2019/05/22

ビジネスでのデータ分析の心得。イロハのイだけど、重要なこと




今回は、データ分析についてです。

  • データ分析に苦手意識がある…
  • 仕事でのデータ分析で成果を出したい
  • データ分析では何を心がければいい?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、ビジネスでのデータ分析の心得です。具体的な分析手法の前の、イロハのイに当たることです。

データ分析を仕事でする時に、ぜひ意識してほしいことです。

データ分析の心得としてわかりやすく書いているので、参考になればうれしいです。ぜひ、最後まで読んでみてください。


データ分析の心得


皆さんは、データ分析をされる時に、心がけていることはありますか?

この記事でご紹介したいデータ分析の心得は、次の3つです。


データ分析の心得
  • 手段と目的
  • 分析の本質 (何と何を比較するか)
  • % を見る目


以下で、それぞれをご説明します。


[心得 1] 手段と目的


1つめの心得は、「データ分析の目的は何か」 を常に意識することです。

集計や分析をやっていると、ともすれば分析自体が目的化してしまうことがあります。目の前の分析業務に集中あまりに、視野が狭くなるからです。

では、ビジネスにおけるデータ分析の目的は何でしょうか?

データ分析の目的は、ビジネスの問題を解決することです。

ダイレクトに解決には至らなくても、少なくとも問題解決につながる貢献をすることです。例えば、意思決定への判断材料になる、新しい気づきや発見になることです。

データ分析自体は、ビジネスの全体像の中では手段です。

データ分析者は分析の方法や結果に責任を負うので、データ分析が目的になりがちです。しかし、手段の目的化にならないよう、大局的な目で、常に何のための分析なのかを意識します。


[心得 2] 分析の本質 (何と何を比較するか)


データ分析の本質とは何でしょうか?

私が考えるデータ分析の本質は 「比較」 です。

データ分析とは、そのビジネスの文脈において、比較によって数字の意味合いを見い出すことです。

比較で重要なのは、何と何を比べるかです。

比べるものが正しくないと、比較自体に意味がなくなります。場合によっては、比較した分析結果から受け手にミスリードを与えます。

データ分析の目的 (ビジネスの文脈) があり、その目的を達成するために比較条件をそろえるのです。

比較の例を2つ、書いてみます。


比較の例 1 (子どもの身長と体重)


1つめの例はビジネスではありませんが、例えば、10才の自分の子どもの身長と体重を他の子と比べたいとします。

比較で適切なのは、同じ10才の子どもの平均値です。同じ年齢の子と比べることによって、自分の子どもは高いのか低いのかがわかります。

しかし、もし比較するのが10才ではなく5才であればどうでしょうか?

5才の平均値よりも高くなりますが、その差は意味がありません。

この例は、ビジネスではなく極端なケースですが、ビジネスの現場で見る適切ではないデータ分析の比較は、本質は同じことです。


比較の例 2 (販促効果)


例えば、夏に1年の売上のピークが来る商品があるとします。

比較のケースとして、夏に向けてお店で販促活動を実施する場合を考えてみましょう。

販促の効果を見たい時に、販促前後で商品の売上を比較したとします。販促をする前の1ヶ月の売上と、販促期間中も含めた1ヶ月の売上を比べます。

結果は、後者の販促中と後の1ヶ月のほうが売上が高く、販促実施前に比べて売上が1.2倍だったとします。

この増加分は、販促の効果と言ってよいのでしょうか?

答えは、比較が適切ではないので販促の増加と言い切ることはできません。というのは、夏の販売ピークに向けての販促なので、もし販促がなくても季節性で売上は上がっている可能性があるからです。

つまり、この比較のやり方では、店頭販促による売上の 「純増分」 を把握することはできないのです。

純増分を見るためには比較の工夫が必要です。

例えば、比較を同じ時期という条件にそろえます。販促をするお店としないお店の2つのグループをつくり、2つのグループの販促期間中と後の売上を比較します。

2つのグループは、グループ全体で見れば販促以外の条件は同じになるように設定します。

このように、純増分を見るという目的があり、目的を達成するために何と何を分けて比較するのかが大事です。


[心得 3] % を見る目


3つめのデータ分析の心得は、% の数字を見る時の注意点です。

% とは割算です。分子と分母があります。% を見る時に意識するのは 「分母は何か」 です。

2つの例で説明します。


前年比の場合


例えば、前年比の数字を見る場合です。この場合の分母は前年の値、分子は今年の値です。

分母である前年が平年より高すぎる・低すぎると、前年比だけの % の数字の結果からミスリードする可能性があります。

前年比がよかったと喜んでも、単に1年前が悪かっただけで、今年の水準が一昨年程度に戻っただけかもしれません。分析結果から読み取るべきは、今年が突出してよかったのではなく、一昨年並みに回復したということです。


シェアの場合


シェアの数字を見る際も、分母をチェックするといいです。

シェアの分母とは、何が100なのかです。つまり、全体は何に設定して、その全体の中で何 % なのかです。

100である全体が曖昧にしたままシェアの数字だけを見たり語るのは、危ういです。全体というシェア値の分母を把握した上で、その % の数字が何を意味するのかを読み解きます。


まとめ


今回は、ビジネスでのデータ分析の心得をご紹介しました。心構えとしてはイロハのイに当たりますが、データ分析に集中していると、頭から抜けがちなことです。

ぜひ、仕事でのデータ分析で参考にしてみてください。

最後に今回の記事のまとめです。



ビジネスでのデータ分析の心得は、
  • 手段と目的
  • 分析の本質 (何と何を比べるか)
  • % を見る目


[心得 1] 手段と目的
 「データ分析の目的は何か」 を常に意識する。データ分析の目的は、ビジネスの問題を解決すること。
データ分析自体はビジネスの全体像の中では手段。手段の目的化にならないよう、常に何のための分析なのかを意識する


[心得 2] 何と何を比べるか
データ分析の本質は 「比較」 。データ分析とは、そのビジネスの文脈において比較から数字の意味合いを見い出すこと。
比べるものが正しくないと比較自体に意味がなくなり、場合によってはミスリードになる。データ分析の目的 (ビジネスの文脈) があり、その目的を達成するために比較条件をそろえる


[心得 3] % を見る目
% を見る時に 「分母は何か」 を意識する。
前年比なら分母である前年の値、シェアの値なら分母である全体 (100は何か) を把握する

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。