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投稿日 2015/08/22

書評: 憲法主義 - 条文には書かれていない本質 (南野森 / 内山奈月)


日本国憲法原本


憲法主義 - 条文には書かれていない本質 という本をご紹介します。



本書の内容


著者は憲法学者の南野森氏と、AKB48 メンバー (2014年時点) の内山奈月氏です。南野氏が講師、内山氏が生徒で、2人での講義形式で書かれています。以下は本書の紹介からの引用です。

もしも国民的アイドルが、日本国憲法を本気で学んだら……。

日本武道館のステージで憲法を暗唱して聴衆を沸かせた高校生 (当時) アイドルが、気鋭の憲法学者による講義をマンツーマンで受けた結果、日本一わかりやすい憲法の入門書ができました!

とはいえ、「人権論」 から 「統治機構論」 へと展開する本書の内容は、かなり本格的なもの。「表現の自由」 が憲法全体に果たす役割の重さには驚きを禁じえません。また、恋愛の自由、パパラッチの問題など、アイドルなら気にせずにはいられない事象についても、真正面から論じています。
投稿日 2015/03/28

書評: Google vs トヨタ - 「自動運転車」 は始まりにすぎない (泉田良輔)




競争ルールとイノベーションについて考えさせてくれたのが、Google vs トヨタ - 「自動運転車」 は始まりにすぎない という本でした。興味深く読め、一気に読み終わりました。



いま自分たちが競っている市場の競争のルールは何か


この本で印象的だったのは、イノベーションは 「既存の競争ルールの無効化」 という考え方でした。以下、本書からの引用です。
投稿日 2015/03/25

書評: 戦争プロパガンダ10の法則 (アンヌ・モレリ)




プロパガンダについてあらためて考えさせられたのが、戦争プロパガンダ10の法則 という本でした。



本書の内容


内容紹介の一部を引用します。

第一次大戦からアフガン空爆まで、われわれは政府発表やメディアにいかに騙されたか。気鋭の歴史家が戦争当事国による世論操作・正義捏造の過程を浮き彫りにする。
第一次大戦から冷戦、湾岸戦争、ユーゴ空爆、アフガン空爆まで、あらゆる戦争において共通する法則がある。それは、自国の戦闘を正当化し、世論を操作するプロパガンダの法則だ。
 「今回の報復はやむをえない」
 「ビンラディンは悪魔のようなやつだ」
 「われわれは自由と平和を守るために戦う」
正義はこうして作られる。
これまでに戦争当事国がメディアと結託して流した 「嘘」 を分析、歴史のなかでくり返されてきた情報操作の手口、正義が捏造される過程を浮き彫りにする。ブリュッセル大学で教鞭をとる気鋭の歴史学者が読み解く、戦争プロパガンダの真実。


戦争プロパガンダの10の法則


本書で提示される戦争プロパガンダのための 「10の法則」 は、次の通りです。
投稿日 2015/03/21

書評: 都市は人類最高の発明である (エドワード・グレイザー)




都市は人類最高の発明である という本がおもしろかったのでご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • 都市での密集性と多様性
  • ビジネスへの示唆
投稿日 2015/03/14

書評: 本当は憲法より大切な 「日米地位協定入門」 (前泊博盛)




現在の日本のことを 「日本は他国に支配された占領下にある」 と思う人は、まずいないでしょう。そして、多くの人はこう反論するでしょう。「日本は独立した主権国家である」 と。

今回のエントリーでご紹介する本は、この認識が本当にそうなのかに一石を投じるものです。本当は憲法より大切な 「日米地位協定入門」 という本です。



読み進めると、日本の国としての状況に向かい合わざるを得ないことに気づきます。以下は本書からの引用です。

日本は本当に独立した主権国家なのか。

もしかすると、日本はまだアメリカの占領下にあると言えるのではないか。

この本には、日米地位協定とは何か、その歴史的な経緯、何が問題で、それによりどういった不都合が日本に起こっているかが書かれています。後に述べるように日本の根本に関わることです。
投稿日 2015/03/07

書評: 振り込め犯罪結社 - 200億円詐欺市場に生きる人々 (鈴木大介)




2000年代の前半頃より社会問題として続くのが、振り込め詐欺です。


被害規模が増え続ける振り込め詐欺


当初はオレオレ詐欺と呼ばれ、その後 2004年に振り込め詐欺と名称が変わりました。

認知の徹底、警察や金融機関での対策がなされるものの、被害は減るどころかむしろ依然として増え続けている状況です。
投稿日 2015/02/28

書評: 日本人が知らない集団的自衛権 (小川和久)




集団的自衛権をどう考えるかについて参考になるのが、日本人が知らない集団的自衛権 という本です。



日本の集団的自衛権を考える2つのポイント


著者は軍事アナリストである小川和久氏です。本書で提起されているのは次の2つです。小川氏は、この2点に尽きると強調しています。

  1. 国家の平和と安全をどう確保するのかを考えること
  2. 日本の防衛力の現状を直視すること

問われているのは、どんな防衛力によって平和と安全を保つのかです。
投稿日 2015/02/25

書評: 夜の経済学 (飯田泰之 / 荻上チキ)




一般的に、性風俗や売春は本当の実態はあまり語られず、なんとなくのイメージで捉えられている世界ではないでしょうか。

  • 風俗業界の市場規模はどれくらいなのか?
  • 自らの体を売る女性はどういう人たちで、一方の買う男性はどうなのか?どのくらいのお金のやりとりがされているのか?
  • 性風俗と売春ではどんな違いがあるのか?

