投稿日 2019/09/19

行動や挑戦へのヒントを 「無意識の情動から始まる購買心理」 から




今回は、何か新しいことへの行動やチャレンジについてです。

  • 無意識の情動から始まる購買心理とは?
  • 新しく行動してみることへのヒントとは?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、何かを試してみる、行動してみる、挑戦してみることに、一歩踏み出すためのヒントです。

マーケティングの観点で購買心理を取り上げ、そこから一般化したことを行動することに当てはめ、行動することへの示唆をご紹介します。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。


無意識から始まる購買心理


まずは始めに、取り上げたい本があります。

欲しい ほしい ホシイ - ヒトの本能から広告を読み解くと という本には、人の購買心理について興味深いことが書かれています。





以下は、この本から該当箇所の引用です。

人は、最初に無意識による情動で 「買いたい」 と思い、その次に意識が修正をかけて、購買行動に至るという順序を踏んでいるわけです。意識による修正がほとんど働かない時、衝動買いというものが生まれるのでしょう。

 (中略)

消費行動の研究によれば、消費者がお店に入る前に買うべき商品を決めている 「計画購買」 の割合は約 11% に過ぎない、というデータがあります。

お店で物を買う時、これにしよう、と考えてから決めているのではなく、無意識に買う物を決めてから、これに決めた理由はこうだから、と 「後付け」 している、ということかもしれません。自分でも知らない 「真の理由」 が他にあるかもしれないのです。

 (引用:欲しい ほしい ホシイ - ヒトの本能から広告を読み解くと (小霜和也) )

書かれている購買心理をまとめると、次の3つのステップになります。


無意識から始まる購買心理
  • 無意識による情動で 「買いたい」 と思う
  • 意識が修正し、後づけで理由をつくる (理屈で自分を納得させる)
  • 買う


購買心理の一般化


ご紹介した 「無意識の情動から始まる購買心理」 を一般化すると、行動へのプロセスと捉えることができます。


行動へのプロセス
  • 無意識 (直感) により行動したいと思う
  • 意識による後からの理由づけ
  • 行動する


最初の無意識や直感は、自分本人も普段は意識していないので、自分が気づいているのは2つ目の 「意識による後からの理由づけ」 からです。

しかし、本当はその前に無意識による行動への情動があるとすれば、ここには、行動をすること・新しく試してみること・チャレンジへのヒントがあります。


行動することへのヒント


無意識から始まる行動プロセスから、挑戦や行動することへのヒントは、整理すると次の3つです。


行動することへのヒント
  • 意識が 「できない理由」 をつくっていないか
  • 無意識を探す方法
  • 直感の大切さ


以下、それぞれについて順番に解説します。


[行動へのヒント 1] 意識が 「できない理由」 をつくっていないか


無意識のレベルで行動したいと思っても、意識がせっかくの行動への機会のブロッカーになっていないかです。

意識による後つけの理由や理屈が、「できない理由」 になってしまうと行動を妨げてしまいます。意識での後からの修正は 「できる理由」 を考えてみると、行動に入りやすくなります。


[行動へのヒント 2] 無意識を探す方法


意識による理由づけの前の、無意識や直感に目を向けてみるとよいです。

無意識に着目する時に注意したいのは、「なぜ」 という問いによって深掘りをしないことです。「なぜ」 はロジカルシンキングに有効ですが、無意識の深掘りに使ってしまうと意識による理由づけの 「強化」 になってしまいます。

ではどうするかというと、「なぜ」 ではなく 「何か」 で自分に問いかけるのです。Why ではなく What です。

自分が意識できていない直感的な無意識は何だったのかと、自分に向き合います。この繰り返しが自己認識につながります。


[行動へのヒント 3] 直感の大切さ


行動の起点が無意識からだとすると、思っている以上に直感は大切です。

あらためて考えたいのは、自分の直感に気づいているかです。そして、気づくだけではなく、もう一歩踏み込み直感に従って素直に行動をしているかです。

直感に従ってすぐに行動するとは、行動プロセスで見た無意識と行動の間にある意識による理由づけのスキップです。

全ての行動プロセスにおいて意識を飛ばす必要はありませんが、直感を信じて、その場ですぐに行動してみることは、直感を大切にしているということです。


まとめ


今回は、行動することへのヒントを購買心理から考えました。

最後に今回の記事のまとめです。


無意識の情動から始まる購買心理
  • 無意識による情動で 「買いたい」 と思う
  • 意識が修正し、後づけで理由をつくる (理屈で自分を納得させる)
  • 買う


無意識から始まる購買心理を一般化すると、行動へのプロセスになる。
  • 無意識 (直感) により行動したいと思う
  • 意識による後からの理由づけ
  • 行動する


無意識から始まる行動プロセスには、行動をすることへのヒントがある。
  • 意識が 「できない理由」 をつくっていないか
  • 無意識は 「なぜ」 ではなく 「何を」 で自分に問いかける
  • 直感の大切さ。時には直感に従いすぐに行動してみる





欲しい ほしい ホシイ - ヒトの本能から広告を読み解くと (小霜和也)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。