今回は、マーケティングとブランドについてです。
- マーケティングやブランドについてわかりやすく教えてほしい
- マーケティングの全体像とは?
- 一枚のシンプルなプロセス図で、マーケティングを理解する方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
記事の前半では、それぞれの定義について、後半では一枚のプロセス図から、マーケティングやブランディングのポイントを5つに絞って解説しています。
マーケティングの考え方や知識は、ビジネスで幅広く役に立つスキルです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
戦略とは
最初に、戦略についてです。
いきなりですが、戦略と聞いてどのようなイメージでしょうか?
戦略とは、目的を達成するために決めた 「やること」 と 「やらないこと」 です。目的達成のためのリソース配分の指針が戦略です。
戦略の肝は 「やらないこと」 にあります。やらないことが明確になっているからこそ、やることにリソースを集中できるのです。
戦略の上位には目的があり、下位には戦術がきます。
目的・戦略・戦術の関係は、以下のようになります。
✓ 目的・戦略・戦術の関係
- 目的:成し遂げたいこと [Why]
- 戦略:目的を達成するために、やること・やらないこと [What]
- 戦術:戦略の具体的な実行プラン [How]
マーケティングとは
次に、マーケティングについてです。
私の一言の定義は、マーケティングとは 「消費者から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。
選ばれるとは例えば、消費者から買ってもらえる・使ってもらえる・来店してもらう・指名されることです。選ばれる理由とは、自分たちの強みであり、消費者や顧客への提供価値です。
ブランドとは
では、ブランドについて見ていきましょう。
ブランドとは 「消費者の好ましい感情が伴った商品やサービス」 です。好ましい感情とは、好き・満足感・共感・誇り・憧れなどです。
ブランディングは、商品・サービスに好ましい感情移入を起こしてもらう働きかけです。
ブランディングの成功のカギは、ユーザー体験にあります。ブランド形成のプロセスは、次のようになります。
五感による体験 → 感情移入 → 知覚価値 (頭の中で価値イメージができる)
良質な体験から感情移入が起こり、その商品・サービスへの価値イメージができるのです。
マーケティングの流れを理解するプロセス図
マーケティングのプロセスを図にしてみます。
この図は、大きくは3つで構成されています。
施策 (青) 、中間目標 (黄) 、ゴール設定 (赤) です。
3つの要素はさらに要因分解され、矢印でどう影響していくかを可視化しています。
[項目 1] 施策
施策としてまずは目的を設定し、目的を達成するための戦略を立てます。
戦略を具体的なアクションプランに落とし込んだものは戦術です。図ではマーケティング施策がそれです。
[項目 2] 中間目標
マーケティング施策によって、ゴールを達成するために必要な要素 (条件) を分解したものが 「中間目標」 です。
プロセス図では、中間目標を次のように設定しました。
✓ マーケティングの中間目標
- 認知向上
- 来店・訪問
- 購入
- 利用
- リピート購入
それぞれの中間目標に対して、追うべき数字を設定すれば KPI になります。
[項目 3] ゴール設定
マーケティングのゴール設定は、4つに分解しています。
✓ マーケティングのゴール設定
- ユーザー体験の向上
- ブランド構築
- 売上増
- 収益増
プロセス図から学ぶマーケティングのポイント
再度、マーケティングのプロセス図を表示します。
この図からわかる、マーケティングのポイントは5つです。
✓ マーケティングのポイント
- 目的・戦略・戦術の一貫性
- 認知から購入・利用までをつなげる施策
- 全てがユーザー体験をつくる
- ユーザー体験 (UX) がブランドをつくる
- 長期的にはブランドの強さが売上を決める
以下、それぞれについて、図を見ながら見ていきましょう。
[ポイント 1] 目的・戦略・戦術の一貫性
1つ目のポイントは、目的から戦略、アクションプランである戦術において、一貫性があることです。
戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 でした。戦略を具体的なアクションに落とし込んだものが戦術です。
設定した目的を達成するマーケティング戦略、戦略の実行プランであるマーケティング施策が、ストーリーとして流れがあるかどうかです。
[ポイント 2] 認知から購入・利用までをつなげる施策
2つ目のポイントは、マーケティング施策による中間目標のつながりです。
施策によって、商品やサービスへの認知向上から始まり、来店や訪問、購入、利用、そしてリピート購入にまでつながっているかです。
[ポイント 3] 全てがユーザー体験をつくる
3つ目のポイントは、認知や来店など、それぞれの消費者の段階で、どんなユーザー体験を提供するかです。
ユーザー体験は、商品の利用やサービスを受ける時だけではなく、商品・サービスに関わるあらゆる状況 (タッチポイント) で発生します。
[ポイント 4] ユーザー体験 (UX) がブランドをつくる
先ほどのブランドの説明では、ブランドがつくられるのは以下の流れだと書きました。
五感による体験 → 感情移入 → 知覚価値 (頭の中で価値イメージができる)
ユーザー体験 (UX) の重要性は、UX がブランドをつくるということです。
UX は商品・サービスに関わるあらゆる接点で生まれ、ブランドが構築されるのも、1つ1つの商品・サービスへの体験の積み重ねからです。
[ポイント 5] 長期的にはブランドの強さが売上を決める
短期的、一時的に売上が伸びたとしても、長期的にはブランドの強さが商品・サービスの売上につながります。
ブランドはすぐに、簡単にはできあがりません。マーケティング施策により認知から始まり、購入、利用、再購入とそれぞれのユーザー体験を通してつくられます。
売上は、あくまでこれらのプロセスを通しての結果です。
まとめ
今回は、マーケティングやブランドについてでした。
最後にまとめです。
戦略、マーケティング、ブランドの言語化
- 戦略:目的を達成するために決めた 「やること」 と 「やらないこと」
- マーケティング:消費者から選ばれる理由をつくる活動全般
- ブランド:消費者の好ましい感情が伴った商品やサービス
マーケティングのポイント
- 目的・戦略・戦術の一貫性
- 認知から購入・利用までをつなげる施策
- 全てがユーザー体験をつくる
- ユーザー体験 (UX) がブランドをつくる
- 長期的にはブランドの強さが売上を決める