投稿日 2024/12/24

知るだけで終わらせない!マーケティングリサーチを事業成長に直結させる5つの方法

#マーケティング #マーケティングリサーチ

マーケティングリサーチ、あなたの会社では本当に活かせていますか?もしかすると、調査結果を得た段階で満足し、具体的な次の活用や施策に落とし込めていないのが現状かもしれません。

では、どうすればマーケティングリサーチを戦略的な武器として活かせるのでしょうか?

今回は、マーケティングリサーチをビジネスの成功に導くための5つのポイントを解説します。

マーケティングリサーチ活用の現状


マーケティングリサーチは、企業の意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たべき存在です。しかし、多くの企業がその価値を十分に活用できていないのが現状ではないでしょうか。

というのも、少なくない企業において、マーケティングリサーチの結果について 「知ってよかった」 という状態で終わってしまい、具体的なマーケティング施策や事業戦略に反映されないという問題があるからです。

また、調査部門とマーケティング部門の連携不足により、調査結果が適切に解釈されず、ビジネスの文脈に沿った活用がなされないケースもあることでしょう。

こうした状況では、調査にかけたコストや時間が無駄になります。市場への洞察や顧客理解にもとづいた意思決定につながらないのです。

では、マーケティングリサーチを情報収集をして終わりにせず、ビジネスの成功に結びつけるために戦略的に活用するには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか?

マーケティングリサーチをビジネスに活用するために


マーケティングリサーチをビジネスへの成功に貢献するツールとして活かすためには、以下の5つが大事です。

  • 目的を明確にした調査設計
  • 調査部門とマーケティング部門の連携
  • KPI / KGI との連携強化
  • 調査結果の各部門での活用
  • 継続的な学習と改善


では順番に見ていきましょう。

目的を明確にした調査設計

マーケティングリサーチでは、そもそも何のために調査を行うかの目的の明確化が重要です。

得られるであろう調査結果をどのように活用するかを考え、具体的なマーケティング施策や戦略的な意思決定に結びつけることを前提に調査を設計します。

例えば、新製品開発のための市場調査を行う場合、生活者の嗜好を探るだけでなく、製品特性、価格設定、販売チャネルなど、実際の商品化に必要な情報から逆算して調査内容を設計します。

調査の企画段階、調査を走らせている時も、「この調査がどのような意思決定や次の施策に活用されるか」 を常に問いかけることで、目的からブレない調査になります。

調査部門とマーケティング部門の連携

マーケティングリサーチに関係する部署、たとえば調査部門とマーケティング部門、他には営業部などが密に連携することで、効果的なマーケティングリサーチになります。

マーケティング部は事業やプロダクトのマーケティングの全体統括を担う立場にあり、マーケティング課題や知見を調査設計に反映させる役割を担います。一方の調査部門は、専門的な調査手法やデータ分析のスキルを持っています。

2つの部門が協力することで、マーケティングの課題から落とし込まれた調査を設計でき、得られた結果から洞察を得て、実践的な施策に落とし込むことができます。協働を通じて、両部門の知見を融合させることが重要です。

KPI / KGI との連携強化

マーケティングリサーチの結果を、ビジネスやマーケティングの KPI (重要業績評価指標) 、さらには KGI (重要目標達成指標) と紐付けることが大事です。

例えば、顧客満足度調査の結果を、売上や粗利の目標値にどう影響するかを関連付け、具体的な改善施策を立案します。

調査が企業の事業目標達成に直接貢献することがわかれば、経営層の支持も得やすくなります。また、調査設計の段階から KPI / KGI を意識しておくことで、ビジネスインパクトのある調査を実施することができます。

調査結果の活用 (多部門での活用) 

調査結果を最大限に活用するためには、マーケティング部門だけでなく、商品開発、営業、広報など、様々な部門で調査結果や示唆を活用できるかがポイントです。

そのためには、調査の企画段階から各部門の関係者を巻き込み、それぞれの視点や部門課題を調査設計に反映させることが効果的です。

また、調査結果の共有では、各部門の課題文脈に合わせて具体的なアクションプランを策定できるよう調査実施側がサポートするといいでしょう。例えば、顧客満足度調査の結果から、商品開発部門は製品改良のヒントを、営業部門は流通やショッパーへのアプローチの改善策を見出すというふうにです。

継続的な学習と改善

マーケティングリサーチの効果を最大化するためには、一回の調査で終わらせるのではなく、継続的な学習と改善のサイクルを確立することも大切です。また、市場環境や顧客ニーズの変化に応じて、調査内容や頻度を柔軟に調整することも必要になります。

定期的に調査プロセスを評価し、改善策を議論することで、マーケティングリサーチの質と活用度をさらに向上させることができます。

リサーチを活用しアクションにつなげる

ここまで見てきた5つのアプローチを統合的に実践することで、マーケティングリサーチを情報収集で終わらせず、リサーチはビジネスの成功を導く戦略的な活動へと進化します。

市場と顧客を深く理解し、得られた洞察にもとづいて迅速かつ的確な意思決定を行うことができれば、ビジネスの競争優位の構築と持続可能な成長に貢献できるリサーチになります。

マーケティングリサーチの価値は、リサーチからの情報をいかにビジネスへの "意思決定" と "アクション" に変換できるかにあります。組織全体でこの認識を共有し、調査の実施と活用、改善に継続的に取り組むことで、マーケティングリサーチは本来の役割を果たせるのです。

まとめ


今回はマーケティングリサーチについてでした。

最後にポイントをまとめておきます。

✓ マーケティングリサーチをビジネスに活用するために
  • 目的を明確にした調査設計
  • 調査部門とマーケティング部門の連携
  • KPI / KGI との連携強化
  • 調査結果の各部門での活用
  • 継続的な学習と改善


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。