夜の経済学 という本が興味深く読めたのは、夜の世界について、著者らが自らデータを集め、統計的な処理をし、データ分析結果から見えてくることを考えるスタンスにあったからでした。
投稿日 2015/02/21

昭和恐慌というデフレからの脱却の歴史がおもしろい




書籍 デフレと円高の何が 「悪」 か の第5章は 「歴史は繰り返す ーー 昭和恐慌から学べ」 です。書かれていた内容が興味深かったのでご紹介します。



本書では、昭和恐慌という歴史的なデフレ発生の経緯、デフレ不況からどのように脱却したかがわかりやすく書かれていました。

「昭和恐慌から学べ」 と章の本書のサブタイトルにあるように、経済評論家である上念司氏は、現在にも示唆に富むものであると指摘します (本書の上梓は2010年) 。
投稿日 2015/02/14

書評: 普天間問題 (小川和久)




2015年2月12日、安倍首相が施政方針演説を行ないました。

【首相施政方針演説全文】 「日本は変えられる。昭和の日本人にできて、今の日本人にできないわけがない」 - 産経ニュース


施政方針演説で普天間基地に言及


演説の中で、沖縄の普天間基地移設についても言及しています。安倍首相は、普天間飛行場 (基地) の辺野古沖移設への実現に、あらためて強い意欲を示しました。

以下は、上記リンク先からの引用です。

現行の日米合意に従って、在日米軍再編を進めてまいります。

3月末には、西普天間住宅地区の返還が実現いたします。学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の返還を、必ずや実現する。そのために、引き続き沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら、名護市辺野古沖への移設を進めてまいります。

今後も、日米両国の強固な信頼関係の下に、裏付けのない 「言葉」 ではなく実際の 「行動」 で、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。


普天間基地の何が問題なのか


普天間基地問題とは、一体何が問題なのでしょうか。

そもそも、普天間基地とはどんな基地なのか?なぜ移設するのか?移設先は沖縄県内なのか県外なのか、それとも国外なのか?

こうした疑問が解消でき、普天間基地についての理解に参考になったのが、書籍 この1冊ですべてがわかる 普天間問題 でした。著者は軍事アナリストの小川和久氏です。
投稿日 2015/02/07

書評: 日本人のための 「集団的自衛権」 入門 (石破茂)




自民党 石破茂氏の著書 日本人のための 「集団的自衛権」 入門 が、わかりやすく書かれた本でした。タイトルに 「入門」 と入っている通り、集団的自衛権についての基本が理解できます。


集団的自衛権の前に、理解すべきは 「集団安全保障」


自衛権を理解するためには、「集団安全保障」 という考え方をまずは理解する必要があります。

集団安全保障とは、国同士で武力行使をしないという約束をしているにもかかわらず、約束を破り侵略するような乱暴な国が現れたら、その他の仲間の国々が一致協力して平和を取り戻さなければいけない、という考え方です。

対立している国家をも含め,世界的あるいは地域的に,全ての関係諸国が互いに武力行使をしないことを約束し,約束に反して平和を破壊しようとしたり,破壊した国があった場合には,他のすべての国の協力によってその破壊を防止または抑圧しようとする安全保障の概念です。
投稿日 2015/02/01

書評: 戦後史の正体 (孫崎享) 。日本の戦後史を、アメリカに対する 「自主独立派」 と 「対米従属派」 の視点で俯瞰する




今年2015年は、終戦70周年という節目の年です。

2015年が始まって1ヶ月、戦後70年ということで注目を集めているのは、安倍首相の 「談話」 がどういった内容になるのかです。

もちろん、時の政権が先の戦争に対してどういったスタンスなのかを注目されるのは当然でしょう。しかし、文言をどうするかなど、あまりに細かい点がフォーカスされすぎています。

戦後70年というタイミングで振り返るべきは、その70年という中身であるべきです。すなわち、1945年から現在までの日本の歩みを総括することです。政治家や政権に任せるのではなく、日本国民の一人ひとりが戦後の歴史を知ることです。
投稿日 2015/01/31

書評: 原発ホワイトアウト (若杉冽)




小説 原発ホワイトアウト をご紹介します。



霞ヶ関の現役官僚による内部告発小説として話題になり、2013年のベストセラーの1つです。

ストーリーの舞台は、2012年12月に行われた衆議院選挙後の日本です。原発再稼働か脱原発かで国民が二分する中、電力業界・経済界・政界が三位一体となり、虎視眈々と再稼働に向けて暗躍する様が描かれています。

