
今回は、マーケティングについてです。顧客視点の大切さを掘り下げています。
- 売り手と買い手の 「目的のズレ」 とは?
- ズレを解消する顧客視点とは?
- 自分たちの強みを見極める方法
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、顧客視点になる方法です。
売り手と買い手の間にある構造的な 「目的のズレ」 をご紹介し、解消するやり方、競合や強みを見極める方法を書いています。
マーケティングのものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的に使えるスキルです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
売り手と買い手のズレ
いきなりですが、商品やサービスの売り手は、何のために売っているでしょうか?
唐突な質問でしたが、売り手の目的は文字通り売ることです。商品やサービスが売れれば、売上が立ち、経費を除いた分の利益が得られます。
一方の、買い手はどうでしょうか?
買い手の目的は商品やサービスを使って価値を得ることです。欲求を満たしたり問題を解決してくれるという便益です。
ここに売り手と買い手の構造的な目的のズレがあります。売り手にとっては売ることが目的、買い手は買うこと (売られること) は目的ではなく手段なのです。
では、このズレはどうすれば解消できるでしょうか?
ズレを解消する顧客視点
目的の不一致を解消するためには、売り手が顧客になろうとすることが大事です。つまり、顧客視点です。
売り手の目的ではなく、顧客の目的に合わせて、それを基点に見ていきます。
具体的には、次のような流れです。
顧客視点で掘り下げる
- 顧客が実現したい 「成功」 は何か (顧客の目的の把握)
- 成功のための商品・サービスの使い方
- 置かれた状況 (どんな利用シーンで使われようとしているのか)
売ることが目的になると、その後は視野に入らなくなります。しかし、売り手も顧客の目的に合わせ、そこから逆算していくと、商品の使われ方やその時の状況 (利用背景やシーン) にまで広がります。
使われ方まで考えることは、他にもメリットがあります。競合や自分たちの強みが見えてきます。
では、自社商品やサービスの競合は、どうやって設定すればよいでしょうか?
顧客視点の競合設定
一般的には、自分たちの目で競合だと思うものを選んでいるでしょう。
しかし、競合とは売り手が決めるのではなく、買い手の目線で決まるものです。顧客視点で競合を設定するわけです。
顧客視点での競合とは、顧客が、その状況で使おうとする時に頭の中に浮かぶ自社以外の選択肢です。
ここから、自分たちがどんな市場にいるかも見えてきます。つまり、市場とは顧客の頭の中にある 「自社 + 他の選択肢全て」 です。
自分たちの強みについても、同じ考え方で見極めることができます。
強みを見極める方法
強みとは何でしょうか?
マーケティングの文脈での強みとは、選ばれる理由です。商品やサービスからの得られる価値とも言えます。
つまり、強み = 選ばれる理由 = 価値です。
先ほど、競合とは顧客の頭に浮かぶ自社以外の選択肢としました。
強みとは、顧客から見て他の選択肢よりも自分たちが相対的に優れているものです。
ポイントは、強みとは相対的なものであり、あくまで顧客がそうだと認識しているものです。売り手側が強みだと思っていても、顧客にとって価値ではなく選ぶ理由になっていなければ、それは強みではないのです。
まとめ
今回は、マーケティングの観点から顧客視点についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
売り手と買い手には構造的な目的のズレがある。売り手にとっては売ることが目的、買い手は買うこと (売られること) は目的ではなく手段。
ズレを解消するためには、売り手が顧客になろうとする顧客視点が大事。顧客の目的に合わせて見ていく。
- 顧客が実現したい 「成功」 は何か (顧客の目的の把握)
- 成功のための商品・サービスの使い方
- 置かれた状況 (どんな利用シーンで使われようとしているのか)
顧客視点での競合とは、顧客がその状況で使おうとする時に頭の中に浮かぶ自社以外の選択肢。市場とは顧客の頭の中にある 「自社 + 他の選択肢全て」 。
強み = 選ばれる理由 = 価値。
強みとは、顧客から見て他の選択肢よりも自分たちが相対的に優れているもの。強みは相対的で、あくまで顧客がそうだと認識しているもの。