2020/01/14

マーケティングの肝になる消費者理解。消費者理解の本質である 「消費者インサイト」 を解説




今回は、マーケティングについてです。消費者インサイトを解説します。

  • マーケティング戦略はどうつくる?
  • 消費者理解の本質とは?
  • 消費者インサイトとは何?インサイトを見い出す方法とは?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、
  • マーケティングをどうつくるか (戦略フレーム)
  • 消費者理解と何か
  • 消費者インサイト
についてです。

マーケティングの考え方は、マーケティングに直接関わらない仕事でも役に立ちます。ぜひ記事を読んでいただき、普段の仕事の参考にしてみてください。


マーケティングとは何か


いきなりですが、マーケティングとは何でしょうか?

マーケティングの定義は世の中で唯一のものはありませんが、私の一言の定義は、マーケティングとは、消費者から選ばれる理由をつくる活動全般です。

選ばれるとは、消費者に買ってもらう、使ってもらう、来店してもらう、指名されるなどです。

選ばれるのを偶然に任せるのではなく、意図的に選ばれる確率を高める戦略および実行施策がマーケティングです。

では、マーケティング戦略はどのようにつくればよいのでしょうか?


マーケティング戦略


以下が私が普段よく使うマーケティング戦略のフレームです。なるべくシンプルなものがよいと考えた結果、行き着いたフレームです。


マーケティング戦略のフレーム
  • 目的を明確にする
  • ターゲット顧客の設定
  • 消費者や競合、市場の理解
  • 提供価値をつくる (選ばれる理由)
  • 価値を提供する手段を実行する (選ばれるための施策)


マーケティング戦略フレームの5つのうち、ここからは2つ目の 「ターゲット顧客」 について見ていきます。


消費者理解の本質


マーケティングに限らず、戦略で大事なのは目的の設定です。戦略とは、目的を達成するために 「やること」 と 「やらないこと」 です。

マーケティング戦略では目的設定の後にまずやることは、ターゲット顧客の設定です。自分たちの顧客は誰かを定義します。

ここで重要になるのは消費者理解です。消費者理解はマーケティングで最も大事なことです。

先ほど、マーケティングの定義を 「消費者に選ばれる理由をつくる活動全般」 とご説明しました。選ぶという行為をする主体者は消費者です。消費者がどういうメカニズムで選ぶのかを突き詰めることが、マーケティングを成功させる肝です。

消費者理解のために、理解する対象をレイヤーで分けるとよいです。具体的には、次の3つです。


消費者理解のレイヤー
  • 消費者の行動や発言 [事象]
  • 背後にあるニーズ、不満、不便に感じていること [構造要因]
  • さらにその奥にある消費者インサイト [本質]


順番に 「事象 - 構造 - 本質」 といくほど、奥にあります。より理解が難しくなりますが、どこまで消費者の本質に迫れるかが深い消費者理解につながります。

消費者理解の本質にあたるのが、消費者インサイトです。では、消費者インサイトとは何でしょうか?


消費者インサイトとは


ここからは、消費者インサイトについて解説します。

消費者インサイトとは、人を動かす隠れた気持ちです。

普段は消費者本人も意識していませんが、そうだと気づかされれば買うなどの行動につながり、時には習慣すらも変えてしまうような奥にある感情です。

消費者インサイトとは、潜在的なものです。従って、顕在化しているニーズ、不満、意見とは異なります。

良い消費者インサイトのポイントは、以下になります。


良い消費者インサイトのポイント
  • おもしろいと思える
  • 新しい発見
  • アイデアの発想が広がる
  • ブランドや商品・サービスと整合性がある
  • 施策につながるなどビジネスに寄与する


消費者インサイトの例 (ハーゲンダッツ)


消費者インサイトとは何かを具体的に理解するために、ハーゲンダッツを例に見ていきます。

以前にあるビジネスパーソンの女性から、ハーゲンダッツを平日の夜に、一人食べている時に幸せを感じると聞いたことがあります。

今日も一日がんばった自分へのご褒美のようなものだそうです。

ある方は、冷凍庫の奥に家族から隠すようにハーゲンダッツを置いているとのことです。自分だけの宝物のようにしまってあるのです。

これらから見えてくるハーゲンダッツへのインサイトは、「誰も見ていないところで、自分だけの時間で自分だけのコトから、ちょっとした幸せに浸りたい」 という気持ちです。

ソーシャルメディアやメッセージアプリで人とつながっていたいという欲求がある一方で、人はどこかで自分だけの秘密や、一人でのホッとする瞬間を無意識に求めます。

その時のお供が、ちょっと背伸びをして買う高級アイスなのです。

では、消費者インサイトは、どうすれば見つけることができるのでしょうか?


