投稿日 2019/09/10

小学生の路上ライブ成功の3つのポイントから、ビジネスパーソンが学べること (フリーランス視点で)




今回は、仕事の進め方についてです。

  • 小学生が路上ライブで成功した3つのポイントとは?
  • 仕事のやり方への応用
  • フリーランスでの働き方への応用

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、相手と信頼関係を築きながら、仕事をうまく進めていく方法です。

ある小学生が路上ライブで稼げるようになった話を成功法則として一般化し、仕事のやり方への応用、そしてフリーランスの働き方への応用を書いています。

ぜひ記事を読んでいただき、仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


小学生の路上ライブ


最初にご紹介したいのは、人生の勝算 (前田裕二) という本に書かれていたことです。





この本には著者の前田裕二氏が、小学生当時に路上ライブをしていた時のエピソードが書かれています。

路上ライブを始めた当初は、通る人に全く興味をもらえなかった状況から工夫を重ね、路上ライブでお金を稼げるようになった話が興味深く読めます。

以下は、この本からの引用です。

半年間で、どんな工夫をしたか。

試行錯誤の中でわかった最も重要なことは、「濃い常連客」 を作ることでした。そのためには、大きく分けて、三つのステップがあると最終的に気付きました。

 (引用:人生の勝算 (前田裕二) )

引用内にある 「濃い常連客」 がポイントです。


路上ライブが成功したポイント


路上ライブを成功させることができたのは、3つのポイントからです。

お客さんがぐっと近くに来てくれるようになったのは、曲のセットリスト (当日歌う予定の歌を一覧にしたもの) を書いた、手書きのボードを掲げてからです。

松田聖子やテレサ・テン、吉幾三などと書いてあると、街行くお客さんは、「小学生が歌謡曲を歌うの?」 「吉幾三って……まさかこの子が?」 という疑問を持ちます。

 (中略)

通りかかった人が素通りできないような、つっこみどころを自分の中にどれだけ作れるか。この発想が功を奏しました。

 (引用:人生の勝算 (前田裕二) )

引用を続けます。次はステップ2です。

2ステップ目は、リクエストを受けることでした。それも、時間差で。

お客さんとコミュニケーションを取れるようになった後は、より密度の濃いやりとりを繰り返して、親近感を持ってもらうことが大切です。

 (中略)

 「今日は歌えないのですが、来週の水曜の同じ時間に、もう一度この場所に来てもらっても良いですか?」 そう言って、次回の約束を取り付けました。

きっちり約束の時間に来てくれた女性に、僕は心を込めて、一週間、一生懸命練習した『白いパラソル』を歌いました。すると、この僕が歌う『白いパラソル』が、この女性にとっては特別なものになります。下手をすると、松田聖子さんご本人が歌う『白いパラソル』よりも、価値を持ち得ます。

それは、僕が歌う 「曲そのもの」 ではなく、1週間という時間にお客さんが思いを馳せて、その過程自体に強いストーリー性を感じてくれるから。

 (引用:人生の勝算 (前田裕二) )

ここまでは、3つのステップの2つです。では、最後のステップ3は、どのような内容なのでしょうか?

3ステップ目です。ここで初めて、仲良くなったお客さんに、オリジナル曲を披露します。

前述の通り、何も関係性のない通りすがりの人々にオリジナル曲を歌っても、誰も聴いてくれません。でも、すでに特別な絆が出来上がっているお客さんは、僕が作った曲に深く耳を傾け、詩もメロディも心で嚙み締め、感動してくれます。

 (中略)

僕の歌が別にうまくなったわけではない。では、最初と今とで、何が違うのか。答えは、絆の深さです。

最初は0だったお客さんと自分の間にある絆が、時間をかけて、じっくりと育っていく。当初は誰も興味を持たなかったオリジナル曲に、いわば 「絆」 という名の魔法をかけて、まったく別の価値ある曲に昇華する。こうして、いくつものストーリーを共有するうちに、お客さんは、決して裏切ることのない常連さんになっていきます。

 (引用:人生の勝算 (前田裕二) )


3つのステップのまとめ


以上の3つのステップをまとめると、以下のようになります。


3つのステップ
  • コミュニケーション
  • 曲のリクエスト
  • オリジナル曲


それぞれの詳細は、次のようになります。


[ステップ 1] コミュニケーション
  • 小学生は普通は知らないような、歌えないような曲を披露した
  • 通る人が興味を持ち、話しかけてくれるように (コミュニケーション可能範囲に入ってきてくれた)
  • コミュニケーションから少しずつ絆ができはじめた


