2013/02/24

若々しい脳を取り戻す「プロジェクトマネジメント思考」のススメ

「脳が冴える15の習慣」という本の帯には次のように書かれています。

「ぼんやり頭をスッキリ晴らす!仕事ができる脳、若々しい脳を取り戻す生活改善マニュアル」

この本は集中力・思考力・記憶力を高めるために、日常生活でちょっとした意識を変えることを提案してくれる内容です。

15の習慣とあり、どれも肩に力の入っていないのが特徴です。例えば、まずは生活のリズムを整える、朝はいつも一定の時間に起きる、などの生活の原点をつくる生活改善です。

■ プロジェクトマネジメントで大切にしていること

本書のあとがきに、印象的だった言葉があります。

2013/02/23

良い文章を書くために心がけたい「自分視点」と「相手視点」の両立

ここ最近続けて読んだ本が「エッセイ脳―800字から始まる文章読本」「レポートの組み立て方」でした。

それぞれ、エッセイとレポートをどう書けばよいかについて書かれた本です。文章そのものをどう書けばよいかのヒントがたくさんあり、エッセーやレポート以外にも応用ができる示唆に富む2冊でした。

「レポートの組み立て方」は書かれたのが1990年です。20年以上経った今でも通用する内容で、考え方や文章の工夫の仕方など、得るものも多かったです。

■「エッセイ脳」の主題

「エッセイ脳」で最も印象に残った内容が、著者の考えるエッセイの基本要件でした。

  • 「自分の書きたいこと」を、
  • 「他者が読みたくなるように」書く

当たり前のような内容ですが、あらためて考えさせられる内容でした。実際に2つを成立させるのは簡単ではありません。特に後者、読み手が読みたくなる内容を書くことです。

著者によれば、他者が読みたくなるような文章は分解ができると書かれています。

  • 読みやすい文章
  • 興味持てる内容(題材)

■「レポートの組み立て方」の主題

もう1冊の「レポートの組み立て方」。著者が示す良いレポート(文章)とは、

  • 事実と意見が区別されている。事実が客観的に書かれ、意見は根拠(事実)に基づいている
  • 主題という最も言いたいことが明確である
  • 読み手にとってわかりやすく書かれている

1つ目の事実と意見の区別は、本書では何回も出てきます。

レポートにおいては、事実部分が主体であり事実だけで完結してもいい場合もあると著者は言います。事実という土台があり、その上に事実に基づく意見が乗っていること、事実と意見は区別されていること、これらがレポートに求められる基本要件です。

■ 読み手の立場で書くコツ

エッセイ脳とレポートの組み立て方の2冊で共通しているのは、「読み手の立場で書くこと」です。

文章は読まれることが前提で(自分だけの日記など書いて終わりのものは除く)、読む人は自分ではない他者です。読み手にとってわかりやすい文章・相手が読みたくなる文章が書けるかが、良い文章に必要不可欠な要素です。

読み手の立場で文章を書くのは、メールとか企画書などあらゆる文章に当てはまります。

では、どうすれば読み手の視点で書けるのでしょうか。「レポートの組み立て方」にはヒントが書かれていました。

  • 読み手は誰かを考える
  • 読み手の予備知識はどれくらいか
  • 読み手の読む目的・何を期待して読むのか。最も知りたいことが書かれているか

1つ1つを明らかにしていき、読み手が読みたくなる文章に近づきます。

もちろん自分と読み手は別人であり、あくまで読み手視点に立とうとしたものなので、抜け/漏れなど見落とした視点はあるでしょう。それでも相手視点で考えて書かれた文章とそうでないものは、内容の質に違いがあります。

この3点は文章以外にもプレゼンとか、上司への相談・報告にも当てはまります。

読み手を聴き手(オーディエンス)とすればプレゼンだし、上司と置き換えればホウレンソウにも使えます。もっと言うとコミュニケーション全般に適応できる普遍的なポイントです。本書ではレポートの書き方としての指南ですが、応用範囲は広いです。

