に便利とはいえ、まだまだ使い勝手がいいとは言えないように思います。ネットでの検索は検索連動型広告のおかげで無料サービスとして提供されていますが、もし今よりももっと早く・正確に必要な情報が手に入るのであれば、効率的な検索から時間を有効に使える有料サービスもあってもいいような気もします(実際に利用するかは価格と精度によりそうですが)。

■AISASで情報入手プロセスを考える

ここまで、マイクロソフトとフェイスブックの新しい検索機能の話から、検索のアウトプットとインプットについて考えました。情報を入手する手段としてはネット検索は便利ですが、一方で検索だけに頼る必要もないと思っています。検索というのはワードを指定して自分から情報を探しにいきますが、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを使っていると、「必要な情報が向こうからやってくる」という感覚を持ちます。前提として、そのような情報を発信してくれる人(ニュースメディアやBotも含む)をフォローしておく必要がありますが、国内外問わず、大きなニュースなどは最近ではツイッターなどを経由して第一報を知ることが多くなっています。最近の例で言えば、ビンラディン殺害がそうでした。その後、気になったのでネットで調べてみると(検索)、CNNでのニュースとして大きく報じられていたり、オバマ大統領の発表演説が見つかり、これはデマではなく本当に起こったことのようだと実感するようになりました。ツイッターで知り、詳細を検索から、というプロセスでした。

ところで、AISASという消費者の購買行動モデルがあります。AISASとは、Attention(注意)=>Interest(興味・関心)=>Search(検索)=>Action(行動)=>Share(共有)の頭文字をとったもので、電通が考案したマーケティングにおける消費行動プロセスを表す考え方です。具体的には、消費者がある商品を知ってから購入に至るまでは、注意が喚起され、興味;関心が生まれ、関連する情報を検索し、その商品やサービス購入し、そのことを共有する、というプロセスのこと。


AISASはもともとは購買行動モデルですが、4番目のActionを、情報接触という行動と見なせば、情報接触・探索のモデルとしても当てはめられるように思います。AISASというプロセスでは、検索は真ん中のSにあたり、上流には注意、興味・関心がありますが、ソーシャルメディアで興味・関心が湧き、Googleで検索をするということです。

■情報入手をマトリクスで整理

先ほど、「情報入手は検索だけに頼る必要もない」と書きましたが、今後、マイクロソフト+フェイスブックのように検索にソーシャル性が加われば、自分にとっての情報入手は次のようなマッピングができそうです。


Googleリーダー、Google検索は今のところソーシャル性よりも、機械的なアルゴリズムにより検索精度の向上させています(Googleのミッションである「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」)。ただ、ソーシャルの取り組みがないわけではなく、Googleリーダーでは共有アイテムがあり、検索でも「+1」という新しいソーシャル機能に挑戦しています。IT系の世の中の流れとしてはソーシャル全盛な感じがありますが、個人的には、機械的な結果を提示してくれる(今の)Googleのような存在もあってほしいと思いますし、上記のマトリクスのような棲み分けごとに、それぞれがもっと使いやすくなってくれることを期待したいです。


※参考情報

Facebook Friends Now Fueling Faster Decisions on Bing|bing
Bing、Facebook連携を大幅強化 - 友人のいいね!などを検索結果に表示|マイコミジャーナル
Nielsen Global Online Consumer Survey (PDF)|Nielsen
世界で最も信頼される広告形態は「知り合いからのおすすめ」「ネットのクチコミ」【ニールセン調査】|MarkeZine
Googleは「+1」でソーシャル検索を実現できるのか?|思考の整理日記


投稿日 2011/05/07

決断とリスクはワンセットである

「決断力」 (羽生善治)という本を読みました。

初版が2005年で、羽生善治氏は当時34歳でした。将棋のことが中心に書かれているものの、専門知識がなくても読み進めてしまいました。それだけ書かれている内容が将棋以外にも広く当てはまります。

今回のエントリーでは、書籍「決断力」を読んで考えたことを中心に書いています。

本書の目次です。

第1章 勝機は誰にでもある
第2章 直感の七割は正しい
第3章 勝負に生かす「集中力」
第4章 「選ぶ」情報、「捨てる」情報
第5章 才能とは、継続できる情熱である

■ 決断とはリスクを取ること

「将棋を指すうえで、一番の決め手になるのは何か?」

これに対する羽生さんの答えが「決断力」だそうです(p.56)。決断力はまさに本書のタイトルでもありますが、決断について最も印象に残っているのは、「決断とリスクはワンセットである」という考え方でした(p.71)。

羽生さん曰く、リスクを前にすると正直怖気づくこともあるそうです。それでも勝負をするからには、そのような場面に向き合い、決断を下すと言います。なぜか。これについては以下のように記述しています。