[ステップ 2] 曲のリクエスト
  • 歌ってほしい曲のリクエストを受けた
  • その場ですぐに歌うのではなく持ち帰った。一週間後に来てもらう約束をし、翌週に練習の成果を披露した
  • 相手にとっては、一週間を自分のためだけにリクエスト曲を練習してくれた、路上で自分のリクエストを一所懸命に歌ってくれたことが特別な体験になった。強い絆ができた


[ステップ 3] オリジナル曲
  • ステップ1と2はカバー曲。ステップ3でようやく自分がつくったオリジナル曲を披露した
  • 相手との信頼関係がない中でオリジナル曲を歌っても、聞いてもはもらえない
  • オリジナル曲の中身や歌い方がうまくなったわけではなく、聞いてもらえたのはコミュニケーションを重ね、相手との絆ができていたから


3つのステップの一般化 (成功法則)


前田裕二氏が小学生だった時の路上ライブの成功のポイントを一般化すると、どうなるでしょうか?

成功法則として、次のように抽象化できます。


3つのステップの一般化 (成功法則)
  • コミュニケーションからお互いを知り、絆をつくるようにする
  • 自分がやりたいことよりも、まずは相手が望むことを優先。特別な体験を提供し、信頼関係と絆を強める
  • 強い信頼関係という土台ができれば、自分のやりたいことを入れる


仕事の進め方への応用


路上ライブ成功の3つのステップは、ビジネスパーソンにも示唆があります。

仕事の進め方で、以下のような応用ができます。


仕事の進め方への応用
  • まずはコミュニケーションから一緒に働く人を理解する。信頼関係と絆をつくることを優先
  • 相手は仕事やプロジェクトに何を望んでいるのかを理解する。より良いのは、他の人と違うやり方で相手の望みを叶える (特別な体験を提供)
  • 信頼関係が築けたと思ったら、自分のやりたいこと・やり方を増やしていく


フリーランスの働き方への応用


もう1つの応用として、フリーランスの仕事の仕方・働き方です。

路上ライブ成功への3つのステップから、フリーランスの働き方に次のような応用ができます。


フリーランスの働き方への応用
  • 新しい仕事は、一緒に働く相手とのコミュニケーションから信頼をつくる。最初は売上をあえて狙わずに、信頼形成を優先する
  • 相手の望みや期待に、期待以上のパフォーマンスを出す。他とは違う価値を提供する
  • 信頼関係ができれば、自分のやりたいことを積極的に伝え入れていく。仕事の報酬も適正な水準にする


まとめ


今回は、人生の勝算 という本から、小学生の路上ライブの成功のポイントをご紹介しました。





そこから仕事の進め方、フリーランスでの仕事の向き合いについて、どんな示唆があるかを考えました。

最後に今回の記事のまとめです。



前田裕二氏が小学生当時に路上ライブをしていた時のエピソード。成功法則には、3つのステップがあった。
  • コミュニケーションから信頼関係をつくる
  • リクエスト曲を受け、相手に特別な体験を提供する (強い絆を生む)
  • 自分のオリジナル曲を披露。相手との絆があるので聴いてもらえる


3つのステップの一般化 (成功法則)
  • コミュニケーションからお互いを知り、絆をつくるようにする
  • 自分がやりたいことよりも、まずは相手が望むことを優先。特別な体験を提供し、信頼関係と絆を強める
  • 強い信頼関係という土台ができれば、自分のやりたいことを入れる


仕事の進め方への応用
  • まずはコミュニケーションから一緒に働く人を理解する。信頼関係と絆をつくることを優先
  • 相手は仕事やプロジェクトに何を望んでいるのかを理解する。より良いのは、他の人と違うやり方で相手の望みを叶える (特別な体験を提供)
  • 信頼関係が築けたと思ったら、自分のやりたいことを・やり方を増やしていく


フリーランスの働き方への応用
  • 新しい仕事では、一緒に働く相手とのコミュニケーションから信頼をつくる。最初は売上をあえて狙わずに、信頼形成を優先する
  • 相手の望みや期待に、期待以上のパフォーマンスを出す。他とは違う価値を提供する
  • 信頼関係ができれば、自分のやりたいことを積極的に伝え入れていく。仕事の報酬も適正な水準にする





人生の勝算 (前田裕二)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。