
今回は、戦略思考とビジネスキャリアについてです。
- 戦略的な考え方ができるようになりたい
- 書籍 「ストーリーとしての競争戦略」 の SP と OC とは?
- ビジネスキャリアへのヒント
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、ビジネス書籍のベストセラー 「ストーリーとしての競争戦略」 の SP と OC という戦略フレームと、SP と OC から考えるビジネスキャリアのつくり方です。
自分のキャリアを振り返ったり、これからどうするかの参考になると思います。ぜひ、最後までみてください。
SP と OC という戦略論
ストーリーとしての競争戦略 という本には、SP と OC という戦略論が書かれています。
SP とは、Strategic Positioning (戦略的ポジション) 、 OC とは、Organizational Capability (組織能力) の略です。
それぞれの意味は、以下です。
Strategic Positioning (SP)
- 戦略的ポジショニング
- 何をやるのか
- どこで戦うか
Organizational Capability (OC)
- 組織能力
- 何を持つか
- 組織が持つリソース
イチロー選手の SP と OC
具体例で SP と OC をご説明します。イチロー選手の SP と OC です。
イチロー選手の SP
- 野球を選択 (卓球ではなく)
- メジャーリーグに移籍
- ポジションは外野ライト
イチロー選手の OC
- 走攻守での高い技術
- 怪我をしにくい鍛えられた身体
- プロフェッショナル意識の高い精神力
「戦略」 から理解する SP と OC
もう少し、SP と OC について詳しく見ていきましょう。
SP は、企業や組織であればトップの意思決定によります。何をやるかなので、外部の競合からも見えやすいものです。
一方の OC は中に何を持つかで、時間をかけて構築する、獲得していくものです。外部からは見えにくい特徴があります。
戦略という字は 「戦いを略す」 と書きますが、SP は戦わないための意思決定です。
OC は戦うための戦力です。
OC が充実していれば、極端なことを言えば戦略がなくても数や資源の勝負で勝てます。SP の独自性が高ければ OC という組織能力が高くなくても勝てます (そもそも唯一無二の存在) 。
SP と OC をビジネスキャリアに当てはめると
ここからは、個人のビジネスキャリアに SP と OC を当てはめて、キャリアへのヒントを考えます。
SP とは戦略的ポジショニングで 「何をするか」 「どこで戦うか」 です。OC は組織能力で 「何を持つか」 です。
ビジネスキャリアに当てはめると、それぞれ次のようになります。
SP とビジネスキャリア
- どこの会社で (会社と) 働くか
- 会社員か、独立するか
- 職種
- 業界
OC とビジネスキャリア
- ビジネススキル、専門性
- 経験
- 人脈
- 性格や人間性
- 健康な身体
- 使える時間、お金 (自分や事業への投資)
ビジネスキャリアへのヒント
では、SP と OC からは、ビジネスキャリアにどのようなヒントがあるのでしょうか?
SP からのヒント
SP からのビジネスキャリアへのヒントは、「何をするか」 「どこで働くか」 を自分でどれだけ決めているかです。受け身でなんとなく決まっていないか、それとも自ら能動的に決めているかです。
もう1つは、常に選択肢を持っているかも大事です。選択肢が1つしかないということは、依存してしまっている状態です。
1つの会社だけ、自分の社内でのポジションがここしかないという状況より、いざとなれば今の会社以外でも SP が持てる、複数の職種や業界でもやっていける選択肢があると、キャリアの幅は広がります。
OC からのヒント
OC からのビジネスキャリアへのヒントは、OC が自分の SP での競争力や差別化につながっているかです。
つまり、OC という 「自分が持っているもの」 が、自分が働く場所や環境で自分の強みになっているかです。SP と OC が連動し、ストーリーとして語れるかがチェックポイントになります。
SP と OC で相互チェックを
SP と OC は両面から自分のキャリアを振り返ったり、この先のキャリアを考えるフレームになります。
- SP によって OC ができる (例: 職種により専門性が磨かれる)
- OC が SP での強みにつながる (例: 自分のビジネススキル・経験が活きる働く環境を選ぶ)
まとめ
今回は、ストーリーとしての競争戦略 という本から戦略フレームである SP (戦略的ポジショニング) と OC (組織能力) をご紹介しました。
後半では SP と OC からビジネスキャリアをどうつくるかを書きました。
最後に今回の記事のまとめです。
Strategic Positioning (SP: 戦略的ポジショニング) とは、何をやるのか、どこで戦うか。
Organizational Capability (OC: 組織能力) とは、何を持つか、組織が持つリソース。
戦略という字は 「戦いを略す」 と書くが、SP は戦わないための意思決定。OC は戦うための戦力
SP と OC をビジネスキャリアに当てはめると、
SP は、どこの会社で (会社と) 働くか、会社員か独立か、職種や業界
OC は、ビジネススキルや専門性、経験、人脈、性格・人間性、健康な身体、使える時間やお金
SP からのヒントは、働く環境を受け身で決まってしまっていないか、選択肢を持てているか。
OC からのヒントは、OC というスキルや自分のリソースが、自分の SP での競争力や差別化につながっているか
SP と OC で相互チェックをするとよい。
SP によって OC ができる (例: 職種により専門性が磨かれる)
OC が SP での強みにつながる (例: 自分のビジネススキル・経験が活きる働く環境を選ぶ)
ストーリーとしての競争戦略 (楠木建)