リスクを避けていては、その対戦に勝ったとしてもいい将棋は残すことはできない。次のステップにもならない。それこそ、私にとっては大いなるリスクである。いい結果は生まれない。私は、積極的にリスクを負うことは未来のリスクを最小限にすると、いつも自分に言い聞かせている。(p.72)

これは本書の第2章で言及されていますが、個人的にはこの本での一番のハイライトでした。

特に、(現在の)リスクを積極的に取ることは未来のリスクを最小化する、という指摘です。これは、リスクを取らないことがリスクであるという考え方に近いです。

もちろん、自分にとって許容できないような大きなリスクを負うことは無謀なことですが、リスクを正しく評価し、その上でリスクを取る、そのために羽生さんは自らに上記引用部分を言い聞かせることで、リスクと正対しているのだと感じました。

決断とリスクについては将棋に限ったことではなく、だからこそ考えさせられる指摘でした。

■「選ぶ」情報と「捨てる」情報

決断することについて、もう一つ印象的だったのはこれです。

私はロジカルに考えて判断を積み上げる力も必要であると思うが、見切りをつけ、捨てることを決断する力も大事だと思っている。(p.169)

捨てるということに対しては、羽生さんは、情報は「選ぶ」より「いかに捨てるか」が重要とも言っています。

個人的な解釈として、「選ぶ」というのは、A と B のうち A を選んだとしても B はそのまま残しておくイメージです。一方で「捨てる」とは A だけ残し、文字通り B は捨ててしまうイメージです。

なぜ捨てるかと言うと、全部を収集し分析していては時間がかかり過ぎるからです。

例えば羽生さんの場合、将棋の局面を想定する場合も、八十通りある指し手の可能性の中から大部分を捨ててしまうそうです。八十手のうち二~三手以外はこれまでの経験から考える必要がないと判断し、候補を絞ると言います。

情報をいくら分類、整理しても、どこが問題かをしっかりとらいないと正しく分析できない。(p.129)

これが羽生さんの情報についての考え方なのです。

■ 物事を簡単に考えること、ベストを尽くせる環境、勉強法、モチベーション

上記では、決断する上でのリスクについての考え方や、時には捨てることの大切さに触れました。これ以外にも、興味深い言及があったので、最後にいくつか引用しておきます。

一般社会で、ごちゃごちゃ考えないということは、固定観念に縛られたり、昔からのやり方やいきさつにとらわれずに、物事を簡単に考えるということだ。(中略) 簡単に、単純に考えるということは、複雑な局面に立ち向かったり、物事を推し進めるときの合い言葉になると思う。そう考えることから可能性が広がるのは、どの世界も同じであろう。(p.24-25)

私は、年齢にかかわらず、常に、その時、その時でベストを尽くせる、そういう環境に身を置いている――それが自分の人生を豊かにする最大のポイントだと思っている。(p.123)

報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。(p.171-172)

これをすれば絶対に強くなるという方法はわからない。将棋は進化している。技術や社会もそうだろう。取り残されないためには油断は禁物だ。今はこれがいいという勉強法でも、時間とともに通じなくなる。変えていかなければならない。私は、年齢とともに勉強法を変えることは、自分を前に進めるための必須条件だと考えている。(p.190)

どの世界においても、大切なのは実力を持続することである。そのためにモチベーションを持ち続けられる。地位や肩書は、その結果としてあとについてくるものだ。逆に考えてしまうと、どこかで行き詰ったり、いつか迷路にはまり込んでしまうのではないだろうか。(p.195)



決断力 (角川oneテーマ21)
羽生 善治
角川書店
売り上げランキング: 1059




投稿日 2011/05/01

アイデアをつくるシンプルな原理と方法

「アイデアのつくり方」(ジェームス W.ヤング)という本を読みました。帯には60分で読めると書いてありますが、文庫本サイズで100ページほどで、著者自身の説明はわずか60ページ程度。早い人なら60分もかからないかもしれません。ただ、この本の内容はなかなかに深いことが書いてありました。

■アイデアをつくる原理

著者は、どんな技術を習得する場合でも大切なことが2つあると言います。第一に原理であり、第二に方法です(p.25)。これは本書の主題であるアイデアをつくり出す場合にも当てはまり、本書ではアイデア作成のための原理と方法が記されています。

それでは、アイデアをつくるための原理とは何でしょうか。著者によれば、1.アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない、2.既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい、という2点に集約されます(p.28)。要するに、アイデアは組み合わせであり、そのためには関連性を見分ける才能が重要ということです。