■ 良い文章構造を「木」で考えてみる

今回の2冊を読みながら思ったのは、文章構造は木に例えることができるということでした。

文章の要素として必要なのは、主題、事実、論点、意見の4つです。それぞれ木に当てはめると、

  • 幹:主題(キーメッセージ)。自分が一番伝えたい&読み手が最も知りたいこと
  • 根:事実・意見の根拠
  • 枝:論点(問い)
  • 葉:意見・自分の考え

幹という主題が中心に太くあり、事実が根っこで支え土台になっています。

主題から各論点が構成され、問いに対する自分の意見・考えの葉っぱがたくさん生えています。新しい意見やアイデアは若葉としてどんどん生まれてきます。4つの構成要素がうまくからみ合って木は成長していくイメージです。

★  ★  ★

「エッセイ脳」で書かれていたエッセイの基本要件は「自分の書きたいこと」を「他者が読みたくなるように」書くことでした。自分視点と相手視点の両立です。

自分の書きたいことは、木で例えた4つの構成要素(主題・事実・論点・意見)で整理してみましょう。他者が読みたくなるように相手視点で文章を考えるために、読み手の立場になるポイントは3つです。

  • 読み手は誰か
  • 読み手の予備知識は
  • 読み手の読む目的・期待は。最も知りたいことが書かれているか

仕事での日々のメール、報告書や企画書、プロジェクトメンバーやクライアントとのホウレンソウ、そしてこうして書いているブログも、いろんなところで応用できることが「エッセイ脳―800字から始まる文章読本」「レポートの組み立て方」には書かれていました。


エッセイ脳―800字から始まる文章読本
岸本 葉子
中央公論新社
売り上げランキング: 140,396


レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)
木下 是雄
筑摩書房
売り上げランキング: 4,113


2013/02/22

「経験値を積む」 と 「レベルアップ」 は別もので考える




子どもの頃によく遊んでいたのが、ロールプレイングゲーム (RPG) でした。

ドラクエやファイナルファンタジーの定番シリーズを中心に、考えながらストーリーを進めていくのが好きでした。アクションとか格闘ゲームとはまた違ったおもしろさが RPG にはありました。

RPG で欠かせないのがレベル上げでした。ゲームも終盤になると、ストーリーを進めるよりもレベルアップにかける時間のほうが長くなっていました。いわゆる敵を倒しての経験値稼ぎです。同じような敵に似たような戦闘シーンです。

今思うと完全な単純作業でよく飽きもせずにやってたなと思います。当時よく思っていたのが、お金払うからレベルアップさせてほしい、ということでした。もしくはロボットが代わりにレベル上げをしてくれないかと。単純な経験値稼ぎだけの時間がもったいないと思っていました。

ゲームの世界のレベル上げは、敵を倒す → 経験値を獲得 → 経験値が一定量で蓄積するとレベルアップ、という仕組みです。これを繰り返しキャラクターは能力が上がっていきます。

現実の世界でもこの流れは基本的には同じです。新しいことを経験する → 成長する (レベルアップ) 。

重要なのは 「 → 」 の部分です。何かを経験したからといって単純に成長できるかというとそうではない、というのが今回のエントリー内容です。

2013/02/17

習慣にするための仕組み化の3つのコツ。あらためて考える習慣と人生




前回のエントリーはイチロー選手が語った努力について書きました。

参考:イチローが目指す努力から考える 「努力と習慣化」


イチローが目指す努力


イチローが目指すのは、習慣化され本人にとっては努力している認識はないが、まわり (第三者) から見るとそれは努力に見える状態です。努力を続け習慣になるかどうか、習慣化できるくらいになって初めて 「努力」 と言えるという考え方です。

今回のエントリーでは、あらためて習慣について考えてみます。

2013/02/16

イチローが目指す努力から考える 「努力と習慣化」




努力は大事。誰もがそう思う、共通の認識だと思います。

では、どういう努力がよいのでしょうか。努力の中身や仕方の捉え方は、人によって考え方が違います。あらためてそう思ったのは、イチローがインタビュー記事で以下のように語っていたからです。

