今回はマーケティングについてです。
✓ この記事でわかること
- ニーズの背後まで解像度高く理解しよう
- ジョブ
- 顧客の不
- 顧客インサイト
この記事で書いているのは、人のニーズの背後にあるものは何かです。ニーズの裏を3つに分解して掘り下げる方法をご紹介しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
ニーズの背後にあるもの
マーケティングでは顧客のニーズを理解することが大事です。
とはいえ一口にニーズと言っても様々です。私が大切にしたいことは、ニーズは何から生まれてきているのかの背後までの理解です。
ニーズは何から生まれているを分解すると、次の3つになります。
✓ ニーズの背後にあるもの
- ジョブ
- 顧客の不
- 顧客インサイト
ではそれぞれについて順番にご説明しますね。
[ニーズの背後 1] ジョブ
1つ目はジョブです。
マーケティングにはジョブ理論があります。もともとの英語では 「Jobs to be done」 で、日本語にすれば 「片付けたい用事」 「済ませたい仕事」 です。
用事とは何かを、マーケティングで有名な例えから見てみましょう。
マーケティングには 「お客が欲しいのは 1/4 インチのドリルではなく、1/4 インチの穴である」 という言い方があります。
ここでの 1/4 の穴をあけることがジョブです。ジョブ理論で特徴的なのは、穴をあけるために 「ドリルを雇用する」 と表現します。
ジョブ理論が教えてくれるのは、お客が買ったもの (売り手にとっては売り物) は、あくまでお客にとっての手段であるということです。ニーズの背後を見るために、その手段 (商品やサービス) は何のためかという目的の見極めが大事です。
[ニーズの背後 2] 顧客の不
ここで言う不とは、不満, 不便, 不都合, 不安, 不快感などの総称で、顧客にとって望ましくない状態です。
相手が認識できている不もあれば、今までは意識していなかったがより便利な体験を一度するともう戻れない不もあります。後者は例えば、インターネットやスマホです。最近だとキャッシュレス決済があります。私個人の例では Bluetooth イヤホンです。
これらが登場して使うまでは、それまでは従来の体験に不を感じていませんでした。しかし一度便利さを経験すると戻れません。
不が根深いほど、解消された時のインパクトは大きいです。マーケティングの文脈で意識するといいのは、顧客の不は 「お金を払ってでも解決したいことか」 です。あればいいという Nice to have ではなく、Must で求められることです。
[ニーズの背後 3] 顧客インサイト
人のニーズの背後にある3つ目は顧客インサイトです。ジョブや顧客の不に比べて最も潜在的で奥にあります。
顧客インサイトとは一言で表現すれば 「顧客を動かす隠れた気持ち」 です。普段は本人は意識していません (= 隠れている) 、しかしそうだと気付かされれば行動につながる気持ちです (= 動かす) 。行動とは買う、使う、来店する、指名する、です。
では顧客インサイトの具体例を考えてみましょう。
顧客インサイトの例
例えば仕事で疲れていてもう何もしたくないと思う状況だとします。何もできないと思っているほど、つい次のようなことをやってしまうということはないでしょうか?
例えば、無意識にスマホの SNS を見てしまう、甘いお菓子を食べてしまう、無性に買いものをしたくなります。
これらの行動の奥にある気持ちは、次のようなものです。
✓ 行動につながる奥にある気持ち (顧客インサイト)
- 仕事での人間関係のストレスにつかれ、自分への承認欲求を得たい ( → SNS)
- 自分へのご褒美を与え自分をほめたい ( → お菓子)
- 仕事では目標未達なので別のことで達成感は得たい ( → 買いもの)
ニーズの背後にはどんな顧客インサイトがあるかは、ぜひ意識して考えてみるといいです。
まとめ
今回はマーケティングについてでした。
ニーズを解像度高く理解するために、ニーズの背後にある 「ジョブ」 「顧客の不」 「顧客インサイト」 を掘り下げました。
最後に記事のまとめです。
ニーズの背後にあるもの
- ジョブ
- 顧客の不
- 顧客インサイト
[ニーズの背後 1] ジョブ
- 片付けたい用事, 済ませたい仕事
- お客が買ったもの (売り手にとっては売り物) は、あくまでお客にとっての手段
- ニーズの背後を見るために、手段 (商品やサービス) 何の目的のためかの見極めが大事
[ニーズの背後 2] 顧客の不
- 不満, 不便, 不都合, 不安, 不快感などの顧客にとって望ましくない状態
- 不が根深いほど、解消された時のインパクトは大きい
- 顧客の不は 「お金を払ってでも解決したいことか」 を見る
[ニーズの背後 3] 顧客インサイト
- 顧客インサイトとは顧客を動かす隠れた気持ち。普段は本人は意識していないが、しかしそうだと気付かされれば行動につながる奥にある感情
- 行動とは買う, 使う, 来店する, 指名する
- ニーズの背後にはどんな顧客インサイトがあるかを意識するといい