投稿日 2021/03/03

小さく始める重要性と、Google 時代の 20% ルールでの思い出



今回は 「小さく始める」 についてです。


この記事でわかること


  • 小さく始めることの重要性
  • Google での 20% ルールからの事例
  • 小さく始めて学んだこと


この記事で書いているのは 「Think big, start small」 の後者の 「小さく始める」 についてです。

小さく始めることの重要性と、具体的な事例を Google 時代のエピソードも入れながらご紹介しています

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。


小さく始める


まずはじめに、小さく始めることの意味合いを考えてみます。

小さく始めることの意味は、早めに失敗ができ、学びを得て、長い目で見たときの成功確率を高められます

最初から大きく始めると成功した時のインパクトは大きいですが、失敗した時のダメージも大きくなります。ハイリスクハイリターンです。

大きく始めるよりも、ステップバイステップで小さな失敗と小さな成功を積み重ねていきます。

* * *

では、小さく始める例を Google 時代の 20% ルールからご紹介します。


Google の 20% ルール


20% ルールは Google の文化ようなものです。

自分の仕事の 20% までは本業に関係ない社内のことに取り組んでよく、Google では多くの人が普通に実践していました。私もその1人でした。

ちなみに余談ですが、20% ルールはもともとは本業を 80% に抑えて、残り 20% を別のことに使うという考え方でした。しかし現実は本業は 100% のままで、さらに 20% が増えて 120% ルールのようになっていました。

ただし自分が好きで 20% をやっているので、私自身も当時は全く苦にならず、むしろ取り組んでいた 20% が本業に良い影響を与えていました。

では私が Google にいた当時に 20% ルールでやっていたあるプロジェクトを、「小さく始める」 の事例としてご紹介しますね。


参加していた新規事業開発プロジェクト


私が 20% ルールの1つでやっていたのは、ある BtoC サービス開発のプロジェクトでした。

小規模のコミュニティをつくり、コミュニティ内でのサービス提供を新規で立ち上げようとしていました。

開発の中心メンバーは Google のアメリカ本社 (シリコンバレーのマウンテンビュー) にいて、日本からは私1人でした。私が所属していたマーケティング部とは無関係で、この新規事業開発から何か評価されるわけではありませんでしたが、ワクワクして心から熱中しながらプロジェクトを進めていました。


小さく始める開発プロセス


このプロジェクトは今思い返せば、「小さく始める」 をやっていました。

BtoC サービスでゆくゆくはアプリ提供を考えていましたが、最初からいきなりアプリ開発はしませんでした。やろうと思えば優秀なエンジニアはまわりにいたので開発はできましたが、あえてしなかったです。

一番最初にやったのは、サービスコンセプトがターゲットユーザーにとって魅力的かどうかの検証です。直接インタビューをしたりアンケートから、ユーザーの課題や自分たちのアイデアがどう受け止められるかを確認しました。

この時につくったのは、コンセプトやサービスイメージをまとめたスライドだけです。


既存サービスでのユーザー体験の再現


次にやったのは、既存のサービスを使ってのコミュニティ構築です。

ここでもまだ独自アプリは開発せずに、ありものでサービスとユーザー体験を再現し、テストを繰り返しました

ありもののサービスとは Slack や Facebook メッセンジャーです。既存サービスで小規模のコミュニティをつくってテスト協力者に試してもらいました。

ポイントとして見ていたのは、ユーザーの行動です。特にコミュニティに入ってくれたユーザーがその後も継続して使い続けてくれるかに着目していました


小さく始めて学んだこと


サービス開発を小さく始めて進め、学びが多く得られました。

学びの中から 「小規模コミュニティの運用」 をご紹介します。ここで言っている小規模とは10人未満のコミュニティです。


小規模コミュニティ運用への学び
  • 心理的安全性。気軽に発言しやすい雰囲気をつくる
  • 変化のバランス。一度に大きくは変えないが、いつもちょっとした変化を感じられる
  • ゲストから 「中の人」 へ。参加ユーザーが自らアクションをし、一緒にコミュニティ運営をしてくれるユーザーを増やす
  • 最初の 「Wow 体験」 を提供する


4つ目の 「Wow 体験」 の補足です。

Wow 体験とは、コミュニティに参加し最初に起こるうれしい出来事です。次からも使い続けたくなる仕掛けを用意すると、ユーザーの継続率が高まります。


まとめ


今回は小さく始めるについてでした。

小さく始めることの重要性と、Google 時代の 20% ルールを具体例にご紹介しました。

最後に記事のまとめです。


小さく始めることの重要性
  • 早めに失敗ができ、学びを得て、長い目で見たときの成功確率を高められる
  • 大きく始めるよりも、ステップバイステップで小さな失敗と小さな成功を積み重ねていく


Google での 20% ルールからの 「小さく始める」 例
  • BtoC サービス開発のプロジェクト。小規模のコミュニティをつくってのサービス提供
  • アプリ提供を考えていたが、最初からアプリ開発はしなかった
  • まず最初にコンセプトがターゲットユーザーにとって魅力的かをインタビューやアンケートから検証
  • 次に既存のサービス (Slack, Facebook メッセンジャー) を使ってのコミュニティ構築とユーザー体験の再現。行動に着目し継続して使い続けてくれるかの検証


小さく始めて学んだこと (小規模コミュニティ運用)
  • 心理的安全性の構築
  • いつもちょっとした変化がある
  • ゲストから 「中の人」 へ
  • 最初の 「Wow 体験」 の提供


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。