■アイデアをつくる方法

次に方法です。著者はアイデアの作成には一定の明確な方法に従うと言います。よって、この技術を意識して修練することでアイデアをつくり出す能力は高められるとしています。アイデア作成の方法をまとめると以下の通りです。
1.資料・データ集め
2.資料・データの咀嚼
3.問題を放棄し、心の外にほうり出してしまう
4.アイデアの誕生
5.アイデアを具体化し、展開させる

■なぜ「ステップ3」で問題を放棄するのか

あらためてこの5段階の方法を見ると、3から4に至る間になぜアイデアが生まれるのかと思ってしまうかもしれません。ここで、もう一度アイデアをつくる原理に立ち返ってみると、アイデアは既存のもの組み合わせからできるということでした。そして組み合わせがどこで発生しているかと言うと、まさに3と4の段階で起こっています。

著者によれば、アイデアが現れるのはその到来を最も期待していない時だと言います。例えばお風呂に入っている時や真夜中に目を覚ました時で、そのためステップ3において、いったん忘れろとしているのです。だから著者が薦めるのは、音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることでした。ただ、これも何のためかを考えると、自分の想像力や感情を刺激するためであり、つまりは頭の中で新しい組み合わせが起こりやい状況をつくるためなのでしょう。こう考えれば、ステップ3は組み合わせをする段階とも言えます。

■アイデアは組み合わせである

アイデアは既存の要素の組み合わせであるという著者の主張は、なるほど確かにその通りかもしれません。この視点で身の回りを考えてみると、実はいろいろなものがA+Bに要因分解できることに気づきます。

例えば世界で6億人以上のユーザーがいるFacebookですが、もともとは顔写真入りの紙の学生名鑑をオンラインで実現したという名簿+ネットという組み合わせでした。もちろん、ここまでユーザーが増加した要因は様々あり、戦略的にユーザーを増やしたこと、ユーザー増に耐えうるサーバー増築、フェイスブック上の友達の更新情報が1つに集約されるニュースフィードの公開、広告によるマネタイズなど、上記のアイデア作成の方法のステップ5である、具体化・展開で成果を出した結果なのでしょう。(このあたりは書籍「フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」に詳しく書かれています)

繰り返しになりますが、このアイデア作成の方法は意識することで能力を高められると書かれています。アイデアをつくり出すのは別に1人だけで行なうものではなく、組み合わせを複数人で実施してもいいのです。あるいは、アイデアの具体化や展開もむしろ他人の目を入れることで、より強固なアイデアになるかもしれません。

ステップ3から4の工程は、当然ながら言うほど簡単ではありません。ただ、これは今のところ人間がコンピューターに勝てる領域だと思います。コンピューターはデータの保存は得意でも、忘れることは苦手です。そして、今までにはない組み合わせを試みるのも不得手なのではないでしょうか。

「アイデアは組み合わせである」。深い内容ですね。



アイデアのつくり方
アイデアのつくり方
posted with amazlet at 11.05.01
ジェームス W.ヤング
阪急コミュニケーションズ
売り上げランキング: 617



フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック
日経BP社
売り上げランキング: 584



投稿日 2011/04/24

羽生善治の情報検索・取捨選択と梅棹忠夫の情報整理の考え方

将棋棋士である羽生善治氏は著書「大局観  自分と闘って負けない心」(角川oneテーマ21)の中で情報検索について、何かを調べようとする時にはGoogleなどの検索サイトを利用することが多いと言っています。その一方で、羽生さんは次のように書いています。「検索をかけながら、検索の世界からは逃げて行く」(p.121)

■羽生善治の情報検索と取捨選択への考え方

羽生さんは検索については非常に有効・有能なツールであると認めた上で、検索に依存してしまうと、自分の可能性を小さくしてしまうのではないかとしています。というのも、情報を取得するとともに不要なものを排除していかないと、ユニークなこと・変わったことを考えたり試したりする機会が減ってしまうことを危惧しているからです。検索と同時に、自分の頭で懸命に考えて情報の選択をすることも大事であり、このプロセスから得られる発見や気づきは検索では得られないような気がする、そんなことが書かれています。これが、冒頭で引用した検索をかけつつ、検索から逃げるという言葉の意味するところです。

羽生さんは情報について、選択肢が多ければ多いほど色々な可能性があるものの、しかしその分、迷いや選択後の後悔も多くなると言っています。ほぼ無限に存在する膨大な情報とどう向き合っていけばいいか、そのための1つが取捨選択です。自分にとって不要なものを捨てる一方で、必要な部分を残しておくことです。

