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2018/09/23

書評: 破壊 - 新旧激突時代を生き抜く生存戦略 (葉村真樹) 。勝者と敗者を分ける三原則から考える変化への適応


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破壊 - 新旧激突時代を生き抜く生存戦略 という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • 人類史の3つの技術進化
  • 勝者と敗者を分ける三原則、思ったこと

2016/12/25

エネルギー視点で見る現代社会と人類史がおもしろい


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エネルギー論争の盲点 - 天然ガスと分散化が日本を救う という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の趣旨
  • 現代社会とエネルギー、人類史とエネルギー
  • 技術革新の本質、エネルギーの本質

2016/05/21

電力の小売全面自由化 (2016年4月) で、東京電力から LOOOP でんきに契約変更




2016年4月、電力の小売全面自由化が開始されました。


東京電力 → LOOOP でんきに契約変更


これまでは家庭向けの電気は、各地域の電力会社 (関東なら東京電力) が販売していました。自由化され、他の会社からも買えるようになります。

家の電気契約を変えました。東京電力から 「LOOOP でんき」 にしました。今回のエントリーでは、電気の契約変更プロセスをご紹介し、電力の小売自由化を考えてみます。

2016/03/09

書評: エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)




エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く という本がおもしろかったので、ご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の何がおもしろかったか
  • 示される未来をいくつかご紹介
  • エクサスケールのコンピュータの貢献

2015/01/31

書評: 原発ホワイトアウト (若杉冽)




小説 原発ホワイトアウト をご紹介します。



霞ヶ関の現役官僚による内部告発小説として話題になり、2013年のベストセラーの1つです。

ストーリーの舞台は、2012年12月に行われた衆議院選挙後の日本です。原発再稼働か脱原発かで国民が二分する中、電力業界・経済界・政界が三位一体となり、虎視眈々と再稼働に向けて暗躍する様が描かれています。

内部告発小説と言われたのは、著者が現役のキャリア官僚であること (本名や詳細は伏せています) 、さらには内容が関係者しか知り得ないようなものでリアルに見えることです。

2013/01/19

シェール革命から考える人類とエネルギー

変化の激しい世の中です。画期的な技術や仕組みで○○革命と呼ばれることも多いですよね。いろんな革命と表現される中で、個人的に注目しているのが「シェール革命」です。

■シェール革命とは

まずは、そもそものシェール革命とは何かについて。エネルギーの世界の話で、シェールにはシェールガスとシェールオイルの2つがあります。地下深くにあるシェール(頁岩)の隙間に存在する天然ガスがシェールガス、石油がシェールオイルのことです。

何が画期的なのかと言うと、シェール層の岩盤を破砕しガスや石油を取り出す技術がアメリカで開発されたことで、採掘不可能とされた大量の天然ガスや石油が現実的なコストで新たに採掘できるようになったことです。

世界の約4割のシェールガスはアメリカにあるとされており、アメリカはシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固め、発掘から精製までの全ての工法を確立しています。現在はアメリカは石油も天然ガスも輸入国ですが、石油は2030年代に、天然ガスは10年代後半~20年代には輸出国になると言われています。

■シェール革命の影響

シェール革命に注目している理由は、一言で言えば世界のパワーバランスを変える可能性を持っているからです。

最も大きな変化はアメリカの中東産油国依存が下がること。これにより、アメリカの世界戦略に変化が起こります。歴史的にアメリカは中東には多大なコストをかけて安定化を図ってきました。例えばサウジアラビアが典型で、現在のサウジはアメリカの支援を受けたサウード(サウド)家が建国した絶対王政国家です。支援する理由は石油というアメリカの自国の利益を確保するため。

ところが、シェール革命により自国で天然ガスや石油エネルギーがまかなえるとなると、中東に依存する必要はなくなります。これまでアメリカは「世界の警察官」として指導的な役割を担ってきました。その背景の1つにあったのがエネルギー戦略。米国の中東の戦略的な位置づけが変わる影響は大きいと思います。

産油国である中東諸国にしてみると、最大の顧客であったアメリカが離れていってしまうことになります。結果、原油の輸出先は中国などにシフトします。そうなると、中東諸国への中国の影響が大きくなり、原油を運ぶコースであるシーレーンの防衛にも中国は力をより入れるようになっていく。