参考: イチロー、40歳にして惑わず ヤンキースでの決意|日本経済新聞 (2013年2月13日)

以下は記事からの引用です。

努力をすれば報われると本人が思っているとしたら残念だ。それは自分以外の第三者が思うこと。もっと言うなら本人が努力だと認識しているような努力ではなく、第三者が見ていると努力に見えるが本人にとっては全くそうでない、という状態になくてはならないのではないか。

2013/02/11

TED でのジェームス・キャメロンから学んだ3つのこと




映画タイタニックやアバターの映画監督を務めたのがジェームス・キャメロンでした。

ジェームス・キャメロンの TED のプレゼンは色々と考えさせられました。TED の動画はこちらです。

2013/02/10

書籍 「究極の身体」 がおもしろい




究極の身体 という本をご紹介します。



本書の内容


本書の内容紹介からの引用です。

「ゆる体操」 の創始者であり、武道と現代スポーツの双方に通じ、日本古来の身体の動かし方の神秘を実践と体験を通じて研究してきた著者の身体論、待望の文庫化。

豊富な図解で、真の人体のすばらしさ、可能性がわかる。上下左右に動く魚類の脊椎、獲物を狙う猛獣の四肢を取り戻す。読むそばから身体の動きが変わってくる。自分の身体への希望が湧いてくる本。

身体構造や運動のメカニズムについて独自理論が展開され、わかりやすく書かれていました。

2013/02/09

「自分のやりたいこと」 を考えるための2つの逆転の発想


Free Image on Pixabay


前回のエントリーで 「翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんな障害も乗り越えなさい」 という言葉 (もとはココ・シャネルの言葉) をご紹介しました。

前回エントリー:TEDxTokyo yz 3.0 ~de-mosaic-ing~:自分にとって忘れられない翼の話


この言葉の意味は、「たとえ今は持っていなくても、それを望む強い気持ちがあればどんなハードルも越えていくことができる」 です。

大事なのは翼を生やして何をしたいのかです。翼はあくまで大空を羽ばたくための手段だからです。翼を手に入れ、どこへ飛ぶのか、どんなふうに飛びたいのか、自分は何をしたいのかが大切です。

今回のエントリーは、自分のやりたいことを考えるための2つの逆転の発想をご紹介します。


「やりたいことは変わるもの」 と考える


最近の自分が思っていることは、自分のやりたいことは変わってもいい、というものです。むしろ、やりたいことは必ず変わります。

今まで持っていた考え方は、やりたいこととは何か一生をかけて実現したいというものでした。自分の進む道としてこれがベストだというやりたいことが見つかり、その道を生涯歩いていくという考え方です。

しかし、何才になっても模索し続けるものと考え方が変わりました。常にベストの選択をしようとするが、様々な経験をすると他の道も見えてくるという考え方です。

もちろん、やりたいことが変わると言っても、1つのことにすぐに飽きてしまって次々に変えるのではありません。1つのことをやり遂げて、次の新しい世界が開けるというのが望ましいでしょう。

試行錯誤を続けて歩いているとようやくゴールが見えだしてきたと思ったら、目の前には違う別の扉が現れるようにです。扉を開けて新しい世界に入りしばらく進むとまた次への扉があります。

人は変わり続けるものです。これは生きている限りは常に起こることです。肉体的な変化もあり、価値観や考え方も変わります。


「より困難な道をあえて選ぶ」 という考え方


目の前の2つ選択肢があるとして、2つから1つを決断することは、自分のこれまでを考えると悩ましいことも少なからずありました。

3つ以上の選択肢があると最も違うものを消去法的に外していけますが、最後の2つが残った時にどっちを選ぶかです。

選ぶ基準の1つが、どちらがより困難かという考え方です。自分にとってより厳しい道を選ぶというものです。

この考え方は高校生の時に、ある雑誌で偶然知りました。

読者が投稿して北方謙三氏に人生相談をするというコーナーでした。進路に悩んでいるという読者の質問に、北方氏はこう答えていました。「より難しい道を選択してみろよ」 。