そうは言っても、情報に当たった時点で本当にその情報が現時点で、あるいは将来的に必要なものかを判断するのは簡単ではありません。羽生さんでさえも、捨ててしまった棋譜(互いの対局者が行った手を順番に記入した将棋の記録)があとから必要になり、あらためて見直すことがよくあるそうで、それで良いのだと言っています。「捨ててしまった時点ではまだ自分に見る目がなく、後で必要になり理解が深まって、自分にとって本当に必要な知識となる。拾い上げた情報を基本にして新たに創造をし、情報の発信側に回れる」。個人的にこの本で印象に残っている考え方です。

■故梅棹忠夫の情報整理への考え方

思うに、後から必要になった情報をすぐに取り出せるようにしておくことが重要であり、また自分の課題です。情報整理についてのこの考え方は、書籍「知的生産の技術」(岩波新書)で以下のように書かれていたのを読んだのがきっかけでした。
----------------------------------------------------------------------
ものごとがよく整理されているとうは、みた目にはともかく、必要なものが必要なときにすぐとりだせるようになっている、ということだとおもう。(p.81)
----------------------------------------------------------------------

情報や知識はあくまで手段であり、例えば自分の意思決定や行動などの目的ありきです。目的によって、同じ情報でも重宝することもあれば、その逆に不要な場合もあります。ただ、いずれにしてもいかに必要な情報を入手するか、整理しておくか、必要な時に取り出せるようにしておくか、そして、自分の知識として活用するか。これらへの追及には完成形はないのだと思っています。自分の今のやり方もベストだとは思っておらず、インターネットやクラウドサービス、スマートフォンなどの情報端末の進化はこれからも続き、であるが故にその時々で対処の仕方も変わります。

最後に、前述の「知的生産の技術」で著者である故梅棹忠夫氏が述べていたことをそのまま引用しておきます。ちなみにこの本の初版は40年以上も前の1969年です。
----------------------------------------------------------------------
くりかえしていうが、今日は情報の時代である。社会としても、この情報の洪水にどう対処するかということについて、さまざまな対策がかんがえられつつある。個人としても、どのようなことが必要なのか、時代とともにくりかえし検討してみることが必要であろう。(p.15)
----------------------------------------------------------------------


大局観  自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)
羽生 善治
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 823


知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 2039


投稿日 2010/11/02

RSSとソーシャルフィルターはひとまず共存で

■様々なソーシャル

ソーシャルという言葉があります。個人的に感じるのは、特に今年は様々なものにソーシャルという言葉が付いたことです。これまではSNSのソーシャルくらいでしたが、ソーシャルゲーム、ソーシャルメディア、SNSなどでの人間関係を表すソーシャルグラフ、ソーシャルブックマーク、などです。

ソーシャルサーチと言う検索もあります。これは、世間の評判や意見、あるいはユーザーの趣味や嗜好を反映させた検索のことです。あるいは、ソーシャルフィルターと呼ばれるものもあります。ソーシャルフィルターとは、興味関心が似ている自分の選んだ人によって情報を選んでもらい、結果的に多種多様な情報から必要なものを手に入れることだと思っています。例えば、自分の趣味や考え方が近い人をツイッターでフォローすれば、その人からの情報は自分のアンテナにひっかかりやすい、という感じです。

■RSSの役割は終わった?

2か月くらい前だったかと思いますが、「RSSの役割は終わったのでは」という話がネットで話題になっていました。その理由として、ツイッターやSNSなどのソーシャルメディアの登場でRSSリーダを使わなくても情報を収集できる方法が出てきたためで、例えばツイッターをうまく活用すれば、自分が欲しい情報も入ってくるし、自分の興味範囲外の思わぬ情報が入ってくることもあるからです。普段ツイッターを使っているのでこの説明は理解できますし、故に、わざわざRSSリーダーを使わなくても情報が入ってくるという話だと思います。RSSがソーシャルフィルターに取ってかわる、または、ソーシャルサーチの台頭はイメージとしては、下図のようになりそうです(図1)。


本当に、ソーシャルサーチではない従来型の検索やRSSは不要なのでしょうか?個人的には、両方とも引き続き必要であると思っています。

まず、能動的な情報収集である検索ですが、確かにソーシャルサーチは場合によっては有効なツールです。自分の嗜好や趣味に合わせた検索結果が出てくる、例えば、自分の興味に合った書籍が検索結果の上位に出てくれば、その検索結果には満足できそうです。一方で、このような検索は悪く言えば、人間的なバイアスが発生します。つまり、自分の嗜好や意見に近いものばかりでは一様な検索結果となり、多様な情報に触れる機会を失ってしまうかもしれません。

