
今回は、書評の記事です。
ご紹介したい本は 苦しかったときの話をしようか (森岡毅) です。
- 自分のやりたいことがわからない
- 将来が不安…
- 今の仕事は自分に向いていないと感じる
- このまま同じ会社でずっと働いたほうがいい?
- 面接で緊張してうまく話せない
もし、1つでも当てはまったら、読んでほしい本です。
この記事でわかること
この記事で書いているのは、本書の概要、どんな本か、著者が言いたかったことのメッセージ、読んで思ったことです。
とてもおもしろく一気に読みました。後ほど詳しく書いていますが、熱量の高く、随所で心が揺さぶられる本です。この記事も参考に、ぜひ読んでみてください。
本書の概要
この本を一言で表現すれば、働くこと・生きることの本質が書かれている本です。
読者である私たちは、著者が考える本質に何を感じ、どう考えるかです。本を通して深い対話ができる本です。
以下は、この本の内容紹介からの引用です。
大学生になった我が子のために、就活・昇進・転職・起業などキャリア形成について書きためていたプライベートな文書があった。
これに編集者が気づいて読んだところ、激しく感動。一般に向けて出版されることとなった。
就活する前に自分の軸を決めること、そのためには自分の好きなことを発見し、磨いていくこと、社会では自分のブランドを構築するために努力することなど、就活生のみならず、ベテランの社会人が読んでも実に面白い内容になっている。
また、タイトルにもなった第5章、我が子への愛が溢れる第6章の怒涛の展開は読む者の心を激しく揺さぶる。
社会人として生きることに勇気が湧いてくる作品である。
熱量の高い本
この本での著者の立場は、1人の父親です。
愛する娘のこれからの人生、キャリアを心からを思っていることが、文章を通して伝わってきます。
娘本人に直接、面と向かって言えないからこそ、文章に親心が込められています。娘に語りかける文で、著者の人となりも感じられます。
本の全体から伝わるのは、著者の熱量です。文章だけなのに、熱い想いで本当に心を込めて書いたというのがわかります。
読み手ターゲットは 「愛する娘」
少し話が変わりますが、マーケティングでまずやることは何だと思いますか?
マーケティングで重要なのは、顧客を絞ることです。ターゲット顧客とも言いますが、誰に対してマーケティング活動をするかです。
話を本書に戻すと、この本で書かれていることは、もともとは本になり出版される予定はありませんでした。
著者の森岡さんが、愛する娘のためだけに全くのプライベートで書いた内容です。
マーケティングで言うターゲット顧客は、これから就職活動をしビジネスパーソンになる自分の長女というたった1人に絞られていました。
ターゲットを絞るほど、メッセージはその人に向けて明確になります。
この本がまさにそうです。ターゲットを絞って、その人に価値のあるものを提供するというマーケティングが、この本では体現されています。
本質の追求
著者の森岡さんは、本質をなるべくわかりやすく、娘に理解できるように書いています。
本質を追求する姿勢は、他の森岡さんの本にも共通します。他の本では、戦略の本質、マーケティングの本質が書かれています。
いずれの本も共通するフレームがあり、「事象 - 構造 - 本質」 です。
表面的に見える事象の奥には構造があり、さらにその奥にはものごとの本質があるという考え方です。
この本では、著者の考える本質は、例えば以下について書かれています。
書かれている本質の例
- 資本主義の本質と構造 (欲と競争)
- 働くとは、キャリアをつくることの本質
- 自分をマーケティングすることの本質
著者のメッセージ
この本で最も言いたかったメッセージは (少なくとも自分にはそう思えたことは) 、自分の軸をつくってほしいこと、そして挑戦し続けてほしいことです。
軸とは、自分と向き合い、自分の内側にある大切なものは何かです。
軸にはいくつかの階層があります。
人生の軸
- 生き方の拠り所、判断基準になるもの
- 大切にしたい価値観
- どんな自分でありたいか、目指す理想の状態
キャリアをつくる軸
- スキル (職業能力) や自分の強み
- どんな環境を選ぶか (働き方・業界・会社・職場)
挑戦もキーワードです。
いつまでも挑戦し続ける人生であってほしい、挑戦し自分を成長させ高めていって欲しいという娘へのメッセージです。
自分の軸をつくる、そして挑戦のために、本質を見極めて欲しいという親の思いです。
例えば、以下の本質です。
本質を見極める対象
- 自分の本質 (軸)
- 社会の本質
- 人間の本質
- 働くこと・キャリアをつくる本質
- マーケティングや戦略思考の本質
この本を通して、これらの本質は何かを考えさせられます。著者の考える本質が書かれ、それに対して読者である自分は文章から何を感じ、どう考え、どんな行動をするかです。
私の場合は、自分をマーケティングする指針になる 「My Brand 設計図」 を参考に、自分の設計図をつくりました。自分の説明書のようなもので、とても良い自己分析の機会になりました。
まとめ
今回は、苦しかったときの話をしようか という本をご紹介しました。
この本には、著者の森岡さんの体験や考え方ことがベースに、読み応えのある内容とメッセージが書かれています。私は、一度読み、すぐさま2回目を読みました。
メモも多く書き、考えさせられた本です。
最後に今回の記事のまとめです。
- この本を一言で表現すれば、「働くこと・生きることの本質が書かれている本」 。
著者の立場は、1人の父親。愛する娘のこれからの人生、キャリアを心からを思っていることが、文章を通して伝わってくる熱量の高い本
- 著者の娘へのメッセージは、自分の軸をつくってほしいこと、そして挑戦し続けててほしいこと。自分を高めていってほしい思いが込められている。
軸とは、大切にしたい価値観や自分のありたい姿などの 「人生の軸」 と、スキルや強みなどの 「キャリアをつくる軸」 。
- 自分の軸と挑戦のために、本質とは何かを考えさせられる本。著者の考える本質が書かれ、それに対して読者である自分は文章から何を感じ、どう考え、どんな行動をするか
苦しかったときの話をしようか (森岡毅)