投稿日 2020/06/29

「戦略の提案」 には、まずは自分たちの戦略立案と実行から (儒教からの示唆)




今回は、戦略の提案についてです。

仕事で時々受ける相談から、着想を広げています。


この記事でわかること


  • 相談 「戦略レイヤーへの提案をするには?」
  • 戦略をつくるプロセス
  • 共通する五つの項目


この記事で書いているのは、戦略立案と実行プランのつくり方です。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。


戦略提案への相談


仕事で、企業から時々受ける相談があります。「お客に戦略の提案をしたい」 です。

お客さんの上流の工程にもっと入り込んでビジネスをさらに展開したい、そのためにどうすればいいかという相談です。

この相談で私がまず確認をするのは、「自分たちの事業やサービスに戦略はありますか?」 という問いかけです。

というのは、「自分たちのことができずして、お客さんである相手への戦略提案はつくれない」 と考えるからです。

では話を少し膨らますために、儒教の教えをご紹介します。


儒教からの示唆


儒教には 「修身・斉家・治国・平天下」 という考え方があります。

これが意味するのは、「天下を治めるためには、まずは自分自身を修める、自分を律することから」 です。自分の身のまわりから整え、次に家庭を安定させる、それが国を治めることにつながり、ひいては天下を平和にします。

戦略の提案についても、これと同じです。

相手の戦略をつくるためには、何よりも自分たちの事業やサービスでしっかりと戦略があり、それを実行できているかが問われます

ではここからは、どうやって戦略をつくっていくかを見ていきましょう。


戦略から実行プランをつくるプロセス


戦略をつくり実行をするためのプロセスには、共通したものがあります。

これは私の経験からですが、事業戦略、マーケティング戦略、プロダクト戦略、営業戦略などレイヤーが違っても、共通して当てはまる五つの項目です。


戦略立案から実行プランの項目
  • 現状分析
  • 目的
  • 戦略
  • 実行プラン
  • 計数計画


では、それぞれについて順番に掘り下げていきましょう。


[項目 1] 現状分析


物事には必ず前提があります。

現状分析とは、戦略の前提になるものです。ちなみに戦略の前提は二つあり、一つがこの現状分析、もう一つは次で解説する目的です。

現状分析によって現実を直視し、事象の奥にある本質まで掘り下げていきます。現状分析では大きく外部環境と内部環境に分け、解像度高く見ていきます。


外部環境
  • 市場
  • 顧客
  • 競合


内部環境
  • 自社内での位置付け
  • リソース
  • 対競合での強み・弱み
  • PL などの収益や資金の状況


これらから、どれだけ本質に迫れるかです。

本質把握のために意識するといいのは、物事の三つのレイヤーです。


本質までの三つのレイヤー
  • 表面的な事象
  • 背後にある構造的なメカニズム
  • さらに奥にある本質


[項目 2] 目的


現状把握ができれば、戦略をつくるために目的を明確にします。

目的は戦略の上位になります。というのは、戦略とは目的を達成するために 「何をやるか」 と 「やらないか」 だからです。目的を実現するためのリソース配分の方針が戦略です。

目的設定には、ビジョンを描くところからやるといいです。

ビジョンとは、自分たちが理想とする一枚の未来像です。ビジョンには二つの種類があり、自分たちはどうありたいか (Being 型) 、どんな世の中にしたいか (Doing 型) です。


[項目 3] 戦略


目的が決まれば、目的を達成するための戦略立案に入ります。

戦略で肝になるのは 「やらないこと」 です。戦略とは 「やらないことを決めるためにある」 と言ってもいいほどです。

やらないことが明確だからこそ、やることに対して有限であるリソースを集中投入することができます。

戦略でのもう一つのポイントは、時間の流れの把握です。同じリソースを投入するにあたっても、例えばやることの A, B, C に同時並行で投下するのか、それとも、まず A をやって次に B 、その後に C という順番があるかどうかです。

時間展開、スケジュールと期限設定を、戦略の中に入れ込みます。


[項目 4] 実行プラン


戦略が決まれば、実行プランへ落とし込みます。実行プランは戦術です。

実行プランにおいても、時間的な流れと各実行施策の相互作用を確認します。実行策を単に羅列するだけではなくて、動的に理解します。

実行プランは一枚のロードマップとして描くといいです。設定した時間軸の中で、「何を・誰が・いつまでに」 を明確にします。

ロードマップができれば、組織体制をつくり、実行をフォローする仕組みも用意します。


[項目 5] 計数計画


5つ目の最後の項目です。戦略と実行プランを踏まえて、計数計画を用意します。

計数計画の意味合いは、戦略からの実行プランをやることによって最終的にどんな収益になるのかです。売上・経費・利益の三つ (PL) 、そして、どんな資産を蓄積していくかの BS の視点です。


まとめ


今回は、戦略から実行プランのつくり方を解説しました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


提案は自分たちから
お客に戦略の提案をするためには、自分たちが事業やサービスの戦略があり実行ができているか。自分のことができずして、お客さんである相手の戦略提案はつくれない。


戦略から実行プランをつくるプロセス
  • 現状分析 (外部環境と内部環境)
  • 目的 (ビジョンを描き目的を設定する)
  • 戦略 (やらないこと, 時間の流れの把握)
  • 実行プラン (ロードマップ, 組織体制, 実行フォローの仕組み)
  • 計数計画 (売上・経費・利益)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。