今回は、足し算と引き算の思考についてです。
この記事でわかること
- 「足し算思考」 と 「引き算思考」 とは?
- 戦略の本質
- ToDo 管理への応用
こんな疑問に答える内容を書きました。
足し算で考える時と引き算で考える時で、どう使い分けるかについて書いています。
具体例として、
- アイデアの磨き方
- 戦略の本質
- ToDo 管理
ぜひ記事を読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
2つの思考法
まず始めに2つの思考法をご説明します。
2つの思考法
- 足し算の思考は 「あれもこれも」
- 引き算の思考は 「あれかこれか」
足し算とは And で加えていきます。引き算では Or で、どちらかを除きます。
ここからは、2つの思考法を、いくつかの具体例に当てはめてみます。
1つ目はアイデアの磨き方です。
アイデアを磨くプロセス
チームでアイデアを出し合ったり、アイデアを詰めていく時に、どのような方法をとっているでしょうか?
有名なやり方にブレストがあります。
ブレストでのアイデアの磨き方は、一般化すると次のような流れになります。
アイデアを磨くプロセス
- 広げる
- 絞る
- 深める
まずは色々なアイデアを出し選択肢を広げます。ここは 「あれもこれも」 という足し算思考です。
次に、頃合いを見て筋の良いアイデアに絞ります。引き算思考に変わります。
ここが転換で、意思を持って思考を切り替える必要があります。増やしていくのと、ものごとを減らし本当に重要なものを選ぶ 「あれかこれか」 のモードでは、頭の使い方が異なるからです。
引き算思考である 「あれかこれか」 は、戦略をつくる時にポイントになる思考です。
戦略とは何か
引き算思考の例の2つ目は、戦略です。
いきなりですが、戦略とは何でしょうか?もう一歩踏み込んだ質問をすると、戦略の本質とは何でしょうか?
戦略とは、目的を達成するために 「やること」 と 「やらないこと」 です。有限であるリソース配分の指針です。
戦略が必要なのは、投入するリソース (お金, 時間, 人, エネルギー資源) に限りがあるからです。「あれもこれも」 と全てのことにリソースを投下するわけにはいきません。
では、戦略の本質はどこにあるのでしょうか?
戦略の本質
戦略の本質は捨てることにあります。
やらないことを決めることが大事です。「あれもこれも」 は戦略ではありません。「あれかこれか」 というトレードオフです。
戦略の上位にある目的を達成するために、やること・やらないことを決め、やることの中で優先順位を決めます。
その中で、どうリソースを配分して勝ち筋の見込みが最も高いことをやっていきます。
ToDo 管理への応用
足し算思考と引き算思考の3つ目の例は、身近なことを取り上げてみます。ToDo 管理です。
普段のお仕事で、ToDo 管理はどのようにされているでしょうか?
ToDo 管理には、先ほどご紹介したアイデアを磨くプロセスを応用できます。
ToDo 管理への応用
- やることを洗い出す [広げる]
- 本当に重要なことを見極める [絞る]
- 重要タスクに注力する [深める]
タスクがありすぎて、それでも全てをやろうとすると、自分のリソースが分散してしまいます。どれも中途半端になりかねません。
自分のタスクを漏れなく把握することは大事ですが、その中で濃淡をつけることが大切です。
重要タスクに注力する方法
洗い出す時は 「あれもこれも」 の足し算思考で、重要なタスクかどうかを判断する時は 「あれかこれか」 の引き算思考を使います。
私が普段やっている方法は、1日のタスクの中で本当に重要なものを1つか2つ、多くても3つまでに絞ることです。これを必ず前日の最後と一日の始めにやります。
重要なタスクはなるべく早い時間帯に持ってきて、エネルギーが高く時間に余裕がある時に集中して取り組みます。
1日の終わりに ToDo 管理を振り返る時にも、全ての予定タスクが終わったかどうかよりも、重要タスクがやれたかどうかを意識するようにしています。
他のタスクが未完了でも、重要タスクが終わっているとその日の仕事の意味を見い出せ、自分の中で満足感が高まり1日を終えることができます。よければ、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、2つの思考法である 「足し算思考」 と 「引き算思考」 についてご紹介しました。
最後に今回の記事のまとめです。
2つの思考法
- 足し算の思考は 「あれもこれも」
- 引き算の思考は 「あれかこれか」
[応用例 1: アイデア]
- アイデアを磨くプロセスは、広げる → 絞る → 深める
- 広げる: 足し算
- 絞る: 引き算
- アイデアを絞る時には、意思を持って思考を切り替える
[応用例 2: 戦略]
- 戦略は目的達成のために有限なリソース配分の指針。
- 戦略の本質は捨てること。「あれもこれも」 は戦略ではない。「あれかこれか」 というトレードオフを明確にしよう
[応用例 3: ToDo 管理]
- やることを洗い出す (広げる) [足し算]
- 本当に重要なことを見極める (絞る) [引き算]
- 重要タスクに注力する (深める)