投稿日 2020/06/18

戦略の前提を理解し、ビジネスモデルをつくる方法




今回は、戦略とビジネスモデルについてです。


この記事でわかること


  • 戦略の前提
  • 市場理解の方法 (人間の欲と競争相手)
  • ビジネスモデルのつくり方


戦略の前提


物事には必ず前提があります。

では、戦略の前提とは何でしょうか?

その前に、まずはそもそもの戦略とは何かです。これは私の定義で、戦略とは 「目的を達成するためのリソース配分の指針」 です。目的を実現するために 「やること」 「やらないこと」 を決める。これが戦略です。

戦略の前提とは環境です

ビジネスに当てはめれば、環境とは事業を展開する市場です。

戦略をつくるためには、前提の理解が不可欠です。前提理解の大切さは戦略に限りません。

では、前提の理解、つまり市場をどのように理解すると良いのでしょうか?


市場理解の方法


市場を理解するためには、大きくは以下の二つの要素からです。解像度高く、具体的に掘り下げていきます。


市場理解の要素
  • 顧客 (人間) の欲
  • 欲を満たす競争相手


それぞれについてご説明をしていきます。


[市場理解 1] 顧客 (人間) の欲


ここで言ってる欲とは、ビジネスの言葉で言えば需要、ニーズ、不満、もっと良くなりたい気持ちです。

これらを一言で表現すれば 「人間の欲」 です

欲について、間口と奥行きの二つの軸から見ていきます。間口とは、どれくらい多くの人に当てはまるか、奥行きとはどの程度で深い大きい欲なのかです。

時間軸の観点からも見ていきます。一過性の欲なのか、それとも普遍的な今後も長く存在する欲なのかです。

欲の満たされ具合も確認するといいでしょう。

具体的には、既に誰か競合によって満たされつつあるのか、まだこれからなのか。あるいはそもそも顧客自体も、自分の欲について気づいていないのかどうかです。

以上のように 「人間の欲」 という視点で市場を理解します。


[市場理解 2] 欲を満たす競争相手


市場理解の二つ目の要素は、誰と争うかです。

一つ目で見た 「顧客の欲」 を満たそうとする自分たち以外のプレイヤーです。これが競合に当たります。

既に欲に応えようとしているプレーヤーは既存の競合、これからやろうとしているプレイヤーは将来の競合です。

こうした分析から、その市場での参入障壁が高いか低いかも見えてきます。


以上の 「顧客の欲」 と 「誰と争うか」 から、市場を定義し、理解をしていきます。

では、市場理解の後には何をすればいいでしょうか?

その市場に対して自分たちは何をするか、そしてどのように収益を得るかのビジネスモデルをつくっていきます。


ビジネスモデルのつくり方


ビジネスモデルをつくるにあたって、ビジネスモデルを因数分解します。

以下の要素に分けて、それぞれの具体化と全体での一貫性・整合性をとります。


ビジネスモデルの要素
  • ターゲット顧客 (その欲を持っている人または企業の特徴)
  • 提供価値
  • 価値の源泉
  • 収益モデル


では、それぞれについて見ていきましょう。


[ビジネスモデル要素 1] ターゲット顧客


ターゲット顧客は市場理解で見た 「欲」 を基点に見ていきます。

その欲を持ってる人は、どんな人または企業なのかです。同じ欲を持っている人たちをくくり、出来上がったグループがターゲット顧客になります。特徴を把握し、顧客像を解像度高く具体的に描きます。

これが、具体的な欲を抽象化してくくり、セグメンテーションをつくるやり方です。


[ビジネスモデル要素 2] 提供価値


提供価値には、プロセスと結果の二つがあります。

プロセスとは、欲の満たされ方です。結果とは満たされた時と、その後の状態です。例えば、どんな情緒的な嬉しさを得られるかです。

提供価値は、顧客を主語にして具体的にします。

提供価値については、持続的にできるかどうかもポイントです。


[ビジネスモデル要素 3] 価値の源泉


源泉とは提供価値を実現する元になっているものです。

自分たちが持っているリソース、リソースをどのような業務プロセスによって価値提供につなげるかです。

源泉に競合にはない独自性があるほど、提供価値も競争優位を持ちます。しかし、他社からすぐ真似されるようなものならば、持続的な価値提供にはつながりません。


[ビジネスモデル要素 4] 収益モデル


事業での収益は、提供価値の対価として得られます。

収益モデルを設計するためには、さらに要素分解をするといいです。


収益モデルの要素
  • 誰から
  • 何の価値に対して
  • どのタイミングで
  • どうやって


それぞれを補足します。

一つ目の 「誰から」 はターゲット顧客のうち、全員から収益を得るのか、それともフリーミアムのように一部の顧客から課金をするかです。

二つ目の 「何の価値に対して」 は、例えばここまでの機能は無料で、さらに先のアップグレード版は有料とする分け方です。

三つ目と四つ目の 「どのタイミングで」 と 「どうやって」 は、セットで考えるといいです。例えば前払いなのか後払いなのか、サブスクのような定額制にするかです。


まとめ


今回は戦略について、市場理解とビジネスモデルから掘り下げました。

いかがだったでしょうか?

最後に、今回の記事のまとめです。


1.
物事には必ず前提がある。戦略の前提とは環境 (市場) 。戦略をつくるためには、前提の理解が不可欠。


2.
市場を理解するために二つの要素を解像度高く、具体的に掘り下げていく。
  • 顧客 (人間) の欲。間口と奥行き、時間軸 (一過性か普遍的な欲か) 、欲の満たされ具合を理解する
  • 欲を満たす競争相手。競争環境と参入障壁を把握する


3.
ビジネスモデルのつくる項目
  • ターゲット顧客 (その欲を持っている人または企業の特徴)
  • 提供価値
  • 価値の源泉
  • 収益モデル (誰から・何の提供価値に・どのタイミングで・どうやって)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。