投稿日 2020/01/11

4つの 「みる」 で、ものごとの本質に迫る方法




今回は、観察についてです。ものの見方をテーマに書いています。

  • OODA ループとは?
  • 4つの 「みる」 から本質に迫る方法
  • 読書の4つの 「みる」

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、本質やものごとを深く理解するための見方です。

4つの 「みる」 をご紹介しています。ぜひ記事を読んでいただき、ご参考になればうれしいです。

最初にご紹介するのは、OODA (ウーダ) ループです。


OODA ループとは


いきなりですが、OODA ループをご存知でしょうか?

OODA ループは、4つの頭文字からの意思決定と実行プロセスです。


OODA ループ
  • Observe 観察
  • Orient 判断
  • Decide 決断
  • Act 実行


最初に対象となるものごとを観察します。何を意味するのかを理解し、大きな方向性を判断します。

何をやるかを決断し実行に移します。

OODA ループと言うように、実行して終わりではなく実行して何が起こったかを見ていきます (次の OODA ループに入る) 。

OODA ループの最初に来るのは観察です。観察では、何に注意して見ていけばよいでしょうか?


観察で見るもの


見るものは、表面的な事象で終わらせないようにします。

一見すると目には見えない、事象の裏側のどこまでを掘り下げられるかが大事です。事象の奥は、次のようなことを意識するといいです。


三層構造
  • 目に見える表面的な事象
  • 背後にある構造やメカニズム (法則)
  • さらに奥にある本質


では、表面的な事象で終わらずに、構造や本質に迫るためには、どう観察すればよいでしょうか?

ポイントは4つの 「みる」 です。


4つの 「みる」


ものごとを観察するために、4つの 「みる」 を使い分けるといいです。


4つの 「みる」
  • 見る
  • 視る
  • 観る
  • 診る


以下、それぞれについてご説明します。


1. 見る


まずはフラットに対象となるものを見ます。

先入観を持たずに素直な目で見るようにします。


2. 視る


次に、観るための着眼点を持ちます。

具体的には3つの視があります。


3つの視
  • 視点。一面的な見方にならないよう、二面や多面的に捉える
  • 視野。狭くならないよう、空間と時間を広げる
  • 視座。具体と抽象、現場とマネジメント・経営のように立ち位置の高さを変える


視点・視野・視座から、問題意識や仮説を持ちます。


3. 観る


意図を持って深く観ます。意図とは、先ほどの 「視る」 で設定した着眼点による問題意識や仮説です。

最初はフラットで素直な 「見る」 でしたが、ここでの 「観る」 は観察です。


4. 診る


4つ目は 「診る」 です。お医者さんの診断などで使われる 「診」 という字です。

観察したことから、何を意味するのかを判断するための 「診る」 です。

冒頭でご紹介した OODA ループに当てはめると、「見る」 「視る」 「観る」 までが観察、「診る」 からが判断です。


ここまで4つの 「みる」 についてご説明しました。ここからは、読書に当てはめて具体的な解説をします。


読書と4つの 「みる」


では、4つの 「みる」 が、読書ではどのようになるかをご説明します。


読書の 「見る」
  • 本の全体像をフラットに見る
  • 内容紹介、目次、まえがき、あとがき
  • 必要に応じて書評やまとめ記事を見る (ざっと流し読みする程度)


読書の 「視る」
  • 読むにあたっての目的や着眼点を設定する
  • 本から得たいこと
  • テーマに対する仮説や自分のスタンス、自分がすでに知っていることを整理する


読書の 「観る」
  • 目的や着眼点に沿って、必要な箇所を重点的に読む
  • 必ずしも全部をしっかり読まなくてよい
  • 必要であれば2回以上を繰り返し読む


読書の 「診る」
  • 読んで何を思ったか、考えたことを自分の言葉にする
  • 新しい疑問も言語化するとよい


まとめ


今回は、ものごとの本質に迫るための観察についてでした。

4つの 「みる」 から、表面的な事象だけではなく、背後にある構造・メカニズム、さらに奥にある本質を見極めるために、何を意識すればよいかをご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。



本質を見極めるために、表面的な事象を見るだけで終わらないようにする。
  • 目に見える表面的な事象
  • 背後にある構造やメカニズム (法則)
  • さらに奥にある本質


ものごとを観察するために、4つの 「みる」 を使い分ける。
  • 見る: フラットに素直な目で見る
  • 視る: 着眼点、問題意識や仮説を持つ。視点・視野・視座
  • 観る: 意図を持って観察する
  • 診る: 観察から、何を意味するのかを判断する


読書での4つの 「みる」
  • 見る: 本の全体像を、内容紹介、目次、まえがき、あとがきを見る
  • 視る: 読む目的や着眼点を設定
  • 観る: 目的や着眼点に沿って、必要な箇所を重点的に読む
  • 診る: 読んで考えたこと・疑問を言語化

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。