それを読んだ時は興味深く思ったことを覚えています。なぜわざわざ苦労するほうを選ぶのかと思いました。

その後の大学の進路、就職、その他いろいろな場面で判断が迫られた時に、不思議とその考え方が自分自身の決断に入っていました。困難なほうを選んだことは、決して間違っていませんでした。

その時悩んだことは何年後かに思い返してみると、実はそんなに大したことはなかったということです。ポジティブに捉えればそれだけ自分が成長したことなのかもしれません。

より困難な道をあえて選んでみる。逆境とか試練の中で人は磨かれ、高いハードルを選んでも苦労しつつも進んではいけるものだと思っています。ケセラセラ、人生なんとかなるのです。

Que sera sera は、英語では Whatever Will Be, Will Be. と表現します。

2013/02/03

TEDxTokyo yz 3.0 ~de-mosaic-ing~:自分にとって忘れられない翼の話

昨日は、TEDxTokyo yz 3.0 ~de-mosaic-ing~ に参加してきました(@表参道の青山学院スタジオ)。

TED のコンセプトを受け継いだ団体である TEDxTokyo が、「TEDxTokyo yz」として開催したのが今回のコミュニティイベント。yz というのは Y 世代・Z 世代のことで、10代-30代に焦点を当てているものます(TEDxTokyo yz についての詳細はこちら)。

友人が今回の TEDxTokyo yz 3.0 の運営リーダーをやっていたこともあり、招待してもらい参加することができました。あらためて感謝です。

TEDxTokyo yz に参加し、刺激をもらったり色々と考えさせられたりしました。Ideas worth spreading というコンセプトで開催される TED の動画プレゼンはよく見ていたりしますが、参加してライブを体験すると、全く違います。

書きたいことはいくつかあるのですが、今回のエントリーではそのうち最も考えさせられたことを取り上げようと思います。

■ 若き実業家・大関綾さんのプレゼン

今回のスピーカーは総勢10名で、第一セッションの最後に登壇されたのが、大関綾さん(株式会社ノーブル・エイペックス代表取締役社長)でした。以下は TEDxTokyo yz で紹介されている大関さんのプロフィールの引用です。

14歳でビジネスコンクールに出場して最年少記録樹立、二冠を達成。

クールビズ運動が始まった頃、ノーネクタイ・ワイシャツ姿のビジネスマンに対し「だらしない、かっこ悪い」と感じたのがきっかけとなり、クールビズ対応・新感覚ネックウェア”ノーブルタイ”の研究開発を始め、2010年高校在学中(当時17歳)に起業。ブランドコンセプトは「卓越したデザイン、優れた機能性、他に類を見ない新規性を持つ商品の提案」。

そのデザイン性・機能性・新規性が認められ、国内メディアをはじめ海外メディアからも注目を集め、2012年春に自社ブランド ”Aya Ohzeki” を立ち上げる。全国百貨店・小売店・ECサイトでの販売の他、新たに香港でも販売を開始。

2013年よりアメリカ進出が決定。「平成のココ・シャネル」になることを目標に、Aya Ohzeki ブランドを世界に広げるため活動中。

大関さんのプレゼンは彼女の座右の銘から始まりました。尊敬する Chanel 創業者であるココ・シャネル(1883-1971)の言葉だそうです。()内はフランス語でプレゼン内には出てきませんでしたがせっかくなので付けています。

翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんな障害も乗り越えなさい。(Si vous êtes née sans ailes, ne faites rien pour les empêcher de pousser.)

