2019/11/05

「ナラティブ = ストーリー + 伝え方」 に学ぶ、ブランド戦略の進め方




今回は、ナラティブという考え方と、ブランド戦略についてです。

  • ストーリーを魅力的に伝える 「ナラティブ」 とは?
  • ナラティブをブランド戦略に当てはめると?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、
  • ストーリーをどうすれば魅力的に伝えられるか
  • ブランド戦略の進め方 (ナラティブの応用)
です。

ナラティブからのフレームワークをご紹介し、ブランド戦略への応用をご紹介します。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


ナラティブとは


聞き慣れない言葉ですが、「ナラティブ」 というものをご存知でしょうか?

ナラティブの英語 Narrative の日本語訳は、「物語」 です。

ナラティブには2つの要素があります。「物語内容 (ストーリー) 」 と 「伝え方」 です。 物語内容とは中身であり、コンテンツに当たるものです。

伝え方はさらに2つに分けることができます。内側と外側です。

内側とは 「物語内容の理解と浸透」 、外側は 「発信と体現」 です。

まとめると、ナラティブは以下のような構成になります。


ナラティブ
  • 物語内容 (ストーリー, 中身)
  • 伝え方 [内側]
  • 伝え方 [外側]


ナラティブと企業ビジョン


ナラティブの考え方 (フレーム) を、企業のビジョンに当てはめてみます。

ビジョンが機能するためにどういう社内プロセスを取ればよいかは、ナラティブの考え方が参考になります。


ビジョンを機能させるプロセス
  • ビジョンの中身をつくり磨き込む [物語内容]
  • 各メンバーがビジョンを理解し、自分ごととして捉える [内側への伝え方]
  • 各自がビジョンに基づいた判断と行動し、ビジョンを体現する [外側への伝え方]



ブランド戦略への応用


ナラティブのフレームは、ブランド戦略を進める時にも応用ができ、役に立ちます。


ナラティブとブランド戦略
  • ブランド設計とユーザー体験マップをつくる [物語内容]
  • ブランドの考え方や戦略を関係者に浸透させる [内側への伝え方]
  • ターゲット顧客に、ブランド設計と体験マップに基づいて訴求する [外側への伝え方]


3つのステップのうち、1つ目でブランド戦略をつくります。

2つ目の 「内側への伝え方」 は、インターナルマーケティングです。

社内関係者や、取引企業 (例: 流通) や投資家・株主などのステークホルダーにもブランドの世界観の理解を深めてもらいます。

3つ目の 「外側への伝え方」 とは、エクスターナルマーケティングです。

一般的なマーケティングはこれに当たります。ターゲット顧客に対して、ブランド設計と体験マップに沿って訴求するマーケティング活動です。


ブランド戦略の補足


先ほど、ブランド戦略で 「ブランド設計とユーザー体験マップをつくる」 としました。

ここで補足として、ブランド設計とユーザー体験マップの2つを簡単にご説明します。


[補足 1] ブランド設計


ブランド設計とは、以下の5つの要素から成り立つブランド戦略の軸になるものです。


ブランド設計
  • ブランドコア (ブランドのビジョン・ミッション・価値観)
  • パーソナリティ (人に見立てた性格)
  • ベネフィット (機能的・情緒的な価値)
  • エビデンス (ベネフィットがなぜ実現できるか)
  • メッセージ (ブランドのことを端的に伝える表現)


5つの要素で具体性と一貫性を持って、ブランド設計をつくっていきます。


[補足 2] ユーザー体験マップ


ブランドは、体験からつくられます。

私のブランドの一言の定義は、消費者の好ましい感情が伴った商品やサービスです。

好ましい感情とは、好き・満足感・共感・誇り・憧れなどです。

ブランディングは、商品・サービスに好ましい感情移入を起こしてもらう働きかけとなります。

ブランディングの成功のカギは、ユーザー体験にあります。五感による体験 → 感情移入 → 知覚価値 (頭の中で価値イメージができる) が、ブランド形成プロセスです。

ユーザー体験マップとは、ブランドとの接点 (タッチポイント) で、顧客の消費者インサイトを満たす体験 (提供価値) の可視化一覧です。

ブランドとの接点とは、商品やサービスを知るという段階から、興味、理解、購入、利用、再購入です。各接点でどんな体験を提供するか、その体験からどんな感情を伴ってもらうかをマップとして可視化したものが、ユーザー体験マップです。

良質な体験から感情移入が起こり、その商品・サービスへの価値イメージができていきます。

ブランド設計に基づき、ユーザーの体験プロセスと感情移入をまとめると、カスタマージャーニーになります。カスタマージャーニーに沿って、各施策をつくり実行していきます。


まとめ


今回は、ナラティブという考え方 (フレーム) をご紹介しました。

ナラティブの使い方の例として、ビジョンとブランド戦略を解説しました。いかがだったでしょうか?

お仕事など、何かの参考になればうれしいです。

最後に今回の記事のまとめです。



ナラティブ
  • 物語内容 (ストーリー, 中身)
  • 伝え方 [内側]
  • 伝え方 [外側]


ビジョンを機能させるプロセス (ナラティブの応用)
  • ビジョンの中身をつくり磨き込む [物語内容]
  • 各メンバーがビジョンを理解し、自分ごととして捉える [内側への伝え方]
  • 各自がビジョンに基づいた判断と行動し、ビジョンを体現する [外側への伝え方]


ブランド戦略の進め方 (ナラティブの応用)
  • ブランド設計とユーザー体験マップをつくる [物語内容]
  • ブランドの考え方や戦略を関係者に浸透させる [内側への伝え方]
  • ターゲット顧客に、ブランド設計と体験マップに基づいて訴求する [外側への伝え方]

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。