■RSSとソーシャルフィルターは共存する

次に、RSSですが、確かにツイッターやFacebookをうまく活用できれば、それだけでも十分すぎるくらいの情報が手に入ることができるかもしれません。実際に先日、RSSをあえて一日使わないことを試してみましたが、大きな問題はありませんでした。しかしそれでも、RSSは現在のところ、自分にとっては不可欠なツールなのです。なにもこれはソーシャルフィルターを否定するという意味ではなく、むしろ、RSSとツイッターなどのソーシャルフィルターはお互いを補完しながら使えるツールだと考えてます。ここで、RSSとソーシャルフィルターをいくつかの項目で整理してみます(表1)。


この表を少し補足すると、RSSはブログやサイト単位で登録をする一方で、ツイッターやSNSは人というアカウントごとの登録です。Whoを登録するソーシャルフィルタ-のほうが多様な情報が入ってきます(ニュース記事以外にも、その人の行動などのつぶやき等)。またRSSはストック型の情報管理に対して、ソーシャルフィルターはフローのイメージです。

RSSを重宝している理由の1つに、RSSはサイトの文字や画像をRSS画面上で見ることができる点にあります。これがツイッターだと140文字という文字数制限とiPhoneという画面サイズの制約からどうしても、リンク先に飛ばざるをえない状況がよくあります。特に屋外ではリンク先に飛ぶという時間が意外に長く感じられ、スターをつけたりInstapaperに保管したりして、あとから読んでいます。でもRSSならその場でさくさく読めて便利です。

ソーシャルフィルターは、RSSに比べてフィルターの精度がどうしても劣るような気がしています。これは、自分のソーシャルフィルターの使い方が甘いだけなのかもしれませんが、どうしても相対的に「広く浅い」情報だというのが現在の印象です。ただ、ツイッターの「広い」情報は時として思いがけないものであり、これはこれでおもしろいと思っています。

今のところの結論としては、RSSとソーシャルフィルターは共存する、ということになります(図2)。マトリクスの4つの象限とも、自分にとっては必要な情報収集方法なのです。


今回あらためて思ったのは、ソーシャルフィルターとはまだまだ発展途上なものだということです。もちろん、もうすでに使いこなしている人も多くいると思いますが、個人的には、RSSの活用に比べ、ツイッターやSNSの利用は試行錯誤が続いているように思います。

ツイッターやFacebookは活用方法において工夫の余地が大きいと思います。また、APIにより、これまでになかったような便利なアプリやサービスが開発される可能性があります。その時は、もしかしたらRSSとソーシャルフィルターがハイブリッドされ、もっと便利な情報収集ツールになるのかもしれません。


投稿日 2010/10/30

なぜネットサーフィンは死語になったのか?

今週の前半は中国に行っていました。今回の滞在は上海のみでしたが、印象に残っていることとして、話を聞いた複数の人が「趣味はネットサーフィン」と言っていたことがあります。なぜ強く印象に残っているかと言うと、ネットサーフィンという言葉自体がここ5年くらい耳にしていなかったから。今回のエントリーでは、ネットサーフィンがなぜ死語になったかを考えることで、あらためて自分の情報収集について整理してみます。

■ネットサーフィンとは

そもそもネットサーフィンとはどのような行為なのでしょうか。いくつかのサイトを調べてみましたが、一番しっくりくる表現はWikipediaに掲載されていた次のような説明です。「ウェブページの閲覧において、各ページを、興味のおもむくまま次々に表示して閲覧していく行動を、波から波へと渡るサーフィンに見立てた造語」。ちなみに、Wikipediaには次のようにも書かれています。インターネットが普及し始めた1990年代から2000年ごろまで頻繁に使われていた。

さて、なぜネットサーフィンをしなくなったのか。ここで、この疑問を少しずらし、「なぜ自分はネットサーフィンをしていたのか」を先に考えてみます。私の場合は、ネットサーフィンが趣味とまではいかなかったものの、ネットを使い始めた頃はあるサイトを見て、そこに貼ってあったリンク先を「興味のおもむくまま」に次々と閲覧していたこともあります。当時を思い出すと、ネット自体がめずらしかったこともあり、好奇心であったり、単純におもしろかったのがその理由のように思います。

■なぜネットサーフィンをしなくなったのか

では、なぜネットサーフィンをしなくなったのか。自分の場合を考えてみると、第一の理由として、ネット検索精度の向上があります。別の言い方をすれば、ネットサーフィンよりもGoogleなどの検索エンジンを使ったほうが効率がいいということ。ネット検索精度の向上は、検索エンジンのシステム技術の向上に加え、自分の検索スキルもネットを始めた頃よりかは多少は上がっていることもあると思います。

第二にの理由として、ネットに使う時間配分のうちツイッターやRSS、あるいはこれらほどの利用頻度ではないとはいえSNSなどの存在です。あるいは、動画やオンラインでのゲームもあるかもしれません。このようなネット上のコンテンツが充実したことで、ネットサーフィンよりもおもしろい時間の使い方ができ、ネットサーフィンが不要になったのだと思います。