この言葉を知った時、大関さんは考えたそうです。自分にとっての翼とは何か?そして行き着いたのが「発想力」でした。なぜなら、中学生くらいの時からなりたいと思っていた実業家にとって大切な要素だからです。

大関さんが次に考えたことは、起業するためには社会のことを知る必要がある、ということでした。

あらためて身の回りをその視点で見てみると、大きな資本力・組織力を持つ大企業が社会を支配している現実に気づいたそうです。また、グローバル化により安いものがたくさん入ってくる。彼女の結論は、大企業やデフレに影響されないビジネスにしたいというものでした。

そのために何をすればいいのか。その後に大関さんは知的財産という存在を知ります。色々と知的財産について調べていくうちに、知的財産は新しい発想から生まれていることに気づく。だから発想力を磨きたい。

では、発想力をつけるためにはどうすればよいのか。彼女の答えは「とにかく24時間考え続けること。常に考えること」でした。

例えば、買いものとかで外を歩く時は発想力を鍛える絶好の機会だそうです。不便なものはないか、改善してより良くできるものはないかを常に考えることです。

こうした積み重ねで発想力が磨かれていきます。1つ1つのアイデアは小さなことでも、発想力トレーニングは商品開発や改良に役立つとのことでした。

アイデアについての大関さんの考えは、「アイデアは天から降ってくるわけではない、アイデアは考え抜いた末に生まれる」。

発想力はアイデアを生むツールであり、彼女にとっては夢を実現する「翼」。大関さんはプレゼンの最後をこう締めくくりました。

どんなことでもする覚悟を持ち、それを実行すれば、翼は手に入れることができる。

■ 自分にとっての翼は何か?

大関さんのプレゼンで「私にとっての翼は何か?」という言葉が発せされた時、自分にも問いかけられているように思いました。「自分にとっての翼は何か?」には根源的な問いであるように感じました。

ココ・シャネルの言葉の翼とは、今は持っていない能力/スキルのことだと理解しています。たとえ今は持っていなくても、それを望む強い気持ちがあればどんなハードルも越えていくことができる、と。

では自分にとっての翼は何か?私の場合は「考え続ける力」です。少なくとも日中の活動している間は、何かを考え続けていたいと思っています。

仕事のこと、読んでいる本のこと、ネットの情報を見ている時、ニュースについて、他には家族だったり将来のこと、それこそあらゆるものについてです。ちょっと考えて終わりではなく、ずっと考える・思考体力をもっと鍛えたいと思っています。こうしてブログを書いているのも、目的の1つはそのためです。

■ 翼を生やすことよりも重要なこと

「翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんな障害も乗り越えなさい。」

この言葉で忘れてはいけないと思うのは、翼を生やすことがゴールではないということ。翼はあくまで大空を羽ばたくためのツールです。何のために翼を生やしたいのかが重要です。

大関さんの場合は明確です。実業家になりたい、そのために必要なのは発想力です。これが翼です。自分の夢の実現というゴールから逆算して翼が位置づけられています。

では自分にとって、何のために翼を生やしたいのか。これが大関さんのプレゼンから問われた宿題でした。

考えてみると、私の場合は明確な目的がまだ定められていないことに気づきました。

正しい順序は、思い描くゴールがあって、そのために必要な能力を磨くことです。シャネルは「翼を生やすためにどんな障害も乗り越えなさい」と言っていますが、逆に言うと、どんな逆境でも手に入れたいという覚悟がないと、それは翼ではないと思います。

翼を手に入れ、どこへ飛ぶのか、どんなふうに飛びたいのか。2013年の新しい年も1ヵ月が終わりました。今年のまだ早い時期に、考えさせられる自分への問いに出会えてよかったです。

★  ★  ★

TEDx のようなイベントに参加したのは今回が初めてでした。イベントの最後の最後まで運営スタッフさんが真剣で、何より自分たちが楽しむスタンスがこちらにも伝わってきたのが印象的でした。あらためて、ありがとうございました。


※参考情報

TEDxTokyo yz
About|TEDxTokyo yz
Aya Ohzeki Official Site


2013/02/02

ローマ法王に米を食べさせたスーパー公務員の 「心揺さぶる3つの言葉」


ローマ法王に米を食べさせた高野誠鮮氏


ローマ法王に米を食べさせた男 - 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? という本をご紹介します。読んでいるうちに元気がもらえる本でした。



