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#マーケティング #価値創出 #共創
物を使えば使うほど、その価値が下がってしまうと思っていないでしょうか?
ご紹介したい消しゴムの 「ネコゴム」 は逆なんです。ネコの形をした消しゴムが変化し愛着が増していきますが、これは消しゴムという文房具の世界の話だけではありません。マーケティングにおける新たな価値創造のヒントが隠れています。
ぜひ一緒にその秘訣を探しに行きましょう。
「ネコを育てる」 消しゴム
出典: @Press
サンスター文具の 「ネコゴム」 シリーズは、好きな形に育てられる消しゴムです。最後まで愛着を持って使いたくなる消しゴムをコンセプトにしています。
消しゴムを使い込むと、さまざまな形のネコやイヌを表現できることから好評を博しています。
ネコゴムは、第27回文房具アイデアコンテストで 「一般部門 優秀賞」 を受賞しています (参考記事) 。消しゴムを 「消費するモノ」 から 「創造するモノ」 へと価値を変える画期的なアイデアだと評価されました。
学べること
ではネコゴムから、学べることを掘り下げていきましょう。
使い続けることでの価値向上
サンスター文具の消しゴム 「ネコゴム」 で注目したいのは、従来の商品への価値観を逆転させていることです。
一般的に、物は使用されたり時間が経過するにつれて価値は下がっていくのが普通でしょう。これは経年劣化と呼ばれ、製品の性能低下や外見の損耗を伴います。
しかしネコゴムは逆です。消しゴムを使っていくと小さくなり、次第にネコがかわいらしく変化します。
ネコゴムのユニークな点は、使い続けることで形状や見た目が変化し、消費者自身の手によって唯一無二のアイテムへと成長することにあります。
使い込むほどに利用者の愛着が増し、商品としての価値を高めていきます。一般的な概念に反する特徴を持っているわけです。
消費者が消しゴムのことを 「単なる文具」 としてではなく、「変化や成長を楽しむ対象」 として捉えるようになることでしょう。商品に対する消費者の感情的な結びつきを深め、長期的な利用につながることが期待できます。
感情的価値の創造
マーケティングの観点から見ると、ネコゴムという消しゴムは 「感情的価値」 を提供しています。
消費者は、ネコゴムが持つ消しゴムとしての機能的な価値だけでなく、ネコゴムを使うことによって生まれる体験や感情に価値を見出すことでしょう。ネコゴムは単に鉛筆で書いた文字を消す機能を超えて、利用者に 「育成の楽しさ」 や、もっと言えば 「創造の喜び」 を提供することで、感情的価値を生み出すわけです。
消費者参加型の価値共創
ネコゴムは、消費者参加型の価値創造と見ることもできます。
利用者がネコゴムを使う過程で自らの手でネコの形を変え、自分の好きなように個性を加えることで、ネコゴムは消しゴムという物体から 「物語を持つアイテム」 へと意味合いが変化します。
ネコゴムに対して能動的に関わり、より深い関係性を築くことにつながります。
新しい使い方からの新しい価値観と市場ニーズの創出
ネコゴムという存在は、マーケティングにおける 「感情的価値の創造」 と 「消費者参加型の価値共創」 の重要性を示しています。
商品の物理的な特性を超えて、お客さんの体験や感情にまで焦点を当てることで、商品とお客さんとの間に絆を育んでいくのです。
事例からの抽象度を上げると、従来あったカテゴリーや商品への使い方を変え、お客さんからの価値観の変化に影響を及ぼすことで、新しい市場ニーズをつくったということです。
まとめ
今回はサンスター文具の消しゴム 「ネコゴム」 を取り上げ、学べることを見てきました。
最後にポイントをまとめておきます。
- ネコゴムは使い続けるとネコの形状が変わり、利用者の愛着を増していく。一般的にはモノは経年劣化が起こるが、ネコゴムは使うほど価値が高まる
- ネコゴムは消しゴムとしての機能的価値だけではなく、育成の楽しさや創造の喜び、自分だけのネコへの親しみが増すなどの感情的価値をもたらす
- お客さんが直接関与することで、商品は 「物語を持つアイテム」 という存在になる。従来あったカテゴリーや商品への使い方を変え、お客さんからの価値観の変化に影響を及ぼすことで、新しい市場ニーズの創出につながる
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