今回は、自分の頭で考える時に大切にしたいことです。
- 具体と抽象からの横展開とは?
- 横展開のポイントは?
- 抽象化という 「急がば回れ」 が大事な理由
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかるのは、思考力を高める方法です。何かを考える時に具体と抽象を行き来することによって、本質理解や知識・スキルの引き出しを増やすことができます。
ぜひ記事を読んでいただき、お仕事やプライベートでも参考になればうれしいです。
具体と抽象からの横展開
具体と抽象の横展開とは、イメージを図で表すと次のようになります。
ある具体的な経験を別のところで活かす時に、そのまま横にスライドさせるのではなく、一度抽象化してから横展開をします (本質の抽出) 。
例えば、仕事の例に当てはめると、ある仕事での経験 (体験知) を形式知にします。具体的には、どういうスキルが獲得できたのか、人に教えるならどう説明するかと、自分の型として一般化します。
型になったことを、新しい別の仕事での機会に活かします (抽象の具体化) 。この流れが、具体と抽象からの横展開です。
抽象化という一手間
ポイントは、一度抽象化する一手間です。
具体から具体ではなく、具体 → 抽象 → 具体という 「急がば回れ」 です。
では、なぜ抽象化を間に挟むことが重要なのでしょうか?
抽象化が重要な理由
理由は3つあります。
✓ 抽象化が重要な理由
- 本質理解
- 引き出しの充実
- 前提の見極め
[抽象化の重要性 1] 本質理解
抽象化が大事な理由の1つ目は、本質の理解につながることです。
具体的なことを抽象化すると、2つの方向で理解の解像度が上がります。
✓ 解像度の2つの方向
- Why (なぜか)
- So what (要するに)
Why の方向に掘り下げることによって、なぜうまくいったのかが見えてきます。そして、So what と要するにどういうことかを考え、具体の奥にある本質を理解します。
抽象化することによって表面的な事象だけで終わらず、背後にあるメカニズム、さらに奥にある本質の理解ができるのです。
[抽象化の重要性 2] 引き出しの充実
2つ目のポイントは引き出しの充実です。
抽象度を上げて自分なりの型化ができれば、応用範囲が広がります。
頭の中の引き出しが増えると、新しい仕事でも、以前にやった仕事とつながると思えることがあります。いつか見た景色、前に通った道だと感じるわけです。
もちろん、全く同じ状況ではないのでアレンジは必要ですが、いつか見た景色だと思えば問題箇所の特定、原因究明、解決策への手がかりになります。
[抽象化の重要性 3] 前提の見極め
抽象化のプロセスによって、前提の見極めにつながります。前提の理解は、具体と抽象からの横展開で大事なのことです。
というのは、横展開をする時に前提から違えば、うまく当てはまらないからです。
例えば、大企業での成功体験から成功要因を抽出したとします。これをベンチャー企業に活かそうとしても必ずしもうまく機能しないことがあります。
前提が異なるからです。具体的には、組織規模、企業や事業のライフステージ、求められる成長速度、リソース (ヒト・モノ・カネ・情報) の充実度です。
具体を抽象化する時に、併せて前提は何かも意識して考えておくといいです。
まとめ
今回は、具体と抽象からの横展開についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
具体と抽象からの横展開
- ポイントは、一度抽象化する一手間
- 具体から具体ではなく、具体 → 抽象 → 具体という 「急がば回れ」
抽象化が重要な理由
- 本質が理解できる (事象 - メカニズム - 本質)
- 引き出しが充実する
- 前提の見極めにつながる