
今回は、プロジェクトマネジメントについてです。
この記事でわかること
- 認識が揃わないという 「プロジェクトあるある」
- これを表現した一枚の絵
- 要件を揃える方法
この記事で書いているのは、プロジェクトで起こる 「成果物の要件への認識が関係者で揃わない」 についてです。
まずはこの状況を表した一枚の絵をご紹介します。そこから思ったこと、そして、どうやって要件を揃えていくかを掘り下げています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事に参考にしてみてください。
立場による認識の違い
まずはこちらの絵をご覧ください。
自分たちがつくろうとしている成果物の認識への違いを、おもしろく表現しています。

引用: Project Comedy
いかがでしょうか?
関係する人の立場によって、成果物の要件への理解が全く違います。
突っ込みどころはたくさんありますよね。中でも、私が特に興味深いと思ったことをいくつかご紹介します
認識の違いで興味深かったこと
具体的には、以下の違いを興味深いと思いました。

認識の違いで興味深かったこと
- 顧客の要望に最も近かったのは、顧客と直接接している営業 (ただし客には誇張で表現する) [右上]
- 認識合わせのための書類が最も情報が少ない。要件定義が社内と対クライアントの両方でできていない [左下]
- 実装はおおよそ合っているが、顧客が最もこだわった部分が実現できていない (優先順位の見誤り) [左下]
- 顧客自身も自分が本当に欲しいものを正確に理解・言語化できていない (実はタイヤだった) [左上と右下]
いかがでしょうか?
他にも、この認識のズレへの一枚の絵に、色々なツッコミができると思います。
では、どうすれば成果物への要件を揃えることができるのでしょうか?
要件の揃え方
ここでは要件定義の揃え方を、「前提」 と 「方法」 に分けて見ていきます。
前提となる考え方
- 立場の違う人同士で、100% 完璧に認識が揃うことはない (前向きな諦め。そこから、だからこそどうするか?)
- 自分は知らず知らずのうちに色眼鏡をかけて見ている (無自覚のバイアス)
- 持っている認識は正しくないのではないかという問題意識を常に持つ
要件認識の揃え方
- 伝言ゲームをなくす。情報を介する人が多くなるほど、認識はずれていくので、なるべく直接聞く (例: 顧客とは直接対話する)
- 手間でも言葉と図に落とし込んだ書類をしっかりとつくる (先ほどの絵では書類が最も情報が少なかった)
- 用語を揃える。特にカタカナや抽象的な言葉は要注意
- 顧客の要望や言っていることを鵜呑みにしない。良い意味で健全な批判的精神を持つ
- 時にはこちらから顧客に提案し、問いかけをする。顧客自身も気づいていない・自覚できてない要望を一緒に言語化し、つくっていく
まとめ
今回は、プロジェクトマネジメントや、顧客からの要望、成果物への認識のずれについてでした。
後半では、認識の揃え方を掘り下げました。いかがだったでしょうか?
最後に、今回の記事のまとめです。
成果物への認識の違い
自分たちがつくろうとしている成果物の認識への違い。関係する人の立場によって、成果物の要件への理解が全く異なる。

認識の違いで興味深いこと
- 顧客の要望に最も近いのは顧客と直接接している営業 [右上]
- 認識合わせのための書類が最も情報が少ない [左下]
- 実装はおおよそ合っているが、顧客が最もこだわった部分が実現できていない [左下]
- 顧客自身も自分が本当に欲しいものを正確に理解・言語化できていない [左上と右下]
揃えるための前提
- 立場の違う人同士で、100% 完璧に認識が揃うことはない
- 自分は色眼鏡をかけて見ている (無自覚のバイアス)
- 認識は正しくない疑いを常に持つ
要件認識の揃え方
- 伝言ゲームをなくし、なるべく直接聞く
- 言葉と図に落とし込んだ書類をつくる
- 用語を揃える (特にカタカナや抽象的な言葉は注意)
- 顧客の要望や言っていることを鵜呑みにしない
- 顧客自身も気づいていない要望を一緒に言語化しつくっていく