■ネットは目的ではなく手段

ネットサーフィンをなぜしなくなったかを考えると、そもそもとして自分の場合は、ネットの利用が目的から手段になっていることだと思います。ネットを使い始めた当初は、ネット自体がものめずらしいこともあり、ただなんとなく使っていたようにも思います。一方で、今はどうかというと、「情報収集」と「ネットでの買いもの」という2つの目的のための手段でしかないのです。ネットでの買いものも、例えば本を買う場合は広い意味では情報収集とも言えそうです。

ここで、ネットサーフィンを含め、ネット検索、RSS、ツイッターなどを下図のように分類してみます(図1)。



横軸は、能動的に情報を探しにいくか、情報が向こうからやってくるかどうか(受動)。例えばRSSやツイッターは情報が時々刻々と入ってきます。それも向こうから勝手に。一方の縦軸は、自分の欲しい情報にたどり着く精度です。つまり、効率よく情報収集できるかどうか。例えばネットサーフィンはおもしろいサイトもあればそうでない時もあり、様々な情報に行きつきます。ツイッターも同様で、雑多情報の中に自分に必要な情報もあればそうでないものもある。それに比べ、検索やRSSのほうが効率よく情報が収集できます。

ネットが情報収集のための手段と位置づけた時、情報収集をいかに効率よくするかが重要になります。上図から考えるとネットサーフィンでは非効率であり、自ら検索をしたりRSSなどを利用することで効率化を図ってきたのだと思います。

■いかに効率よく情報を集めるか

そこで、これからも考えていきたいのがどう情報収集を効率化するかです。検索スキルも十分ではないと思いますし、RSSについても登録しているサイトやRSSの使い方自体ももっとよくできそうです。

そしてSNSとツイッターです。上の図では玉石混交のセグメントに位置づけました。でももしかしたらまだ自分の活用方法が甘いだけなのかもしれません。最近感じることとして、ツイッターがRSSに近い役割を担えるような気もしますが、一方で現時点ではRSSはとても重宝しています。このあたりは、引き続きいろいろと試しながら試行錯誤が続きそうです。


※参考情報
ネットサーフィン (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3


投稿日 2010/07/31

今さら電子書籍を考える

米アマゾンは7月28日、キンドルの新機種を発表しました。同社のベゾスCEOによると、ダウンロードと読書をさらに容易にすることで、アップルのiPadとの差別化を図るという考えを示しています。興味深いのは、ツイッターやFacebookとの連携機能が加わり電子書籍にもソーシャルの流れが見えてきたことです。また、日本語を含む複数の言語が新たに追加されたようです。

今回は、少し今さら感もありますが電子書籍について考えたことを記事にしてみます。


■電子書籍の所感

このパラグラフの前提として、現在の自分の電子書籍端末は、スマートフォン(iPhone)とPCだけです。本当はiPadなどのタブレットPCやキンドルなどの電子書籍専用端末から読んだ上で述べたほうがいいのですが、今の電子書籍に対する印象は概ね以下の通りです。

(1) 速読しづらい
本を読むということだけに特化すれば、紙の本が圧倒的に優れていると思います。ケータイ小説などは別ですが、ある程度の文量になると一定時間内に読める量では紙の本に分があります。また、ページをめくるという行為が紙のほうが繰りやすいことも関係していそうです。(紙の本は三次元で読書できるのに対して、電子書籍は二次元です)

(2) 紙のほうが頭に入りやすい(理解しやすい)
これは(1)とも関わってきますが、電子書籍で読んでいると内容が頭に入ってきにくい時があると感じます。電子書籍を読むということに慣れていないだけだといいのですが、本の内容にもよりますが理解度でも紙と電子書籍で差があるように思います。

(3) 電子書籍は読むより保存に向いている
(1)(2)も合わせて考えると、電子書籍の強みは「保存」と「検索」です。紙という物質で存在するのに対して、電子書籍はデータで保存できます。故に電子書籍端末に紙では持ち歩けないほどの量を入れておくことができ、データであることで検索との相性も良い。例えば、後からあらためて読みたい箇所を探すのは、紙の本では苦労することが多い一方で、電子書籍なら検索で一発で探せるはずです。