シェール革命の影響はロシアにも及びます。ロシアは今までは豊富な天然ガスを輸出することで経済を支えていましたが、アメリカのシェールガスによりロシアの優位性はなくなってしまう。豊富な資源を経済成長の原動力にしてきたロシアは危機感を募らせているのです。

■現代社会とエネルギー

今回のシェール革命の話であらためて思うのが、エネルギーの重要性だったり影響の大きさです。エネルギーって、普段の私たちにとっては空気のようなあって当たり前の存在です。スイッチを入れれば電気はつくし、元栓をひねればガスが出てくる。ガソリンで動く自動車が走り、電気で走る電車で移動も簡単にできます。

現代人の生活はあらゆるモノに囲まれています。食品、衣服、家・建築物、紙、ガラス、化学・薬品、道路・鉄道、車・船舶などのありとあらゆるもの。これらの生産や輸送のために膨大なエネルギーが使われています。日本の場合、モノの生産に全エネルギー消費の約半分が、輸送や配送も含めると全エネルギー消費の3分の2だそうです。参考:書籍「エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う」(石井彰 NHK出版新書)

現代文明の特徴として、①都市部への人口集中と、②それを支える高度に組織化された社会システムです。都市部に人口が集中するので、人々に必要な食料を都市部だけでつくりまかなうことはほぼ不可能です。そこで、都市の外部で食料が生産され日々運ばれてくる。生活に必要な資源供給も同様です。上下水道や道路網など私たちが当たり前に使っている社会システムを維持するためにもエネルギーが使われます。

都市部への人口集中とそれを可能にするこうした高度な社会システムを支えているのがエネルギーです。私たちの生活は大量のエネルギーを消費することが前提で成り立っています。安くて安定した大量のエネルギー供給がなければ、私たちの暮らしは一日たりとも維持できないくらいエネルギーに依存しているのです。

■人類とエネルギー

人間も含め動物は、1つの個体が1個体分のエネルギーを獲得/維持することができて、初めてその動物は長期での生存が可能になります。「必要エネルギー=獲得エネルギー」と均等になっている状態。もし「必要エネルギー>獲得エネルギー」という不足が続けば個体数が減りやがては絶滅、「必要エネルギー<獲得エネルギー」の余裕があれば個体数は増加します。

人類の歴史を振り返ると、狩猟⇒定住農耕の変化によって、1人当たり食料エネルギー生産が向上しました。それまでの狩猟生活では1人あたり1人分の食料エネルギー獲得だったために長らく人口は定常状態にあったのが、農業が導入され安定的に食料が獲得でき、1人で1人分以上の食料が得られるようになったのです。

これは何を意味するかと言うと、全員が農業をやらなくても人類は生きていけるようになったということ。農業に従事しない余剰人口が生まれたのです。支配者はこの余った労働力を活かし、例えばピラミッドとかの建設に当てたり灌漑などの土木工事に活かすようになります。

その後の産業革命によりこの流れは加速しました。より効率のよい石炭というエネルギーが大量に使えるようになり、余剰人口がますます増え、それが新たな財やサービスを生むという好循環。これが世界規模で起こった結果、現代の高度な文明に発展したのです。土台となっているのが、エネルギーの大量消費化と効率利用の追及です。

人類の発展は、エネルギーの大量消費化と効率利用の追及の歴史でもあります。

エネルギーの大量消費化について。人類史において、文明化の段階は大きくは農業開始、産業革命、現在の情報革命です(このあたりの話は「情報社会のいま ―あたらしい智民たちへ」という本がおもしろかったです)。エネルギー消費で見ると、農業社会に比べ産業革命により3~4倍に増加、さらに産業革命開始時と現在では、エネルギー消費は40倍に増えているのだそうです。(もちろん、この間に人口も増えているので当然社会全体でのエネルギー消費は増えるわけですが、一人当たりエネルギー消費で見ても4倍と増加している)

