投稿日 2020/12/10

データ分析もマーケティングも 「比較される立場」 になってみよう



今回は、データ分析とマーケティングについてです。


この記事でわかること

 
  • 比較の縦と横
  • 比較される立場になってみる
  • マーケティングへの横展開 (選ばれる理由を見出すために)


この記事で書いているのは、あえて 「比較される側」 になることによって、ものごとの違った側面や本質が見えてくるという内容です。

データ分析とマーケティングに当てはめています。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


比較の縦と横


いきなりの質問ですが、比較とは何でしょうか?

比較は比べられる相手があって初めて成立します。

比較には縦と横があります。縦の例は過去との比較です。例えば当月の売上を前月と、または前年同月比と比べます。

では横の比較とは何でしょうか?

横の例は他者との比較です。例えば自社商品と競合他社商品のスペックを比べます。


比較される側になる


ここでは、比較をデータ分析に当てはめてみます。

データ分析者として常に意識しておきたいのは、比べられる側になることです。比べられる側の立場から見た時に、反論やクレームを言いたくなるような比較方法、比較結果の見せ方になっていないかです。

例えば競合分析をしたとして、営業資料に載せる場合です。自分たちの都合のよい切り取り方や解釈、説明になっていると公平性に欠けます。

これを防ぐためのチェックポイントになるのが、比較される側、この例の場合は比較相手である競合他社の立場に入れ替わってみて反論や攻撃材料がないかを見ます。


では次に、「比較される側になる」 という話をマーケティングに当てはめてみます。


マーケティングへの横展開


マーケティングでも比較される側の立場で考えることは有効です。

というのは、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 と私は一言の定義をしているからです。

選ぶという行為の主体者は顧客です。顧客から選ばれる理由は何かを考えるために、次のような分解をします。


顧客が選ぶ時
  • 候補となる頭の中の選択肢は何か
  • その選択肢の中に自分達は入っているか
  • 顧客はどのような理由から選ぶのか


 「選ぶ理由」 とは顧客が求める価値です。

商品やサービスの提供者は、自分たちは選ばれる立場にあるという認識を持つべきです。そしてなぜ自分たちは選ばれるのかを解像度高く理解しておくといいです。
具体的には以下です。



選ばれる理由の掘り下げ
  • 誰が
  • どのような状況で
  • 何のために (目的)
  • 他の何と比べて (他の選択肢)
  • 選ぶ決め手は何か


まとめ


今回は比較についてでした。「比較される側になってみよう」 というテーマで、データ分析とマーケティングに当てはめました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


比較される側になる
  • 比べられる側の立場から見た時に、反論やクレームを言いたくなるような比較方法、比較結果の見せ方になっていないか
  • 自分たちの都合のよいときに切り取り方や解釈、説明になっていると公平性に欠ける
  • これを防ぐために 「比較される立場」 になり反論や攻撃材料がないかを見る


マーケティングでの比較
  • マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」
  • 「選ぶ理由」 とは顧客が求める価値。なぜ自分たちは選ばれるのかを解像度高く理解しておく
  • 比較される側になれば、顧客視点で自分たちが選ばれる理由を見出だせる


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。