
今回はマーケティングとキャリアについてです。
この記事でわかること
- マーケティングとキャリア形成
- 使えるマーケティング戦略フレーム
- キャリアへの当てはめ
この記事で書いているのは、マーケティング戦略のフレームを応用したキャリアのつくり方です。
記事の前半では私がよく使っているマーケティングのフレームをご紹介します。後半ではフレームをキャリア形成に応用しています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
マーケティングとキャリア形成
記事のタイトルでも言っていますが、マーケティングとビジネスキャリアは相性がいいです。
マーケティングは、商品を市場に出しお客さんに選んでもらい買ってもらう、そしてリピート顧客になりファンのようになってもらうまでの一連のプロセスです。
自分自身を 「商品」 と見立てれば、キャリアを考えつくっていく時にマーケティングの考え方が参考になります。
マーケティング戦略のフレーム
マーケティングには様々なフレームがあります。
ここではその中から私がよく使っているフレームをご紹介します。マーケティングの戦略をつくる時に、次の五つの要素に当てはめて考えていきます。
マーケティング戦略のフレーム
- 参入市場
- ターゲット顧客
- 提供価値
- 価値の実現理由 (ケイパビリティ)
- 収益モデル
五つを順番に補足すると、まずは自分たちが参入したい・している市場を理解します (①) 。どんな人たちや企業がいて、競合プレイヤーは誰かです。そして市場の中にいるターゲット顧客を設定にします (②) 。
次にターゲット顧客に提供する本質的な価値は何かを明確にします (③) 。商品やサービスをお客さんに使ってもらい、顧客はどんな価値を享受しているかです。
併せて価値提供の実現理由は何かです (④) 。自分たちが持っているリソースと、リソースがどんなプロセスを経て商品サービスになり価値に結びついているかです。
以上の四つ、参入市場、ターゲット顧客、提供価値、価値の実現理由から収益を得る仕組みを考えます (⑤) 。収益モデルを分解すると、誰から・何の価値に対して・どのタイミングで・どうやって対価を得るかです。
キャリアへの当てはめ
では、ご紹介したマーケティングのフレームをキャリアに応用してみましょう。
マーケティング戦略のフレーム
- 参入市場
- ターゲット顧客
- 提供価値
- 価値の実現理由 (ケイパビリティ)
- 収益モデル
[要素 1] 参入市場
一つ目の要素は参入市場でした。キャリアの文脈で言い換えれば 「働く環境」 です。
環境を解像度高く見ていくと、業界、職種、会社、組織、チーム、役割や肩書です。
人は環境に依存します。働き方やキャリアも同じで、自分の持っている特徴は環境によって強みにもなれば弱みにもなってしまいます。
自分の環境への理解と、そこでどうすれば自分の強みが発揮できるかを見極めることが大事です。
[要素 2] ターゲット顧客
キャリアの観点では、一緒に働く人を 「顧客」 と見なします。直接のお客さん以外にも、上司や同僚、他部署の関係者も顧客と見立てるのです。
仕事を通して自分が価値を提供する相手は誰かを、解像度高く理解するといいです。特に顧客課題は何かです。
[要素 3] 提供価値
ここで言う提供価値とは仕事での成果物やアウトカム (顧客の成功) です。
仕事からのアウトプットだけではなく、そのアウトプットが使われることによって相手が得られる便益や嬉しさは何かを見極めます。
自分が仕事でやっていることが、顧客やさらにその先にある世の中全体にどんな貢献はできているのかを言語化しておくといいです。
[要素 4] 実現理由
なぜ価値を提供できるかの実現理由を、キャリアに当てはめると何になるでしょうか?
実現理由とは専門スキル、汎用ビジネススキル、人脈、時間の使い方、日々のインプット情報です。仕事でたゆまぬ努力をしていることも実現理由になります。
提供価値の奥には具体的にどんな構造的な要因があるのかを理解します。
[要素 5] 収益モデル
収益モデルの要素は、誰から・何に対して・どのタイミングで・どのように価値提供の対価を得るかでした。
仕事やキャリアでも同じです。価値提供から対価を得る仕組みです。
全てのターゲット顧客から金銭的な収益を得る必要はありません。戦略的に収益につなげる顧客とあえてそうしない顧客を分けてもいいのです。
例えば会社の本業とは別に副業をやっているとします。会社での仕事は毎月の給料が入るので収益対象です。一方の副業の活動では収益化を目的としないやり方もあります。
まとめ
今回はマーケティングとキャリアについてでした。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
マーケティングとキャリア形成
- マーケティングとビジネスキャリアは相性がいい
- 自分自身を 「商品」 と見立てれば、キャリアを考えつくっていく時にマーケティングの考え方が参考になる
マーケティング戦略のフレーム
- 参入市場
- ターゲット顧客
- 提供価値
- 価値の実現理由 (価値提供へのケイパビリティ)
- 収益モデル
キャリアへの当てはめ
- 働く環境の見極め [参入市場]
- 仕事で自分が価値を提供する相手 [ターゲット顧客]
- 仕事での成果物やアウトカム (顧客の成功) [提供価値]
- 提供価値の実現の奥にある構造的な要因 (例: 専門スキル) [実現理由]
- 価値提供から対価を得る仕組み・構図 [収益モデル]