■日経電子版モデル

さて、今年に入り日経新聞が新たに電子版を創刊しました。電子版を読むには、電子版のみを購読するか紙+電子版をセット(Wプラン)で購買するかのどちらかです。

この紙+電子版をセットで売るというビジネスモデルは書籍にもあってもいいかもしれません。というのは、上記の電子書籍の3つの所感を踏まえると、紙と電子書籍は自分の中で役割が異なるので、であれば両方買うのはありだと思うからです。役割が異なる点を少し具体的にイメージしてみると以下のようになります。
 ・ 紙の書籍:基本読むのは紙のほうで
 ・ 電子書籍:旅行など紙を持ち運びづらい場合に紙の代用として。保存用

ちなみに日経Wプランは紙の新聞購読料金に追加1000円で紙と電子版の両方なので、だいたい25%プラスでお金を支払うイメージです。日経電子版は紙の新聞にはない情報が含まれていることを考えると、例えば本の定価のプラス20%くらいの値段で紙の本+電子書籍が買えるのではれば個人的に結構魅力です。あるいは、紙の本を先に買って内容がよければ後から電子書籍を買えば、電子形態で保存しておき、紙の本は売ってもよさそうです。

(もっとも、自分で本を「自炊」するという手間をかければいいという気もしますが)


■マトリクスから考える本との関わり

ここまで考えてきた電子書籍の役割を考慮し、位置づけを整理してみました(図1)。



横軸は自分にとってのストックかフローかどうか。フローは返却したり売ったりと、常に手元にはない状況を指しています。縦軸は上質か手軽かで分けていますが、上質は自分にとって思い入れのあるものであったり、貴重な資料など。今のところ、こんな具合で本との関係ができればなと思います。

こうしてあらためて見てみると、自分が読む本という形態が電子書籍だけになるという状況は当分はなさそうな気もします。技術が発達し電子書籍端末で紙並の読み方が可能になったり、電子書籍でしかできない体験(ソーシャル機能による本を通じた今までにない「つながり」)ができるようにならない限りは。


投稿日 2010/07/25

「情報」と「情報入手媒体」を考える

前回の記事では、「新聞消滅大国アメリカ」という本から新聞やジャーナリズムについて取り上げました。今回の記事でも同じテーマをもう少し考えてみたいと思います。


■情報入手媒体という意味では新聞衰退は仕方ない

私は新聞は宅配でとっていますが、なぜ自分は新聞を買っているのかを考えてみると、(当然ですが)紙面に書いてある情報を手に入れるのが目的です。朝刊で言うと前の日の夜中までくらいの情報をその日の朝に得るためです。ただ、新聞以外にもテレビやネットを利用し情報を入手しているので、必ずしも新聞でなければいけないことはないのが正直なところです。

「新聞消滅大国アメリカ」に書かれいるように、新聞業界は縮小傾向にありこの流れはある程度は仕方ないのではないでしょうか。ただし、それは新聞という情報媒体についてであり、情報提供者である新聞記者や編集者がいなくなっていいというわけではないと思っています。

その理由は、新聞から得られる情報(ニュース記事等)は自分一人ではとても入手しきれない貴重な情報だからです。もちろん、ネット上には無料でニュース記事が多くありますが、それも元をたどると新聞記事がネットでも転用されたものだったりします。


■ジャーナリズムに期待すること

ここで、このニュースなどの情報についてあらためて考えてみると、大きくは2つに分けることができると思っています。すなわち、「事実」としての情報とその事実に基づく「分析や見解・意見」です。また、記者が情報を得る方法も例えば、「人に聞く」という取材と、「調べる」という2つを考慮すると、新聞やネットに掲載されている情報は下図のように整理できそうです(図1)。


マトリクスの各情報が今後も私たちが入手できること、これが報道やジャーナリズムにこれからも期待したいことです。


■情報入手媒体の整理から

ここまで、新聞等で掲載される情報について見てきました。情報について大事な点だと思うことにその伝達手段があります。受け手の側から言うと情報を何から得るかということ。ぱっと思うつく自分の情報入手する媒体を整理すると、以下のようなマトリクスで分けられました(図2)。なお、人から直接聞く情報や店頭などの現場からの情報は含めていません。


横軸は、ストック情報かフローかどうか。フローというのは、基本的には情報を蓄積せずに流れていくものです(もちろん、新聞や雑誌の切り抜き、ツイッターのアーカイブ、テレビの録画でストックすることはできます)。縦軸は静的な情報か動的なものかです。静的な情報の例としては文字などのテキスト情報が画像、動的な情報例は動画や音声情報も入れていいと思います。

こうして見ると、「新聞消滅大国アメリカ」の題材でもあった(紙の)新聞は、情報を入手する多くの手段の1つにすぎないことがわかります。となると、私たちにとってはこれら複数の選択肢がある状況においては、他の情報媒体と差別化された「強み」を持たなければいずれ消滅する可能性もあるのではないでしょうか。