内部告発小説と言われたのは、著者が現役のキャリア官僚であること (本名や詳細は伏せています) 、さらには内容が関係者しか知り得ないようなものでリアルに見えることです。
投稿日 2015/01/04

書評: 「病院」 がトヨタを超える日 - 医療は日本を救う輸出産業になる! (北原茂実)




「病院」 がトヨタを超える日 - 医療は日本を救う輸出産業になる! という本には、医療崩壊の正体は 「医療費崩壊」 であると指摘されています。


このエントリーで書いていることです。

  • 医療崩壊の原因
  • 医療費を増やすという発想の転換
  • 日本の国民皆保険の現状と問題
投稿日 2015/01/03

全ての調査は正しいし、全ての調査は見誤る可能性があるという話




2014年12月、第47回衆議院議員選挙 (衆院選) が行われました。


Yahoo! が検索データから選挙予測を実施


選挙の事前予想では、昔は有権者への電話調査や該当でのインタビューが中心でした。しかし、最近ではネットの予想調査も目にするようになっています。
投稿日 2015/01/02

娘の緊急入院で感じた 「利用者」 と 「医療側」 の乖離




クリスマス直前に娘が緊急入院


昨年2014年のクリスマス前に、1才3ヶ月の娘が入院をしました。幸い、1泊の入院で済んだものの、救急車を呼んでの緊急入院でした。

入院先は近くの大学付属病院で、小児病棟です。入院した当日の夜は、妻がそのまま娘と一緒に泊まりました。私自身は、その日の面会時間が終わるまでと翌日の午後までの退院まで付き添いました。


入院に付き添って感じた病院の居心地の悪さ


短期間ではあったものの、娘の入院に付き添ってあらためて感じたことは、病院はなんとも居心地の良くない場所だということでした。
投稿日 2014/12/31

書評: 介護退職 (楡周平)




楡周平の小説 介護退職 が、ストーリーのおもしろさだけではなく、社会問題の視点で考えさせられる内容でした。



小説のストーリー設定


以下は内容紹介からの引用です。

三國電産北米事業部長の唐木栄太郎は取締役の椅子も目前。妻と名門私立中を目指す息子と家族三人で、都内の自宅で絶好調の年末を迎えていた。

そんなある日、秋田で独居する老母が雪かき中に骨折したと電話が入る。その時は、まさかそれが、奈落への号砲とは知る由もなかった…… 。

平穏な日々を崩壊させる "今そこにある危機" を、真正面から突きつける問題作、遂に文庫化!


母親の骨折が負の連鎖へ


主人公の母親は76才で、秋田でひとり暮らしをしています。ストーリーは、以下のような連鎖で、主人公と家族は経済的にも精神的にも追いつめられていきます。
投稿日 2013/08/18

書評: 満員電車がなくなる日 - 鉄道イノベーションが日本を救う (阿部等)




今回は、満員電車についてです。エントリー内容は以下です。

  • そもそもの満員電車の問題
  • 書籍 「満員電車がなくなる日」
  • どうすれば満員電車をなくせるか
投稿日 2013/07/28

ネットがもたらした 「注意力散漫な脳」 は進化?退化?




カジケンブログにある以下のエントリーを、興味深く読みました。

参考:テレビドラマって、もう一話15分で良いんじゃないの?|カジケンブログ


テレビドラマは15分くらいが最適?


エントリーの内容は、自分の SNS 上で話題になっていた NHK の連続テレビ小説 「あまちゃん」 についてでした。オンデマンドで見始めたを機に、テレビドラマは15分くらいが最適なコンテンツ時間なのではと考えるようになった、という内容です。

以下は該当箇所の引用です。

まず最初の取っ掛かりとして、15分だったらとりあえず一話ぐらいは観てみようかなという気になりました。YouTube も一つの動画の長さが最大10分なのでその感覚に近いかも。

逆に言うと、45分や1時間とかだったら観ていなかったと思います。実際今までのテレビドラマを観なかったのは、それが原因。

あと、一話の単位が15分だとちょっとしたスキマ時間で観れます。15分だからこそ 「あ、今ちょっと時間あるから次の回を観てみよう」 となる。それこそ友達に薦められた YouTube の動画をさらっと観るみたいな感じで。

これが45分とかだったら、例えば会社の昼休みをほとんど使っちゃうわけでかなりの決断になるし、この違いは大きい。
投稿日 2013/07/27

ネット選挙解禁で実感した民主主義に悪影響を及ぼす 「フィルターバブル」




2013年の参院選より、ネット選挙が解禁されました。公示後も投票日前日までは、党や政治家、有権者がネット上で選挙運動ができるようになりました。

投票日までのネット上の選挙に関する情報は、ネット選挙解禁前に比べて増えました。ネットに選挙関連情報が増えること自体は望ましいことです。

一方で、今回の選挙で思ったのは、ネットでのパーソナライズ化により起こる 「フィルターバブル」 でした。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。