エネルギーの高効率化について。産業革命前はエネルギー源の主流は薪炭でした。産業革命で石炭が使われるようになり、その後はより効率のよい石油にエネルギー源に移り変わります。エネルギーの効率さを比較するために使われる「エネルギー算出/投入比率」という指標(1単位のエネルギーを取り出すのに何単位のエネルギーが必要になるかという比率)。産業革命以前の主流エネルギー源だった薪炭ではこの比率が2~3倍だったものが、石炭で40~50倍まで効率がよくなりました。石油では中東などの巨大油田ではなんと100~200倍ともなるようです。

参考:書籍「エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う」(石井彰 NHK出版新書)



人類はエネルギーをうまく利用することで、多様な食料の安定確保、衛生状態の劇的な改善、衣料や暖房による生活レベルの向上、医療技術/制度の発展、等々で、乳幼児の死亡比率低下、長寿化が実現され、産業革命以降で人口は爆発的に増えました。


 出典:国連人口基金東京事務所・改
 図引用:DIPROニュース

★  ★  ★

シェール革命は、100年や200年に1回あるかないかの革命とも言われています。あれだけグリーンニューディールを叫んでいたオバマ大統領。ここ最近あまり聞かなくなったのはシェールガス/オイルが背景にあります。

シェール革命はアメリカ発の出来事ですが、エネルギーの話は世界中でつながっているのでグローバルで影響します。中東、中国/ロシアなどの新興国、アフリカ諸国、ヨーロッパ、もちろん、エネルギーの大半を輸入に頼っている日本も例外ではありません。

日本では「エネルギー問題=原発をどうするか」にフォーカスされがちです。本来は、エネルギー源の組み合わせの見直し、供給源の安定確保、二酸化炭素削減の環境問題としての側面、発送電のネットワークをどうするか、などの視点に加え、世界ではどんなエネルギー潮流が起こっているかも注目しておきたいと思っています。


※参考情報

シェールガス|Wikipedia
2013年、シェールガス革命で世界は激変する|東洋経済オンライン
エネルギー大変革 ~岐路に立つ日本の資源戦略~|NHKクローズアップ現代
シェール革命とはいうけれど|Newsweek斜め読み(池上彰)
米政府、天然ガス純輸出国となる予想時期を前倒しへ=EIA高官|ロイター




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2011/10/01

目から鱗だったエネルギーの本質

ここ最近読んだものに、「エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う」(石井彰 NHK出版新書)という本があります。この本の趣旨は、3.11の東日本大震災以降に見られる「原発vs再生可能エネルギー」という議論は不毛であり、今後のエネルギー供給の安定性と二酸化炭素削減を両立するのは天然ガスの活用と資源分散型のスマートエネルギーネットワークをいかに確立するか、というものです。

全体的に読み応えのある内容だったのですが、特におもしろかったのが「そもそもエネルギーとは何か」という根源的な部分の話でした。エネルギーが現代社会に果たしている役割や人類の歴史との関係など、エネルギーに関して本質的な論点が取り上げられており、ここがあらためて考えさせられる内容でした。目から鱗な話だったので、今回のエントリーでは本書で書かれていた内容を中心に書いています。

■現代社会とエネルギー

本書の内容は「なぜエネルギーが重要なのか」という問いから始まります。これに対して筆者は次のように説明します。エネルギー供給、特に安くて安定した大量のエネルギー供給がなければ私たちが暮らす現代文明は一日たりとも維持できない。

どういうことかと言うと、現代人の生活はあらゆるモノに囲まれていますが、これらを生産あるいは輸送のために膨大なエネルギーが使われています。ここでいうモノとは食品、衣服、家・建築物、紙、ガラス、化学・薬品、道路・鉄道、車・船舶などのありとあらゆるものですが、本書によると、日本の場合、モノの生産に全エネルギー消費の約半分が、輸送や配送も含めると全エネルギー消費の3分の2という量となるようです。