■ずっと続く情報入手媒体の検討

私にとって紙の新聞は通勤時の情報入手媒体としては、読む・持ち運ぶという点で現時点で優れていると思っています。また、値段的にも、一日当たり120-150円ほどで、費用対効果もそれなりにあります。ただし、将来的も同じかと言われると、個人的にはやや悲観的な立場なのかもしれません。現在は値段的には決して高くはないと思っていますが、これからの技術革新による全く新しい仕組みができれば、もっと安いコストで情報が入手できることもあり得ます。そうなると、150円程度とはいえ無理に紙媒体の新聞を維持すると、無駄なコストが発生してしまいます。

「知的生産の技術」(梅棹忠夫著 岩波出版)という本には、情報にどう対処するかについて書かれた示唆に富む言葉があります。
---------------------------------------------------------------------------
くりかえしていうが、今日は情報の時代である。社会としても、この情報の洪水にどう対処するかということについて、さまざまな対策がかんがえられつつある。個人としても、どのようなことが必要なのか、時代とともにくりかえし検討してみることが必要であろう。(p.15より引用)
---------------------------------------------------------------------------

ちなみにこの本は、1969年に出版されたており当時はPCが全くPersonalな存在ではなかった時代ですが、この指摘は現在においても通じることだと思います。(紙の)新聞が自分の情報を入手する手段にとして必要なものなのかどうかを検討するのは、もしかしたらそう遠くはない将来なのかもしれません。


知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 166


新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書)
鈴木 伸元
幻冬舎
売り上げランキング: 17928


投稿日 2010/06/13

ブログとツイッターは異なるベクトルを持つ

まとめ


今回の記事のまとめです。

  • ブログとツイッターの位置づけは異なる
  • 現時点での情報発信は二次元なイメージ
  • では第三の軸は?

ブログ「投資十八番」より


投資十八番の「ブログとツイッターは競合しない(個人的に)」という記事を読みました。記事内容のポイントは以下の通りです。

  • 「ツイッターをはじめるとブログの更新頻度が落ちる」と言われるが、著者の状況は異なる
  • なぜなら、両者の目的や楽しみは別物だから
  • よって、ブログとツイッターは競合しない(個人的に)

著者の言うブログとツイッターの目的や楽しさを整理すると、下表のようになります(表1)。



この記事内容にはすごく同意で、自分でもブログとツイッターについてあらためて考えてみました。

ブログ


ツイッターを始める前からブログは書いていました。その頃は、記事にするかどうかの基準は(当たり前ですが)ブログに書きたいかどうかでした。この基準を超える気づきだったり考えたことをブログ上で文章にしていました。

ブログを書く目的は以下の通りで、これは今も変わらないものです。

  • 考えを整理するため
  • アウトプットをする場として
  • インプットの強化 (ブログネタとして)

ブログとツイッター


ツイッターの目的は、ブログとは異なるものです。

  • 情報収集として
  • 気づきの気軽な発信
  • コミュニケーション

ブログとツイッターはあくまで相互補完なものであり別物です。ブログ書きたい基準が縦軸だとしたら、ツイッターでの基準は横軸になり、両者は90度違う感じです(図1)。つまり、ブログだけの頃は情報発信欲が一次元しかなかったものが、ツイッターが加わって二次元になったイメージなのです。




このようにブログとツイッターのアップしたい気持ちのベクトルが90度異なるわけですが、もし両者の角度が0度(書きたい気持ち、目的やアップする楽しみが同じ)だった場合は、「ツイッターをはじめるとブログの更新頻度が落ちる」という状況になってしまうのかもしれません。

第三の軸


現時点では自分の情報発信性は二次元ですが、今後はどうなるのでしょうか。ブログやツイッターそれぞれと異なるものが現れるのでしょうか。

1つの可能性として、ユーストリームのような個人による動画配信があるかもしれません。ブログやツイッターはテキストが中心ですが、動画を気軽に発信できるというのは「第三の軸」候補になりそうです。しかし、個人的には今のところ動画を発信したい気持ちはあまりありませんし、おもしろ映像がつくれる・撮れるとは考えにくいです。

ブログでもツイッターでもない存在として、SNSであるFacebookがその可能性を持つような気がしています(図2)。日本ではまだまだ普及はしていませんが、世界中にユーザーがいる点やLikeボタンに興味があります。特にLikeボタンの使い方次第では、これまでにない情報共有ができそうです(詳細は長くなりそうなので省略しますが)。

Facebookはアカウントをとっただけでほとんど使ってはいませんが、情報共有・発信が三次元になるとどうなるのか。楽しみです。




※参考情報
投資十八番:「ブログとツイッターは競合しない(個人的に)」
http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/blog-entry-1107.html


最新記事

Podcast

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。