投稿日 2020/12/05

書評: 鉄の楽園 (楡周平) 。誰のために仕事をしているかの解像度を問われる本



今回は書評です。

ご紹介する本は 鉄の楽園 です。





この記事でわかること


  • 本書のストーリー
  • 誰のために仕事をしているか (三方よし)
  • 一つのアイデアで様々な問題を解決する (アイデアの横展開)


ぜひ記事を最後まで読んでいただき、よかったらこの本も手に取ってみてください。


本書の概要


この本のストーリーを簡単に説明をすると、東南アジアの R 国 (モデルはミャンマー?) に日本が官民で高速鉄道のインフラ事業を開拓するフィクションのビジネス小説です。

ここに北海道の海東学園がプレイヤーとして登場し、地方の少子高齢化や産業衰退、学校経営の難しさの要素が加わります。

以下は本書の内容紹介からの引用です。

東南アジアの R 国の高速鉄道建設に向け、中国と熾烈な受注競争を繰り広げる四葉商事。一方、経営破綻寸前の海東学園に突如、中国企業への身売り話が舞い込む。

打倒中国――。

四葉と海東の想いは合致し、経産省を巻き込んだ世界初・鉄道専門大学の実現に向け奔走するのだが……。

鉄道産業を予見する、痛快経済エンタメ小説。

ではここからは、この本を読んで思ったことをご紹介していきます。


読んで思ったこと


この本を読みながら考えさせられたのは次の二つでした。


読んで思ったこと
  • 誰のために仕事をしているか
  • 一つのアイデアで様々な問題を解決する


ではそれぞれについて順番にご説明をします。


[思ったこと 1] 誰のために仕事をしているか


自分たちの事業や仕事は誰のためにやっているかを考えさせられました。

小説のストーリーでは東南アジアの R 国のインフラ支援のために、自分たちのビジネスからの収益、省庁の実績を上げるためが当初でした。

しかし小説ではその後に、主人公たちは 「R 国のために」 の解像度を上げていきました。誰のためかの対象を直接やり取りしている R 国の政府、富裕層だけではなく、現地の貧しい人たちも含めた一般の国民にも目を向け始めたのです。

問いかけたのは、今の R 国にとって本当に求められているものは何かを自分たちで泥臭く掘り下げていきました。

改めて読んで考えさせられたのは、視野を広く持って仕事と向き合っているかどうかです。

日本で昔から商売の世界で言われる三方よしです。

三方よしの三つとは、直接の顧客、その先にいる人々 (世間一般) 、自分たちです。

自分たちだけでもなく、かといって顧客だけを過度に優先して自分たちを犠牲にするのでもありません。事業に関わる関係者全員に Win をもたらす仕事をしているかです。


[思ったこと 2] 一つのアイデアで様々な問題を解決する


二つ目に考えさせられたことはアイデアについてです。

ネタバレになるので具体的には触れませんが、小説ではひとつのアイデアが連鎖して次々に問題を解決していきました。北海道にある海東学園の役割がそれです。

先ほどの三方よしにもつながります。学園の生徒や先生・事務員、地元の雇用、商社である四葉商事、鉄道インフラ支援先の R 国です。

一つのアイデアが様々な問題を解決するかどうかは、筋の良いアイデアを見極める条件になります

普段から意識しておきたいと思ったのは、「このアイデアは他にも転用できないか」 と考えることです。一見すると関係ない領域にも先入観を持たず、横展開ができないかの視点は持っておきたいです。


まとめ


今回は書評でした。鉄の楽園 という本をご紹介しました。




いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


本書の概要
  • 東南アジアの R 国 (モデルはミャンマー?) に日本が官民で高速鉄道のインフラ事業を開拓するフィクションのビジネス小説
  • 北海道の海東学園がプレイヤーとして登場し、地方の少子高齢化や産業衰退、学校経営の難しさの要素が加わる


読んで思ったこと
  • 誰のために仕事をしているか。三方よしの関係者全員の Win を実現しようとしているか
  • 一つのアイデアで様々な問題を解決する。アイデアに対して横展開できないかを常に意識する



鉄の楽園 (楡周平)


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。