もう少し現代文明について考えてみます。現代文明の特徴として、都市部への人口集中と高度に組織化された産業システムの2つあると筆者は言います。都市部に人口が集中することで、例えば私たちが口にする食料を都市部だけでつくりまかなうことはほぼ不可能です。生活に必要な資源も同様です。だからどう対応しているかと言うと、都市の外部で食料が生産され、日々運ばれてきています。上下水道や道路網など私たちが当たり前に使っている社会システムを維持するためにもエネルギーが消費される。都市部への人口集中とそれを可能にするこうした高度な産業システムを支えているのがエネルギーなのです。私たちの生活は大量のエネルギーを消費することが前提で成り立っているわけです。

■人類の歴史とエネルギー

本書では、人類の歴史という観点からエネルギーの説明も書かれていました。筆者は文明化とはエネルギーの多消費化であり、かつエネルギー源の高効率化であると言います。

まずは多消費化から。人類史において、文明化の段階はいくつかありますが、大きくは農業開始、産業革命、現在の情報革命です(このあたりの話は「情報社会のいま ―あたらしい智民たちへ」という本がおもしろかったです)。エネルギー消費で見ると、農業社会に比べ産業革命により3~4倍に増加、さらに産業革命開始時と現在では、エネルギー消費は40倍に増えているのだそうです。(もちろん、この間に人口も増えているので当然社会全体でのエネルギー消費は増えるわけですが、一人当たりエネルギー消費で見ても4倍と増加している)

エネルギーの高効率化について。産業革命前はエネルギー源の主流は薪炭でした。それが、産業革命で石炭が使われるようになり、その後はより効率のよい石油というエネルギー源に移り変わります。本書では、エネルギーの効率さを比較するために「エネルギー算出/投入比率」という指標が用いられています。これは、1単位のエネルギーを取り出す(算出)のに、何単位のエネルギーが必要になるか(投入)という比率です。例えば産業革命以前の主流エネルギー源だった薪炭ではこの比率が2~3倍だったものが、石炭で40~50倍まで効率がよくなります。つまり、1単位の石炭があれば、40~50単位の石炭が取れるということです。これの比率が石油では中東などの巨大油田ではなんと100~200倍ともなるようです。2010年にメキシコ湾で石油会社BPが原油を海に流出させてしまう事故が起こりましたが、これは見方を変えればBPが流出を止めたくても、油田から自ら勝手に噴出してしまうくらいの算出効率の良さであるがために起こったものでした(という記述が本書にありあらためてその算出効率の良さを実感させてくれました)。ちなみに、太陽光のエネルギー算出/投下比率は10倍、風力は15倍程度と説明されています。

■ストックなエネルギーとフローなエネルギー

本書では、以上のようなそもそもエネルギーとは何かという話が、人類の歴史と絡めてあらためて説明されています。それを踏まえ、今後のエネルギー政策をどうするかという論点に移っていきます。このあたりを理解すると、「原発or再生可能エネルギー」という二元論では、私たちの社会を支えているエネルギーの全体像を捉えていないことに気づかされます。つまり考えるべきは原発でも再生可能エネルギーでもない化石エネルギー源の有効活用です。もちろん、長期的には化石エネルギーという過去の地球の資産とも言えるエネルギーの比率を下げ、再生可能なエネルギーでまかなっていくような姿が望ましいでしょう。ただ、現時点で再生可能エネルギーが主流になるのは非現実的であり、原発分の代替にもなり得ません。

現代文明は、前述のように高度に組織化され都市部に人口が集中するという社会システムで、維持するために大量の高効率なエネルギーを投入しています。主流なエネルギー源は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料で、これは太古の昔から現在にわたって蓄積され濃縮された、いわば貯金のようなストック的なエネルギーです。これに対して水力、バイオ、太陽光・熱、風力などのエネルギーは毎月の収入のようなフローなエネルギーです。貯金に頼らず毎月の収入エネルギーだけで暮らしていた産業革命前と、毎月収入と貯金までも使って築き上げた現代社会。私たちが享受している生活は身分相応以上の贅沢な生活と言えます。しかしだからと言ってもはや産業革命以前の生活に戻れるわけはなく、であるが故に考えるべきは今の主流である化石エネルギーをいかに効率よく使うか(エネルギー供給側での省エネ)、安定的に供給が継続できるような発送電の仕組みのはずです(一方で環境に負荷をかけないという視点も必要)。本書を読むことで、そんなことをあらためて気づかされたように思います。






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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。