2019/05/12

書評: THE TEAM 5つの法則 (麻野耕司) 。属人的ではなく法則でチームを強くする




今回ご紹介したい本は、THE TEAM 5つの法則 です。





  • どんなことが書かれている本?
  • 成功するチームの5つの法則とは?
  • 読んで特に興味深かったことは?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事で書いているのは、THE TEAM 5つの法則 の概要、成功するチームの法則とは何か、5つの法則のうち特に興味深いと思った 「リーダーの意思決定」 についてです。

ぜひ記事も参考に、本も読んでみてください。


本書の内容


この本には、チームや組織を強くする法則が5つ書かれています。頭文字から ABCDE の5つです。

以下は、本書の内容紹介からの引用です。

偉大なチームに必要なのは 「リーダー」 ではなく『法則』だ。

 「個」 の重要性が叫ばれている今。そこからさらなる成長・脱却を遂げるためには、個と個をつなぐ 「チームワーク」 が重要だ。

本書は経営コンサルタントとして数多くの組織変革に関わってきた著者が、Aim (目標設定) 、Boarding (人員選定) 、Communication (意思疎通) 、Decision (意思決定) 、Engagement (共感創造) という 5つの法則をもとに、成功するチームとはなにかを科学的に解明した、チームづくりの決定版だ!


5つの法則 ABCDE


成功するチームの法則5つをそれぞれまとめると、次のようになります。


Aim (目標設定)
  • チームのパフォーマンスは、目標設定に大きく左右される
  • 自分たちのチームは何のために存在するのか。数字や作業を積み上げた先に何を実現したいのかを明確にする
  • チーム活動の意義が明確に言語化されてはじめて、メンバーたちは自主性や創造性を発揮し始める。意義から遡って、やるべきこと・やるべきでないことを自ら探し、自ら見つけるチームへと生まれ変わっていく


Boarding (チームメンバー)
  • 「何をやるか」 と同様か、それ以上に 「誰とやるか」 はチームのパフォーマンスに多大な影響を与える
  • チームメンバーは誰かから与えられるものではなく、自ら探し、見つけ、連れてくるもの。この意識を持てているかどうかでチームづくりは大きく変わる
  • チームメンバーを集める際に、「今、自分たちのチームにはどのようなメンバーが必要なのか?」 について確固たる指針を持っているチームが、メンバー集めを成功させられる


Communication (コミュニケーション)
  • チームで高いパフォーマンスを生み出すために、メンバー同士の効果的な連携は必要不可欠。効果的な連携は効果的なコミュニケーションから生まれる
  • まずは適切にルールを設計し、無駄なコミュニケーションをできる限り減らし、効率化を図る。その上で、一見無駄に思えるかもしれない 「お互いを理解するコミュニケーション」 や 「安心して意見を言える場づくりのためのコミュニケーション」 を増やす
  • 相互理解と心理的安全に基づく効果的なコミュニケーションが、メンバー同士の連携が良いチームになる


Decision (意思決定)
  • チームのパフォーマンスは、メンバーの活動の積み重ね以上に、要所要所でのチームとしての意思決定で決まる。チームが意思決定という行為を軽んじているのであれば、チームは間違った方向へと進んでいってしまう
  • まず、どのような方法で意思決定するかを意思決定する。リーダーはメンバーの反発を恐れずに大胆に決断する
  • 自分たちのチームの決断を、メンバー全員で正解にしていく。意思決定に対する適切なスタンスをチームメンバー全員で共有すれば、意思決定の精度は飛躍的に向上する


Engagement (共感や絆)
  • どんなに素晴らしいゴール設定ができたとしても、どんなに素晴らしいルール設計ができたとしても、それらを動かしていくのはメンバーであり、メンバーのモチベーション
  • 「給料もらってるんだから黙って働け!」 や 「やる気出せよ!」 ではなく、メンバーに何に共感してもらい、モチベーションを生み出すのかを明確にする。その上で、チームの中に共感を創造し続ける仕組みをつくる
  • 目に見えないモチベーションやエンゲージメントを適切に高めれば、熱量の高いチームになる