本書の内容


以下は本書の内容紹介からの引用です。

石川県羽咋市の市役所職員・高野誠鮮氏は2005年、過疎高齢化で 「限界集落」 に陥った農村を含む神子原 (みこはら) 地区の再生プロジェクトに取り組み、それが大成功を収めるまでの紆余曲折とアイデア満載、感動的実行力のプロセスを克明に記す。

高野氏は数々のユニークなアイデアを次々と繰り出し、そのアイデアを驚くべき行動力で実行していく。その結果、多くの若者を誘致し、農家の高収入化を達成!

非常識と一般では思われてしまうかも知れないことを恐れることなくアイデアを自由に発想し、そして、それを躊躇なく、しかし確実に実行する、高野氏の仕事の流儀に大いに学ぶための、多くのヒントがちりばめられている一冊。

2013/02/01

朝日新聞はなぜ「録画再生率が視聴率上回る例」を一面で報じたのか?




朝日新聞が、テレビの録画再生を含めた視聴率の実態を報じました(2013年1月31日付)。昨日の新聞の1面と、3面の解説記事で取り扱われています。

「ドラマは録画」くっきり 再生率が視聴率上回る例も|朝日新聞

記事の出だしから引用です。

テレビの録画再生を含めた視聴率の実態が、朝日新聞が入手した調査結果で初めて分かった。視聴率は放送時間中に見られた数値しか公表されていないが、視聴実態をより反映した録画を含めた数値をみると、人気ドラマの中には録画再生が放送中を上回る例もあった。

テレビ放送が始まって2月1日で60年、視聴率調査が始まってから半世紀以上がたつが、公表数値が視聴実態と離れつつあることが浮き彫りになった。

いくつかの録画再生率は下図の通りです。

確かにドラマ「ラッキーセブンスペシャル」の1/3放送分については、放送中に見たリアルタイムでの視聴率:12.6%、録画再生率:13.5%と、録画での視聴率が放送中のそれを上回ったようです。なお、今回の録画視聴率の定義は「録画した番組を放送の7日後までに再生した人の割合」とのことです。


出所:Yahoo!ニュース

■ 驚いたのは朝日新聞の1面に掲載されたこと

この記事を見た時にまず驚いたのは、視聴率のデータ自体よりも、今回のニュースがそもそも報じられたことでした。なぜ朝日はこのニュースを配信したのでしょうか?その意図や裏が非常に気になりました。

その前に少し前置きを書いておきます。

「録画での視聴率を含めない放送中のリアルタイム視聴率だけでは不十分」というのは、業界では昔からある不満です。自分の TV の視聴を考えてみても、録画して後から見るというタイムシフト視聴は当たり前のようにやっています。これが正確に反映されていない今の視聴率では実態が捉えられていないわけです。

背景には、ビデオリサーチが公表している600世帯での視聴率が絶対的な意味を持っていることがあります。

600世帯での視聴率はTV番組の人気のバロメーターに使われ、TVCM の広告費を出すためにも使用されています。テレビ視聴の指標として唯一無二の存在です。「通貨」とも呼ばれるほどです。

しかし、通貨である視聴率には録画再生率が含まれないために、録画視聴率はわかりません。つまり通貨として広く使われているが、価値が正しく付いていない(実態を捉えきれていない)のです。

なお、朝日記事の視聴率は通常の視聴率とは異なるものを使っています。「通常の」というのはビデオリサーチの関東600世帯からなるピープルメーター(PM)という機械を使った調査結果から出る数字です。

朝日の記事で「公表数値が視聴実態と離れつつあることが浮き彫りに」とある公表数値というのが通貨として使われているこの視聴率のことです。一方、同記事にある録画再生率はそれとは全く別の200世帯での調査結果です。両者は単純には比較できないです。