消費者インサイトの見い出し方


私の経験から、消費者インサイトを見い出すために大事なマインドセットは次の5つです。


消費者インサイトの見い出し方
  • 主体的に見い出すもの
  • 人間へのあくなき興味
  • 相手の何気ないところに消費者インサイトはある
  • 自分の消費者インサイトを深掘りする
  • 言葉にする


以下、それぞれについてご説明します。


[姿勢 1] 主体的に見い出すもの


消費者インサイトは、消費者からそのものずばりを教えてもらえるものではありません。

自分が主体的になって見い出すものです。

消費者へのインタビューや観察を通して、その後の分析や検討から色々と考え抜いた後に、最後にふと降りてくるように消費者インサイトが突然表れるようなものです。

頭の中での試行錯誤から、能動的に見い出すのが消費者インサイトです。


[姿勢 2] 人間へのあくなき興味


消費者インサイトを見つける動機は、突き詰めると人間へのあくなき好奇心です。

人を理解したいという根源的な欲求が、消費者インサイトを見つけるドライバーになります。

もちろん仕事や会社のビジネスのための業務ですが、いつしか仕事を忘れて一人の人間として消費者に向き合うようになり、純粋な人間への好奇心が消費者インサイトの発見につながります。


[姿勢 3] 相手の何気ないところに消費者インサイトはある


消費者インサイトは、消費者から与えられるものではありません。あくまで最後は自分で見い出すものです。

ただし、消費者インサイトを見つけるきっかけになるのは、消費者の何気ないところです。行動、仕草や表情、発言の中にヒントがあります。

ともすれば素通りしてしまうところに、何かひっかかりを感じたこと、違和感の中に消費者インサイトが隠れています


[姿勢 4] 自分の消費者インサイトを深掘りする


消費者インサイトを見つける良いトレーニングになるのは、普段から自分の中にある消費者インサイトを深掘りしておくことです。

自分という一人の人間に向き合うことが、消費者インサイトの理解につながります。

例えば、自分の行動で、行った先の選び方、買いものなどを、なぜ自分はそうしたのか、奥にある自分の隠れた気持ちや価値観は何かを深掘りします。


[姿勢 5] 言葉にする


消費者インサイトがこれではないかと思ったら、言葉に落とし込むとよいです。

なんとなくで終わらせずに、もう一歩踏み込み言葉で表現します。

これが消費者インサイトではないかと気づくのは、直感的なことです。直感で終わらずに言語化することによって、より深い消費者インサイトの理解になります。


まとめ


今回は、マーケティングについてでした。

マーケティングとは何か、マーケティング戦略フレーム、そして、消費者理解の本質である消費者インサイトについて解説しました。

ぜひ今回の内容を、マーケティング業務や普段の仕事の参考にしてみてください。

最後に今回の記事のまとめです。



マーケティングとは、消費者から選ばれる理由をつくる活動全般。選ばれるのを偶然に任せるのではなく、意図的に選ばれる確率を高める戦略および実行施策がマーケティング。


消費者理解はマーケティングで最も大事なこと。
消費者理解のレイヤー
  • 消費者の行動や発言 [事象]
  • 背後にあるニーズ、不満、不便に感じていること [構造要因]
  • さらにその奥にある消費者インサイト [本質]


消費者インサイトとは、人を動かす隠れた気持ち。普段は消費者本人も意識していないが、そうだと気づかされれば買うなどの行動につながり、時には習慣すらも変えてしまうような奥にある感情


消費者インサイトの見い出し方
  • 主体的に見い出すもの
  • 人間へのあくなき興味
  • 相手の何気ないところに消費者インサイトはある
  • 自分の消費者インサイトを深掘りする
  • 言葉にする

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。


1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。