Decision の深掘り (思ったこと3つ)


5つの法則のうち、私が最も興味深いと思ったのは Decision である意思決定です。


Decision が興味深いと思った視点
  • 「正しい決断」 より 「強い決断」
  • 速く決める
  • 実行によって意思決定を正しくする


以下で、それぞれについてご説明します。


[視点 1] 「正しい決断」 より 「強い決断」


リーダーに必要な力の1つは 「決断力」 です。

難しい決断に迫られると、頭に浮かぶのは 「正しい決断をしよう」 ではないでしょうか?

この本からの学びの1つは、意思決定をする際に正しいか正しくないかを考えるよりも、「強い決断」 をしようとしているかです。強い決断の意味を言語化すると、次のようになります。


強い決断
  • 腹をくくり、決断に覚悟ができている
  • 良い意味で開き直りがある
  • 責任を自分で引き受ける


正しい決断をしようと考えると、もしかしたら間違った意思決定をしようとしているかもしれないという迷いが生じます。決断が正しいかどうかはやってみないとわからないので、決断時点では迷いが残ったままです。

一方、決断が強いか弱いかは自分でわかります。この決断に強さはあるかという視点は、取り入れてみたいと思った考え方でした。


[視点 2] 速く決める


本で紹介されていてなるほどと思ったのが、ファーストチェス理論でした。

ファーストチェス理論とは、チェスで 「5秒で考えた手」 と 「30分かけて考えた手」 では、86% が同じ手であったというものす。つまり、その場で決めても30分時間をかけても意思決定の結論は変わらないわけです。

ファーストチェス理論は示唆があります。ビジネスの場でも意思決定を、速く決めるという意識を持つことです。

時間をかけすぎるくらいなら、早めに決めビジネスを次へ進めます。早い意思決定をすれば、その分だけ時間を無駄にせずに済みます。ファーストチェス理論から、早く決めて良いと思えました。

自分の大局観や直感による判断を信じ、早い意思決定をすることの意味をあらためて考えさせられました。


[視点 3] 実行によって意思決定を正しくする


意思決定は、行動のために行います。

決断の仕方や方向性も大事ですが、実行によって意思決定の中身を正しくするという気概も重要です。

決めたことを実行に移す、チームであればメンバー全員で決定を尊重し、実行できるかです。たとえ全員一致での賛成ではなくても、チームとして決定に従い実行をやる抜きます。

とはいえ、注意点もあります。

忘れてはいけないのは意思決定の前提です。どんな前提の下での決断なのかです。

外部環境など前提が変われば、決定の中身も最適なものではなくなります。ものごとには必ず前提があります。「前提は何か」 という視点は常に持っておくとよいです。


まとめ


今回は、THE TEAM 5つの法則 をご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。



5つの法則とは、
  • Aim (目標設定) : 自分たちのチームは何のために存在するか、実現したいこと
  • Boarding (人員選定) : 「誰とやるか」 はチームのパフォーマンスに多大な影響を与える
  • Communication (意思疎通) : 相互理解と心理的安全に基づく効果的なコミュニケーションが、メンバー同士の連携が良いチームになる
  • Decision (意思決定) : チームのパフォーマンスは要所要所でのチームとしての意思決定で決まる
  • Engagement (共感創造) : モチベーションやエンゲージメントを、熱量の高いチームになる


Decision が興味深いと思った視点は、
  • 「正しい決断」 より 「強い決断」
  • 速く決める
  • 実行によって意思決定を正しくする


 「強い決断」 とは、意思決定に腹をくくって、責任を引き受ける覚悟があるか。
決断が正しいかどうかはやってみないとわからない。正しい決断をする意識が強くなりすぎると、決断に迷いが生じる。しかし、強いかどうかは自分で決められる





THE TEAM 5つの法則 (麻野耕司)

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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。