ここまでが前置きです。

今回の朝日の記事について、なぜ驚いたかの理由は、

  • 朝日新聞は朝刊の1面と3面に掲載した。国会も始まり、国内外でのニュースも色々ある中、かなりの力の入れようである
  • これまで表に出てこなかった「録画再生率」を公然と出してきた
  • その録画再生率は「通貨である視聴率」にはなかった指標。記事では単純に比べられないとしているが、通貨視聴率の絶対性を崩しかねない。視聴率が複数あるダブルスタンダードは、業界的にかなりタブーのはず(通貨は1つ)
  • データソースはビデオリサーチと書かれているが、そもそもビデオリサーチやバックにいる電通はこのニュース内容を事前認知はしていたのか。記事掲載は許容されていたのか

ビデオリサーチや電通はこのニュース配信にGOを出したとは思えません。朝日のニュース配信には何か強い意図を感じます。

■ なぜ朝日は録画再生率ニュースを流したのか?

なぜ朝日はこのニュースを配信したのでしょうか?その裏にはどんな意図があるのかをいくつか考えられることを書いておきます。

1.TV 番組の人気度を正しく認知してもらうため:人気度とは正確には視聴世帯率の高さ。通常の視聴率では放送中に視聴するリアルタイム視聴だけだが、録画をして後からの視聴も含めるとこんなに高い、というメッセージ。

2.TV 全体で言われる視聴率低下の原因を伝えるため:リアルタイム視聴だけ見ると低下傾向にあるが、録画も含めるとそんなことはない、という反論。

3.現在の「通貨である視聴率」への不満を表している:上記のように、通貨とも呼ばれるにもかかわらず正しく視聴実態を捉えているとは言えない視聴率。別データを具体的に提示することで、事実を反映していない不満を伝えたかった

4.視聴率を新しくするべきとの主張:3の不満への先として、より正しい視聴率を出してほしい意思表示。記事の最後のほうに書かれているのが「米国ではすでに録画も含む視聴率が公表されている。(中略) 実態を正確に測ろうとの試みもあるほどだ」。さらにリサーチ評論家の藤平芳紀氏のコメントが続く。以下は記事から引用。

技術の発展で視聴形態は劇的に変化し、自宅以外のあらゆる場所でテレビは見られている。メディアのあり方に大きな影響を与える基礎データなのだから、録画も含めて実態を正しく反映させた調査結果が世に出されるべきだ

■「通貨」視聴率のそもそもの問題点

民放では、番組の途中や番組と番組の間に CM が放送されます。現状では、A という番組の視聴率をもってして、番組 A の中で流れたCMの視聴率を出しています。

しかし、本来は番組視聴率と CM 視聴率は分けるべきなのです。もっと言うと、CM は数本が連続して流れるのでそれぞれの CM に対して視聴率を出すのが望ましいです。

ここで問題になるのが、番組の視聴率 = CMの視聴率なのか?という点です。多くの人は CM に入れば他のチャンネルに切り替えたり、席を外したりします(中座)。この状況では番組ほど CM は見られません。

録画での再生になると、CM スキップはもっと起こるはずです。リモコン1つで CM を飛ばせ、早送りをすれば CM は見られません。リアルタイム視聴での視聴率以上に録画視聴率においては CM の視聴率を正しく測れていないことになります。

以上から、個人的に思う視聴率の問題は以下です。

  • 「TV 番組視聴率 = CM 視聴率」が成り立たないのが実情。よって、TV 番組視聴率と CM 視聴率は本来は分けるべきだが、現状は1つの視聴率が使われている。これでは CM 視聴率が正しく測られていない
  • 民放のビジネスは CM から得られる広告費で成り立っている。にもかかわらず、その広告費を出すための CM 視聴率が正しくないという構造。広告費算出に使われている GRP には CM 視聴率を用いるべき
  • 視聴率に録画再生率を含めたとしても、依然として CM 視聴率が実態を正しく捉えていない現状は変わらない


視聴率の正しい使い方 (朝日新書 42)
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